Windows Mobileに本気な理由

もう10年になるでしょうか。
Windows CEというOSが組み込み機器用に注目を浴びたのは。
OSのコアを同じとした現在のWindowsMobileもこの時期に大きく進歩しました。
そして、実際にはたくさん存在する WindowsCEはあまり一般市場に出てくる物ではありません。
例えば、回転寿司の注文システムから自動販売機、POS端末など見えないところであちこちで頑張っています。
そして、今度はWindows CEではなく Windows MobileをOSとするというような意味の発言がされています。
長年の懸案であったブラウザの改良やSilverLightクライアントの話、WindowsServerによる集中管理の仕組み等 毎日の利用で必ずしも関係のないところも含めて ここ数年の進捗はめまぐるしいと思います。
前述のお寿司屋さんのテーブルに置いて注文を受けているシステムはブラウザベースで動いていますので、その上で動くアプリケーションの幅を広げるために前述の二点は大きく効果があり、後述の一点はバージョンアップ等の手続きに一層貢献することでしょう。
って、Windows CEの話をしている筈が Windows Mobileと混同されてしまいました。
 
もちろん、これはわざと混同したわけなのですが
中国で7000円のノートPCが登場して話題になっていますが スペック的にSmartPhone−(マイナス)の性能の物なので ノートPCをどう定義するか問題はあるとは思うのですが 形だけならノートPCでしょう。
一般的なノートPCの定義は(MAC OSやLinuxのファンの方には怒られそうですが)Windows OS(x86)の動作するものを指すことが多い定義です。
一応追記しますが、MAC OSのノートを「ノートPC」とは呼ばない(呼びたく無いようですね)ことと、NetWalkerやザウルスを例に出してわかる通りLinuxでは範囲が広すぎてOSで機種を特定ができなくなってしまうわけです。
逆に言うと中国の7000円ノートPCをノートPCとするならNetwalkerは十分にノートPCなわけです。
その上で、〜というアプリケーションが動かないと 以前のW-Zero3が発売されたようなことが ノートPCといえば起きる訳です。
実際、W-Zero3発売の時には 「何にも動かない!!」と怒る人もテレビで見ました。もう少し勉強していただきたいものです。
前述の7000円ノートPCのOSはLinuxベースの物で、多くのWindows用ソフトウエアは動作しません。
ところがNetWalkerでも、PCで使う最も普及しているソフトの ワープロ表計算は非常にPC用で最もメジャーなものに似通ったものが実装されています。
故に、それで満足している人には便利な機器となっている訳です。
 
先日、ARMからCoretex-A9というプロセッサが登場したのですが、この性能がATOMの2.5倍と発表されています。
クロックは最大2GのARMコアのプロセッサーATOMより詳細な電源管理を持っているのは後発である以上当たり前。
それにしても性能2.5倍は評価の仕方もありますが かなり大きな数字です。もちろん、デュアルコアなのでその有利さがあってのことです。
で、前述の中国製7000円ノートPCに搭載されているのも ARMコアプロセッサーなのです。
現在、発表されているデータからの推測であれば、ATOMと比較するCoretex-A9のダイサイズは1/3〜1/4。
単純に数値比較は意味がないのですが 製造コストは面積に比例するという言葉通りなら価格は半分以下であろうことは想像できます。
それなら、上記ノートPCの価格もあり得ない話ではないとなるわけです。
このノートPCのすごいところは 二年間の通信契約を伴わない点なわけです。
 
