フィリップスヘッドフォンマラソン 第五回モニター SHO8801編

フィリップスヘッドフォンマラソン 第五回モニター SHO8801編となり 最後のものとなる。
最後の一つに関しては、レビューワーに対してもシークレットとなっていた機種であった。
正直楽しみにしていたわけですが・・・・・・
機種を聞いて到着を待つのに対して がっかり感が漂った。
提供いただいたフィリップスさんには悪いのだが、私はオーバーヘッド型のオープンヘッドフォンそのものにいい感情を抱いていないのである。
個人的な感情で物をいうんじゃないと思われそうなのだが感情というのはそう変わるものではないわけです。
 
まず外観であるが

見てもらった通り、今までと違ったシャープな色遣いのパッケージに入っている。
思った以上に両耳のパッドが大きくないので 正直二度目のがっかり。

しかし、外観上好感を持てたのは やはりそのケーブルで布巻タイプのケーブルに関してはSonyのヘッドフォンで描いたような気がするが絡みにくく服と擦れた時などに音がしにくいという点で優れている。
そういったケーブルだったのである。

本体すぐにコネクターがあるというのも驚きだったが

まあ、こんなものだろう。
いいなと思ったのは、コネクターまでブランドが入っていたところ

こういったところはO'Neillとのコラボレーションモデルだあるだけのことはある。
 
街中でヘッドフォンで音楽を聴くということなのですが、私の記憶が正しければ WALKEMANの登場においてだろう。
携帯型で乾電池で動くステレオカセットプレーヤーを衝撃的にSONYが登場させたのは私が子供の頃
家では木製のステレオになったスピーカーの付いた その名も「ステレオ」と呼ばれていたオーディオ機器がそれこそ床の間に鎮座しているころに、ヘッドフォンもそこにはありました。
ドーム型で重たいそれは結構特別な意味がありました。
当時の経済状態から、オーディオ用の専用ルームなど考えられない時代。
廉価な見た目だけ立派なオーディオ機器のスピーカーは実は箱だけで15cmぐらいのフルレンジスピーカーに良いものでもツイーターがついた程度でした。
周りも紙を貼ったふすまが相手では 少し音を大きくすると共振でふすまが揺れて微妙なばたつき音が・・・・
音楽を聴くという意味では 実はヘッドフォンの音が良くてそれで聞くこととなっていました。
もちろん、それでも大きな音で聴きたいこともあり スピーカーも鳴らすのですが 父親は新しいレコードを買ってきたときは独占欲を満たす意味でも ヘッドフォンで聴いてからスピーカーで鳴らしていたと思います。
そのヘッドフォンは子供には重く圧迫感もありましたが こういう音もあるのだと感動したわけです。
前述のWALKEMANが登場して 付属されたのがそれを軽量化した新開発のヘッドフォンだったらしいのですが 
イヤーパッドは今から思えばチープな作りで ただのスポンジでした。
もちろん小学生のお金のない私が手に入れられたのは SONYの純正品ではなく、流行を感じた他メーカの後続開発品。
実のところここまでこういった機種は発売されていなかったので よくよく見ずに買ったのはモノラルに両耳タイプのイアフォンのついたもの・・・・
子供心に傷ついたものです。
ここまで来て気が付くのですが、本体買っても聞く音楽がない・・・・ジャンク屋にその頃には入り浸っていたので
ラジカセの販促品のカセットテープをジャンクで購入し、ジャンルも曲も関係なく聞いていたわけです。
今でも忘れない、「二人でお酒を」って 小学生には全くと言って聞いてうれしい曲ではなかったが 聞くのはうれしかったわけです。
で、そのヘッドフォンなのですが 見た目そっくりな偽物を数台乗り継いで 出世したのではなくSONYのものも廉価版がでて購入できたのですが 頭を抱える部分は細いスチールのテープ状のデザインはおしゃれでしたが音はというと それなりのものでした。
そして、社会現象になり始めたのが「しゃかしゃか」と表現されたヘッドフォンからの音漏れで、音を聞くことに夢中のころは気が付かなかったのですが 気にして聞いてみると人の姿を見ると何の曲を聞いているかわかるレベル。
すでにアニソンだったり 前述同様の年齢に合わないデモテープ(何故か演歌が多かったのは謎のデモテープたち)は もしこの曲が周りの人に聞こえていたら・・・・とおもうと周りが気になって音はできるだけ小さく・・・
としてみると 非常に気になる音作り。
こすれるたびに音を発するスポンジと すぐに割れてしまう音と 動くたびにずれる音源や・・・なんてことは私が言ったわけではなく この当時の音楽雑誌で話題になったこと。
その時期を超えて、現在のような耳に入る小さなイヤーピースのものが登場してくるわけです。
というわけで、この当時でオーバーヘッド型のヘッドフォンに対する認識は私の中では終わってしまいます。
スタジオ用などで、耳に完全に被るタイプはともかく 耳に当てる程度でがイオンを遮断したり音を表現したりするにはこういうタイプは向いてないに違いないと。
で、私のもとにやってきたSHO8801を好意の目で見ることができないわけです。
それでも、頑張ってみてゆきましょう。って 文句のほうが長いってどうよ(笑
 
