Norton 360 バージョン4.0

最初に、このNorton360はシマンテック様よりプロモーション用の物をモニターキャンペーンとしてお貸しいただいた物です。
勿論、毎度のことですがお借りしているから良い事を書きましょうという訳ではなく、いろいろと文句も書く予定なので ご期待に添えない結果とならないことを期待する限りなのですが
シマンテック様 こんな私にお貸しいただいてありがとううございます。
 
さて、モニターは他にもいらっしゃるので 私ならではの切り口で評価してゆくわけなので お付き合いいただきたいのですが
Norton製品に関しては 実はユーザー向けとしての商品では2006年ごろの物を最後に使った事はありません。
イメージでは、大きい、重い、高性能というイメージを持つ商品でした。
今回のNorton360も 3製品ある商品、アンチウイルス、インターネットセキュリティ、360(恐らく全方位という意)の最上位のバージョンで 最初にだした 大きい、重いが最も強調されたモデルになるのではないかというのが私の個人的な先入観でした。
先に言っておくと この先入観は大きく裏切られる事となり 期待していただきたい点でもあります。
ただ、性格は悪いので 重い、大きいとくれば 小さく、遅い機械に入れてこそ評価だと今回ターゲットに選んだのはMBook M1という韓国製のUMPCで姉妹機が工人舎より出ているものです。
300g少々の本体のPCは非常に珍しく、愛用している物ではあるのですが 小さい故の制限で メモリーは512M(ビデオメモリーもこの中から使われるので実質480M程度)、CPUはハイパースレッティングが有効なれど 800M〜1GのPentium3程度と言われている(処理による)ATOM 1.3GHz 尚且つ動作は普段利用のバッテリーでの駆動ですので省電力機能がCPUのクロックを動的に変化させている状態でのテストとなりました。ちなみにOSはWindowsXPとなっています。
ここまで書いただけでも嫌がらせと受け取られかねない環境です。
 
現在のMBook M1のセキュリティソフトは、直接比べるとシマンテック様からクレームが来るかもしれませんが、Microsoft Security Essentialsという物を使っています。
何故比較が同じでないかというと、こちらはアンチウイルスソフトで、Norton360は総合セキュリティソフトだからです。
私の思う最も大きな違いはFireWall部分だと思うのですが MS社のものはOS標準のFirewallソフトをを使うのに対して Norton360では別途内蔵された物を使っているようです。
また、Spam対策やメールの添付ファイルのチェック、メールのリンク先のセキュリティのチェックなど の機能もMS社製の物には含まれていません。
ただ、全ての機能を有効にすると言う事は コンピューターにそれだけの負担をさせる事となるので 一般的な評価では「遅い」と言われているMBook M1にそこまでの要求はせず、運用ではネットワークの接続は基本的にNATによるアドレス変換を行った後の接続にする とか、メールの受信は本体では行わず WEBメール若しくはリモートディスクトップで他の機械で受信した物を見る等 使い方でカバーする意味もあり機能的に不足していることを覚悟での選択であったわけです。勿論、貧乏というのも大きな理由の一つではあるが・・・
 
先ず、インストールなのであるがあっけないほど早く終わったのである。
約5分程度で終了する。
Security Essentialsをアンインストールしたところからスタートするのでリスクを避けるために、ネットワークの接続の無い状態でのインストールで約5分ほどでMBook M1なのに終了してしまった。
(最後に、アカウントの登録作業がある為にその直前までの時間です)
何故、約5分と中途半端な時間かというと、インストール中にCD-ROMがバスパワー駆動だったので止まってしまい 急遽新しいドライブを使う必要があったために多少の時間のぶれが考えられるからです。
ともあれ、このインストール時間はSecurity Essentialsも含め今までインストールしてきたセキュリティソフトの中ではぴか一に高速な物でした。
一応、他のセキュリティソフトの為に追記させていただくと ネットワークに接続した状態で(3G Wifi ルーター経由)インストールしたところ 更新ファイルの習得で約10分かかりインストール時間は15分程度となってしまいました。
インストール後再起動したところからテストを始めます。
 