ARMコアのCPUで使われるOSはLinuxの物が多く、最近ではディストビリューション違いと言われそうですが Androidもあります。そしてWindowsCEもあるのですが 実はノートPCと呼ばれるものではあまり安価なものが出てきません。何故ならOSそのものの価格が前者二つと違い 前者二つが無償なのに対してマイクロソフトの物は有償です。7000円で売るとなれば小額であっても大きな影響を与えるかとは思います。
今までLinuxではあまり体系だってソフトウエアの提供が行われることも少なく、リビジョンやディストリビューションの違いでのアプリケーションの互換性の問題があったのですが、Androidのように統一された形でのアプリケーションストアの登場などは看過できる問題ではなくなってきています。
X86系では圧倒的なシェアのSOであるWindowsも 以前には作られていましたが現在ではARM用には作られていません。
また、昔はプログラムを書く側の難しい処理を軽減するためにCPUそのものに豊富な命令を持たせて使うX86系のメリットもあったのでしょうが 現在では基礎的な部分はOSに任せていますし 比較的高級な言語で書かれることが多いのであまり価値は無くなってきました。
X86系の強みはここまで蓄積されたプログラム(ハードウエアも含めて)資産とシェアの多さと向かうべき方向が「More Power!」という一点に向けて進歩したために現在 どのプロセッサよりも高性能な普及帯プロセッサとなった訳です。
逆に命令の効率の悪さや無駄は大きくなっている訳ですが。
で、小型のデバイス用にARMプロセッサの方が・・・となったところで簡単に乗り換えというわけにはいかないわけです。
ところが、小型PC用として発売されたATOM プロセッサーが自ら「More Power」ではない市場を開拓し、時を同じくして広がる不況が安価でそこそこの性能の物を求めてゆくという方向に対して 大きすぎるマイクロソフトは動きが取りにくくなってきた訳です。
ARMプロセッサの性能が、買いクラスのPC用のプロセッサに匹敵し 価格的に安価でその点に気がついたベンダーが製品の提供を始めれば黙ってみている訳にはいかないのです。
 
WindowsMobile MarketPlaceはそのOS向けのアプリケーションをそろえる事が出来るでしょう。
そして、その中にはデスクトップやサーバー向けのPCとの連携ソフトが含まれることとなるのでしょう。
例えば、リモートデスクトップサービスのバリエーションであったり、InternetExproler用のプラグインだったり
デスクトップのPCと同じ機能まではいかなくても、連携すればほぼ同じことができるレベルにまで。
ARMプロセッサーで動く Windowsとしてリニューアルとも考えられなくもないわけです。
LiveからワードやExcelのWEB版が提供され 動作させることができ デスクトップでOfficeを使っているユーザーには無償提供されるとか
メールやブラウザはもちろん、DBクライアント機能や.NET環境で作られたアプリケーションの簡易エミュレーションなど。
Windowsであるが故の優位を求めるのであれば 有償であってもおまけの多さからWindowsの選択があながち間違いではない。特にビジネスユーザーからは支持を受ける可能性があるわけです。
 
x86プロセッサーはIntel,AMD、VIAがあるわけですが ARMプロセッサーはARMしかありません。
しかし、ARMコアはライセンスで提供されどこでも作ることができます。
前述のコアを使ったプロセッサーもライセンスを受けた会社であれば4コアを作ったり8コアを作ったりも可能。
例えば、QualcomではWAN機能を持ったプロセッサを作っていますし、MarvelやSamsungではチップセットすべてを内包し グラフィックアクセラレーションの効くものもあります。
同じコアながら 作る会社によって異なるものができてきて なお且つ競争によって価格も下がり 各社での拡張も許されているので メーカによる性能差も出ています。
ただ、ライセンスの提供時に 変えてはいけないコアな部分が存在するので その中で作られるソフトウエアには互換性があります。
amusungだったりMotorolarだったりと注目を浴びる小型機器用のプロセッサが登場しますが 根っこの部分はARMだったりしている訳で 単純にIntelのように圧倒的シェアを誇るのはARMではないのですが 実際ARMコアとなると圧倒的シェアがそこにはあります。
それに手をこまねいて見ているマイクロソフトではないので、現在のWindowsMobileに対する力の入れ方が納得できるような・・・
そこにあるのは「ARM」です という広告通りの・・・・