SIMロック以前の問題として

いくつかの問題があるのでちょっと整理してみましょう。

まず、
○端末の問題なのですが
海外から持ってきてそのままはいどうぞというわけにはいきません。
まず、現有のビジネスとの対立の問題があります。
各キャリアが販売する端末と販売面で戦ってゆかなければだめなのですが その為の武器として考えられるのはやはり 価格と機能となるでしょう。
勿論、少数であればファッションというのもあるでしょう。
その際の問題点は、こういった端末を使うことを認めたとして その為の料金プランを用意しないという事にあります。
通話に関しては多くの端末に置いて利用する事が出来ます。
微妙になるのが SMSやMMSなのですがSMSは提供されますがパケット通信の価格、MMSは非公開の仕様なので提供すらされません。
そうなった場合、通話に関しては使えますが パケットの定額などの恩恵は受けられないSMSが使えますという端末になります。
メールもWEBもしない端末で良ければ どうぞSIMロックのない端末をお使いくださいというのが現状となります。
勿論、電話機能しかない数千円の端末を持ち込んで・・・となるわけですが その際日本のそれも販売数があまり見込めない端末に日本語化のカスタマイズは重すぎるので結果的にできない事となります。
高機能のものは、その高機能の部分がパケット通信をメインにしたものなので高機能な部分を日本の通信制度では使えないという事です。
海外からの端末の参入は難しいと言えるでしょう。
 
では通信キャリアが SIMロックのない端末を出したとすると・・・
SIMロックが無いので他キャリアでも使えますが(通信方式が同じと仮定すれば)上記のような問題は含まれています。
つまりSoftbankで使っていた端末をDOCOMOのSIMに差し替えて使った場合 音声通話は通常通り利用できるが それ以外の機能に関しては定額利用 つまり通信料金の優遇を受ける事が出来るプランは選択できないという事となります。
 
○電波の問題
現在、2G帯のW-CDMAを使っているのはDOCOMOとSfotbankですが DOCOMOでは800M帯も共用しています。
DOCOMOの端末をSoftbankの電波を利用する事は出来ますが、SoftbankDOCOMOの電波の全てを利用する事が出来ません。
特に、電波のとおりの悪いところといわれるところは使えないという状況に陥ります。
AUに関しては通信方式が異なるので 他社との相互利用に関しては不可能だといえます。
今後、相互方向への対応はAUにとっては海外でも利用できる機種として既に出ているのでそのSIMロックを解除するだけで済みますが、それ以外の会社に関しては 追加の機能をつけるために端末代金に余分な負担を強いる事となるでしょう。
また、AUの方式をサポートするための通信チップに関しては 系列の関係上販売できないメーカーが出てきます。
また、無理に開発したとしてもAU方式は海外ではどこも採用していないので 国内向け専用端末を作る事となるためにグローバル化等の効果は無く 逆に端末メーカーを苦しめる結果となる事でしょう。
つまり、この件に関してはロックを外しても なにも良い事は無いわけです。
 
○料金の問題
このあたりが一番明確に話題になる点なのですが
SIMロックを外すと端末料金が上がるという点ですが、現在の携帯電話キャリアの収益性が現状十分取れていると仮定するなら問題のない点です。
このあたりが言葉のマジックなのですが・・・
例えば、端末の購入と通信料の総トータルで計算した場合なのですが
キャリアーさんのおっしゃる通り 私のSC-01Bが一万円ちょっとで購入できたのはおかしいわけです。
おおよそ海外では六万円クラス(定価)端末なので、五万円は安く買えたわけです。定価で買わないとしてもキャリアのいうところの四万円高くなるというのはあながちウソではありません。
では最低金額で計算して 月々七千円程の通信料の支払いで2年間16.8万円+1万円で総支払額18万円ほどの2年間の総支払額となります。
で、SIMロックをなくせばこれが22万円に・・・っておかしい事に気が付きました?
月々の7千円ほどの支払いのお金を原資に端末の値引きをしている訳ですから その分は引いてくれないと言っている訳です。
国際的な問題とすると日本の携帯通信代金は高すぎると思います。しかし、端末がタダ同然で手に入っているからこれを我慢と言っているなら 端末台を払うなら通信料は下げましょうとなるわけです。
2年間の契約ですが、E-Mobileの契約例を見てください。
端末代金そのものを無視して 全てを通信料の中に含んでいます。
そして解約金は、その期間通信を利用したと仮定したとする金額と同額となっています。
つまり、契約を解除しても必ず端末の代金を負担した分は回収するようになっています。
 