さて、MBook M1なのですが前述の通り非常にメモリーがチープとなっています。
当初、Security Essentialsをインストールした状態で 起動。記憶装置へのアクセスが止まった時点でタスクマネージャーでメモリーの使用量を見ると526M
Norton 360をインストールして、再起動をし同様に記憶装置へのアクセスが止まるのを待ってメモリーの使用量を見ると489Mとなっています。
必ずしも多いとは言えない物の、以外に大きな差がある事が判ってもらえるかと思います。
まあ、これはSecurity Essentialsというよりも恐らくWindows FireWallのサイズが大きいために起こったことかと思います。
まあ、理由はどうあれメモリー使用量が下がったことは この機械で30M近い容量を減らすための努力を考えると十分効果のある事でした。
モリーの使用量が下がったからとベンチマークをとってみましたが残念ながら ベンチマークでは速度に変化が無かったので割愛させていただきます。
ただ、起動終了には効果があるかもしれないと 図った見たところ
完全に電源OFFからの起動は、SSDの効果もあり比較的高速だからかもしれませんが 両方とも25秒でしたのですが、シャットダウンの時間を測ったところ 60秒かかっていたシャットダウンの時間が55秒と何度か測定しても間違いなく速くなっていることが確認できました。
スタンバイの時間も1秒程度なので測定誤差かもしれませんが速くなっているように思われます(全て5回測定しています)
終了時のデータを書き込むに当たり小ファイルの書き込みの遅いSSD故に起きたことだと思いますが 終了時に書き込まれるファイルが少なかったからだろうと言う事が想像されます。
実際の利用状況に関しては 残念ながらそう変わらないという程度です。
ただ、これはすごいかもと思う事ですが WEBのチェックなど無かった機能がついても同じ速度である事は評価できる点であると思います。
とにかく、MBook M1でも実用的に使える 恐らく最も高性能なセキュリティソフトの一つであることは確かでしょう。
 
ここからは別のPCを用意してなのですが、状況が他の影響を受けないようメーカー出荷状態まで戻した状態で OSを最新の環境に合わせるためにWindows7化し(Vistaがデフォルトなのでドライバーの変更等はありませんでした)Officeも新しい物との互換性で問題が無いかということでOffice2010を入れた状態でアップデートを最後まで行ってインストールしました。
Core2Duo U9300 1.2Ghz RAM 3G HDD 80Gの標準的なノートPCです。
関係のない話ですがお貸しいただいたものが製品版と同様の物だったので 3クライアントまで同時にインストールできるタイプでしたので 他の機械にも同時にインストール可能でした。
検証するときに1ライセンスだけで、入れ替えるためには電話連絡が必要なソフトもありましたので そういう意味では助かりました。
インストールは前述のネットワークを繋いだ状態でインストールしたので15分ほどの時間を消費したインストールです。
インストール後のメモリー消費量は820Mとインストール前の 681Mからはかなり増えた感じですので メモリーの量などでも変わってくるのかもしれません。
こちらで気になるのはメールでの対応。
セキュリティソフトの多くは メール受信時にメールクライアントのプラグインとして動作して メニューが追加されるのですが 最新で発売したばかりのOffice2010においてどうなるかは見てみたかったところです。
Outlook2010にアカウントを設定して、メールの受信を行います。
いままでのNorton(2006年比較なので 申し訳ない)に比べて メール受信直後に受信トレイに表示されます。
私の意識の中では、受信終了後1テンポおいて置いて 受信トレイに置かれるイメージだったので 速度的な改善はここでも感じられます。
メール受信時にタスクマネージャーでパフォーマンスチェックを行ったところ CPUの負荷は常時20%程度とこれぐらいであればバックグラウンドでメールを受信しながらの作業にも邪魔にならないレベルに抑えられています。
アドインを確認しましたが、実装されておらず SPAMのあるメールを受信してみると [Norton AntiSmap]という文字がタイトルに付き仕分けされるだけで 特別outlook上に変化は見られません。
つい先日他社のセキュリティソフトで、別な仕分けを作られて 困ってしまった事があったのでこの辺りには好感が持てます。
仕訳ルールを作成し、ヘッダーに「[Norton AntiSmap]」と付いたメールだけを迷惑メールに移動するとかの対応が出来るので便利です。
ウイルスチェックはメールサーバーでも行っているので残念ながら到着したメール500件余りの中には発見することが出来なかったので実際のメールのウイルス発見の動作は確認できなかったので 今後発見できればそちらも書いてゆきたいと思います。
話はそれますが Outlook2010のSPAMチェッカーもSPAMメールを区分してくれるわけですが ショッピングモール大手の宣伝メールが軒並みこのフォルダーの中に収められることから これもSPAMであると認識されている方が多いという事なのでしょうね(笑
NortonではそちらはSpamとして認識されておらず 逆にOutlookSPAMフィルターを抜けてきた ロシア語の夜の薬剤のメール等はSPAMと認識されたので リンク先を見て判断しているのかもしれません。
メールクライアントから意識させない動作は好感が持てる物です。恐らくメールクライアントを選ばすの導入が可能だと言う事なのでしょう。
 
