利便性の囲い込み

最近、といってもWM6以降のWindowsMobile機だとおもうのですが 日本国内では料金プランの関係もあって一般的では無いのですが SmartPhoneをモデムとするインターネット接続が可能な機能がつけられています。
日本語の表記では「インターネット共有」と書いてある訳なのですが・・・
では以前はどうだったのでしょう?
 
PCをインターネットにモバイルで繋ぐ場合なのですが、ふつうはモデムと言われる機器を使います。
ここでいうモデムは3Gなどの通信回線つきモデムの事を言うことが多く 最近ではUSBのタイプがほとんどです。
以前はPCMCIAなどのカードタイプが主流だったのですが・・・
基本的にモデムは専用の接続ソフトで使うか、Windowsの持っているダイアルアップ接続の機能を使って接続します。
ATコマンドと言われる モデム出使われる共通のスクリプトで、例えばATD 〜(電話番号)と言うふうなものを入力すると電話をかけてくれるわけです。
そのあとは接続先に合わせて ユーザー名とパスワードを入力したりして接続となるわけです。
故に、相手先の電話番号とユーザー名とパスワード等が必要となるわけです。
必ずしもと言うわけではないのですが、最近の多くを占める3Gタイプの場合 「*99#」という電話番号で接続できます。
一部に**1とかついたものもありますがこれは本体内に保存されているプロファイルを切り替えるために使われていることが多く 電話番号としては変わらないと言うものが多数です。
で、ユーザー名とパスワードですが海外ではもう使われていない物がほとんどです。
接続先も電話番号よりも(決まってるから)APNといわれる「接続ポイント名」の入力だけでつながるというものとなっています。
 
では、携帯電話の世界ではどうだったかというと多くの機種ではモデム機能を持っていてUSBなりのケーブルで接続して専用の接続ソフトを入れたりで通常のUSBモデムと同様に使えます。
携帯電話で便利なのはBluetooth機能を利用したDUN(ダイアルアップネットワーク)という機能を利用するときで、Bluetoothの通信を利用して相互の接続の認証を予めかけておけばUSBで常時つながっているようにPC側からダイアルの要求を掛ければ接続処理を行ってくれます。
携帯電話としてはBluetoothのヘッドセットと同様待受状態で常にBluetoothの機能を常時立ち上げて置くことができ、使いたいときに意識せずに通信機能を使うことができるわけです。
この状態は非常に便利なので 私も数年間こういった使い方を行っていました。
現在でもWindows Mobile機にDUNを入れるためのカスタマイズを提供されている方などがいて、そういった方法で接続することもできるようにはなっています。
全てに置いて利便性の高いこの方法ですが、日本国内においてはこの方法を生かすべき料金プランに良いものが少ないことからも活用しきれていないと言うことと、Bluetoothという接続方式に問題が(と言うほどの話でも無いのですが)ひとつは1対1の接続となるために同時に一台しか使えないと言うことと、もうひとつはおそらく最近使われにくくなってきた原因はこれだと思いますが 速度的に500kぐらいが頭落ちになってしまうからだと思われます。
せっかくのHSDPA等のMを超える 高速通信に対して、数百キロしか提供できないネットワークが間に介在するとそこがボトルネックとなってしまうわけです。
 
WindowsMobileの「インターネット共有」機能でもBluetoothを使うことができますが こちらはDunではなくPan(パーソナル エリア ネットワーク)を使っての接続となります。
Panはモデムとなるスマートフォンをネットワークの一部として認識する方式で接続処理などをスマートフォン側に任せるので 接続した瞬間に使うことができます。また、複数の機器から接続することも論理的にはできます(でも、できなかったりします)
便利なのはスマートフォン側に接続するための情報を書けば 接続されるPCなどにその情報が必要ないために接続情報を持つのを一箇所に絞ることができます。
ただ、不便なのはネットワークの提供なので接続に関して接続の度に待受処理が必要です。
これからPCでインターネットをしようと思うと、スマートフォンを鞄から出して接続処理を行う必要が毎度あるというめんどくさいことがおきます。
USBで接続した時も同様の処理で接続されるなど 接続方式に左右されないのも利点でしょう。
 
で、最近登場したのはモバイルルーターと言われる商品。
3Gへの接続に関しては内蔵されていたりUSBの機器の接続を行い、PCやスマートフォン等の接続を無線LANを通じて提供する機器です。
待受状態では無線LANからの接続要求を待ち受けた状態にあり、PC等が接続され インターネット側の通信を要求された時に自動的に3G等の回線に接続に行くような仕組みのものです。もっとも、自動接続でない物の方が多いようですが・・・
複数台の機器の利用と、明らかに3Gの速度を上回る接続速度を持つ無線LANを介在させることで今までの欠点を解消したものとなります。
この機器は、ゲーム機やデジタルカメラ無線LAN機能を持ったPC以外の機器への接続をモバイルで提供してもくれるという新しい使い方も提供してくれました。
また、接続のための特別なソフトが接続すべき機器どれにも必要ないと言う便利な環境も提供してくれました。
 
先日、件のモバイルルーターを買ったわけですが 私は当然海外のキャリアのものを購入したので接続情報などは書きこみましたのですが、同型機種であればE-MobileのD25HW等であれば購入してきて電源をいれればそのまま使えるわけです。
USBモデムとして使うときも、本体電源を入れてUSBケーブルをPCに刺せばUSB接続のインターネットにつながっているネットワークカードが刺さったかのように動作します。
ドライバーの問題はありますが(接続すると本体から自動的にインストールされます)まるで設定作業なしにつながるわけです。
いままで、携帯電話などにおいてはSIMロックと言われる他社キャリアのSIMを入れたら動作しないような設定などがありました。
今後登場するUSBなどのモデムであれば、もしかしてそういったSIMロックだけではなく 接続点情報も書き換える必要が無いから書き換えられないものが出てくるかもしれません。(っていうかあるし)
例えば今後出てくるUSBモデムが、全部そういう方式になってモバイルコネクトそのものがOSの標準ドライバーになったら。
USBモデムを刺せば、ネットワークカードとして認識されてWANへの接続は専用ソフトか モデムの上に付いたボタンを押すだけでつながりに行く。
海外での利用もローミングオンリーで、その設定も書いてあるので大丈夫なんてことになれば・・・
モデムに関しては 全く触ることもできない機器になってしまうかも??
って、海外では総スカンな気はしなくも無いですが