質屋さんってご存知ですか?
突然の話ですが、昔の個人金融となるわけですが 商品を預けてその商品の価値に見合ったお金を貸し付けるというお店です。
時代劇などで着物を預けて その日の食べ物(だいたいはお酒)を買い求めるわけですが 非常に明快な金融機関として存在したわけです。
貯蓄が少なく、収入が無く破たんの恐れが少なくない生活をしていた 江戸時代の市民等には向いたものだったわけです。
ここ数年の不景気の影響もあり 個人の信用に関する安心度がずいぶん下がっています。
持っているものをそのまま売ってしまうオークションのようなものも活況を得ています。
昔ならそういった部分を吸収するべきものとして質屋のようなものがあったわけですがそういったものもなくなっています。
月々の固定経費も 家賃や水道、電気、(ガス)と固定で支払えないとあっという間に生活が出来なくなってしまうわけです。
端末にしても新製品発売直後にオークションなどに並ぶのは、長期の支払いを短期で現金化するのが目的でしょう。
そして今のところ限定さているのはSIMロックという最低限の制限がかかっているからで これを開放すると販売先は世界中となります。
そして、端末を販売しなければいけないほどお金に困っている人の何割かがそのまま月々の料金が払えなくなるわけです。
 
個人的な支払い能力に信用が置けないので、毎月の支払から回収するという事そのものに無理がある ということであれば売る事が出来ない端末を用意するのが近道なわけです。
契約だけして即現金化という手段が使えない訳ですから。
現在の景気と中古携帯として販売されている端末に最新の端末が驚くほど速く並ぶ事からも 既に無いとは言えない状態に陥ってます。
実際、収入のない主婦などにクレジットカードの発行をt粒子している訳ですから。
そして、収入に応じて貸出額を制限する法律もありますので 個人に対する貸し剥がしが合法的に行われているのが現状なわけです。
クレジットカードすら信用される媒体ではなくなっているのです。
 
本当に料金を安くするためには、おおよそ購入する層は限られるとは思いますが 他国でやっているように 先払いという方法がおそらく有効でしょう。
端末代金を定価ぐらいの価格で購入して 通信コストをタダ同然にするとか 毎月の減額を発生させてかなり安くする等であればSIMロックを外しても端末代金が必ずしも高くなるわけではないのです。
4万円高い端末は大歓迎で、それが故に月額のコストが下がるというなら企業ユーザーなど採用するところも少なくないはずです。
そして、この販売モデルは海外では比較的一般的なもののひとつであるわけです。
勿論SIMロックなしに 日本のような販売を行っている国も少なくなく そのあたりは買いやすさと料金が微妙にバランスした 企業にとってリスクの高い客には高く リスクの低い客には料金を安くするという所でバランスがとられている訳です。
選択肢があるという事が大事で、一つのビジネスモデルの中にSIMロックを無理やり入れるという意味ではない訳です。
 
SIMロック解除の可能性
解除してもなにもいい事が無い・・・と悲観的な意見が多いのですが 必ずしも私個人としてはそうは思っていません。
例えばデータ通信に関してなのですが、E-Mobiloeを使うとかDOCOMOを使うとかもあると思うのですが それだけですか?
例をあげると、日本通信SoftbankiijBiglobeSo-NetWILLCOM等など MVNOでやっている企業が少なくなく それを採用している人も少なくありません。
私も1回線持っています。
必ずしもMVNOはデータでなければいけないという決まりはありません。
海外からの端末がそのまま使えるプランを日本通信が用意してもおかしくないのです。
前述のように先払い式の通信方式をサポートした端末が出ることもおかしくないのです。通信、通話をプリペイド式に請求するタイプの端末も出てくる事が可能なわけです。
SIMロックも勿論、MVNO業者に対してもっと自由な裁量を持たせればSIMロックの解除で海外のような 自由な通信をキャリアが賛成しなくてもできるわけです。
そして、なにもSIMロックはというよりも必ずしも3Gにこだわる必要すらないのです。
Wi-Maxをチップセットに持った端末も登場しています。これと何らかの音声端末を組み合わせる手段もあります。
WILLCOMが現在ではWI-Maxを装備した端末を出すことが可能なわけです。
ここ、1年ぐらいには何の変化もないかもしれません。しかし解除の方向は何らかの新しいビジネスを生み出す可能性はあるわけです。
そのビジネスは「国際化」されている可能性が高く そうすればキャリアも動かざる得ないかもしれませんね・・・

written by HatenaSync