インストール中の事なのですが、画面サイズの関係もありMBook M1ではデフォルトのブラウザにGoogle chromeを利用しています。
Norton 360のインストール中に アカウントのアクティベーションの作業があるのですが ブラウザに表示された画面を全画面選択してクリップボードにコピーした内容を クリップボードを監視するNorton360のインストーラーが照合するようにできているようなのですが ブラウザーによって表示が異なるのかGoogleCromeの画面のコピーではアクティベーションできませんでした。
また、ブラウザをIEに変えて再度アクティベーションを行ったわけですが ブラウザのリビジョンを読み違えたのかIE8に対応していないのか ファイルメニュー形式のメニューでの操作方法をガイドとして表示していました。
勿論、書いてある事が全画面選択してコピーするだけのことなので、「Ctrl+A、Ctrl+C」というアクションをするだけで良かったわけですが 初めてこのソフトをインストールする人にとって難しい作業となってしまうかもしれません。
また、仕組みが判らない人には全画面のコピーを行った後 急に次のフェーズに進むのは突然過ぎて 理解できない事になりかねません。
改善すべき点ではないかと思います。
ばっうくアップに関してはNortonはGhostというバックアップソフトを提供しているので技術的にも問題のない物と思いますが Norton360に関してはオンラインのストレージの提供もその機能の一つとして大きく歌われています。
そして、インストールの選択も操作も非常に楽で良いのですが、その目玉機能のオンラインストレージですが 通常版を購入したユーザーには2Gのサイズで提供されます。
オンラインストレージのサイズに関して2Gが大きいか小さいかの問題ですが、最近の傾向から2Gでは少なすぎるのではと。
マイクロソフトの提供するオンラインストレージサービスは無償で提供される物で 5Gあります。
有償サービスで2Gではと マイクロSDカードの1000円分未満と思うとちょっと少ない感じがします。
約1000円高いプレミアムエディションで25Gと拡張されドキュメントだけであれば恐らく不自由しない(回線状況から考えても大きすぎても結局使えない)サイズとなるのですが この間の1500円UPはどうかと思います。
スタンダードで10Gぐらいあればずいぶん満足度が違ったかと思われます。
 
幾つかの不満点も書いておりますが総評としては非常に満足度の高い商品かと思います。
特にモデムを使ってインターネットに接続した場合、インターネット上のグローバルアドレスをPCに割り当てるので PCの性能だけで外部からの脅威に立ち向かわなければいけないために セキュリティソフトの位置づけはモバイルでは重要になります。
しかし、モバイルするPCはスペック的にデスクトップに比べて低い物が多く 作業の効率を下げる重いセキュリティソフトは敬遠されぎみです。
Norton360はそういったユーザーの声を踏まえ作られたソフトで、現状販売されている機器で 最もスペック的に低いであろう機器でも動作し、一般的なモバイルPCで使った場合 メール受信中で常時チェックが掛かっている状態に置いても 負荷が20%程度という軽量な商品に仕上がってます。
実際の脅威には遭遇しなかった物の、スペックからはかなりいろいろな攻撃に対する対策に関しての記載があることからもその性能は推し量れます。
このまましばらく使い続けて、機械があれば続きを書いてゆこうかと思います。