耳にあたるパッドの部分ですが これは耳を覆うタイプに近い質感のものとなっています。
最近で言えば、サラウンドヘッドフォンなる6スピーカーの大型のヘッドフォンをさせていただく機会があったのですがこれに近い感触でした。

前でも書いていますが 非常に小さなところにまで気を使ったデザインです。
このあたりの写真は 続けてあげますが




ほかにも 箱なども本体を取り出した後が

そして 裏面が

って どこがいいと思ったかって バーコードが四角くないのはデザインなんです。
波のデザインになっているわけです。
 
今回はエージングする時間がなくて いきなりなのですが 音を聞いてみたわけです。
基本的に 非常にニュートラルに感じられるわけです。
いままでインナーイヤータイプばかり聞いていたのですが、 これはありかな?なんて思ったわけです。
何が驚いたかは耳の上に乗るタイプで、みみって 外からの音を反響させながら集めるために 複雑な構造をしているわけです。
その複雑な構造の上に 上の写真で見てもらったような平面のパッドが当たって何故ここまで音が遮断できるんだと。
思いのほかというか 今までのインナーイヤータイプを並べてみても二番目ぐらいの遮音性なわけです。
こりゃーびっくりなわけです。
その密着度もあって、右に左に首を振ってみると上を向いても下を向いても 2mmぐらいしかずれないわけです。
結構急に振ったりしたわけなのですが・・・・
ずれても 反対に振ると戻る程度です。
遮音性が高いということは 音には期待できるわけなのですが とにかくニュートラルな印象なのです。
どうなんだという 評価が・・・・なんて思っていたりするわけですが 思い直したのはCOWON S5のイコライザー機能のこと。
とりあえずJAZZ、コンサート、POPS・・・・っと切り替えてみるとこれが結構な表現力で 確かにイコライザーが切り替わったのがわかるレベル。
つまり非常に音の懐が広いのです。
理屈で考えれば当たり前なのです。
スピーカーと同様で 音を発する部分は磁石で振動させている訳ですが その振動を音に変える振動版の大きさが大きいほど下から上まで音の幅が広がるわけです。
カメラのレンズの口径が 出来上がった絵に影響を与えるように事情が許すなら大きければ大きいほど良いわけです。
3mmが5mmにとか インナーイヤーヘッドフォンで話題を振っていたわけですが 40mmと桁外れに大きいわけです。
サイズはもちろんカタログを見て 単純に写したわけですが 40mmってサイズは完全に耳をカバーするタイプのヘッドフォンのドライバーと同様のサイズである。
音が悪いわけは無いわけです。
 
もしかして・・・・と もう一つの実験に手を出す。
音が小さいのではないか・・・・という今までは書かなかったところに。
イコライザーをノーマルに戻して 3目盛りほどボリュームを上げると迫力が全く違う。
もう二目盛り上げて お気に入りの・・・・・
そう、シカゴに生まれた 魂の男だったことを思い出した。
もちろん曲のタイトルで Born in Chicagoだし、Soul Manなのです。
自然、ボリュームも大きくなると 今までのヘッドフォンでは感じられなかったもう一つの音が聞こえ始めた。
ベースが響くときに 骨が頭蓋骨に振動を感じているのです。
これはインナーイヤーのタイプでは感じることができない体験だったわけです。
とにかく今日は ブルースで過ごす日となったわけです。
偏見はともかく、久しぶりにこの曲を聴きたいヘッドフォンとなったわけです。
なんちゃってサラウンドでしか最近聞いていなかった曲をヘッドフォンで聞いたわけです。

総合評価としては
「着け心地」  ★★★★☆
「音質」    ★★★★★
正直デザイン的に私は良いものを送ってもらいましたが、それでも年齢的に表にこれはつらいかもしれません。
純粋に音だけで言えば ぐっと今回は来ました。

尚、フィリップスのサイトはこちらとなっておりますので 商品情報はこちらから。
http://www.japan.philips.co.jp/?utm_source=blogger&utm_medium=blog&utm_campaign=blogmarathon

補足としてこの写真をぜひ見ていただきたいのですが

最初の写真としわの寄り方が違うのに気が付いてもらえるでしょうか?
一度つけると耳に合わせて変形してそういう形になる それを目で見てもらえると思うのですが・・・
目で見て、この装着感をぜひ感じてもらいたいと・・・・



written by HatenaSync