カップラーメンと言えば3分が常識っぽいわけですが

カップラーメンは日進のカップヌードルから始まり 日本のというより世界の携帯食料のある一定の地位を確保しました。
大体、日本の料理ではないものを(ラーメンが中華料理というならば 実は私は日本食だと思っているわけですが)加工食品として世界中に売ったというのは面白い商品であることは間違いありません。
日本の個性が良く出た食品だと思うわけですが・・・・
 
カップラーメンが3分なのにはいろいろと事情があって、熱いお湯を入れて乾燥させた麺をゆであがった状態にするまでにかかる時間と考えれば最もわかりやすくなります。
ただ、ゆでているわけではないので 油で揚げたり真空乾燥法などで茹で上げた麺の水分をなくした上で保存食として成り立っているので お湯をいれて お湯が抜けた水分を補って元の状態まで戻るのにかかる時間となるわけです。
当然、太い麺は水分が浸透するまでに時間がかかるので 「うどん」などは時間がかかり4〜5分となってしまうわけです。
生めんタイプはどちらかというと 「温める」ということにお湯の温度を利用していて あの麺は生で食べられる麺なわけです。
じゃあ、なぜ三分なのかというと やはりこれは試行錯誤の結果という事なのですが 実はもっと短い物も存在します。
有名なのは(って そう思っているのはごくごく一部だと思う)「クイック ワン」という商品でゆで時間僅か1分という商品が過去にあったわけです。
画期的だと思ったものの、食感が悪く 尚且つ伸びる速度が速く一気に食べてしまわないと あっという間にだれだれの麺に変ってしまうのがダメだったのではないかと私は思っているわけです。
 
バランスという問題では 多孔性の構造になっている麺をお湯の中に入れて表面積を増やしてあるので速い速度で浸透しますが、逆に表面の滑らかさが失われてしまうわけです。
お湯を含んで膨張して その穴をふさいでしまって食感と時間の二つの要素を叶えるのは各企業の努力の成果ではないかと思っているわけです。
現在のラ王等も 生めんタイプから乾麺タイプに変っても麺の食感は解らないぐらい良くなっているわけですから。
ただ、スープの入ったお湯がしみこむので 麺の味という面ではどうかな?と思う面は無きにしも非ずなわけですが・・・
 
一昨日、コンビニで新しいカップラーメンを発見しました。
「ハリガネ」という商品名で とんこつラーメン好きな人なら解る用語なのですが、固めにゆでた麺の呼び方の通称なのです。
とんこつラーメンは 細麺が特徴で それ故にスープが絡みやすく「替え玉」という言葉を生み出したように 同じスープで複数の麺を食べたりすることもあるわけです。
故に食感もバリエーションを増やすべく 好みで茹で加減を調整してもらう事が少なくありません。
江戸っ子と同じで気風の良さを票右舷するために 固めの麺を注文するという側面もあったようなのですが 固めの麺を表現するのにはたくさんの面白い言葉があります。
「固め」ぐらいは普通のいいかたで これがもっと固めになると「バリ固」とかいうようにです。
「ハリガネ」はそのバリエーションの一つで かなり固めの茹で具合です。
ハリガネのように固いという事のようですが それでは口の中が血だらけになるのでたとえだという事は分かるのですが面白いたとえです。
茹でる麺の中でもっとも固いのが「粉落とし」と言われる物のようですが こちらはお湯の中で麺同士がくっつかないように振られた粉を落とす程度に 入れてすぐに出してしまうからそう言われるのだそうですが 面白い食べ方です。
考えようによっては乱暴な食べ方なのですが お湯の中に抜け出る成分も食べるので 栄養といういみではいいのかもしれません。
まあ、熱が通ってないと消化できにくいような気がしなくもないわけです。
勿論、表面が変化しない状態で上げてしまうので 表面のつるつるさ等は落ちるわけですが 麺本来の味と スープと一緒にすするという(そんなことしたら替え玉の時にスープが無くなってしまう)食べ方をしない食べ方ならではの食べ方なのでしょう。じつは私は固めが好きでそう頼むことが多いわけですが・・・
 
で、そのカップラーメンの「ハリガネ」なのですがゆで時間は「クイックワン」ばりに1分しかないわけです。
この商品を見たときに よく考えたなと思った訳なのですが
ちゃんと三分たたないと表面の滑らかさやその後伸びを抑えるなどうまいバランスが取れにくいカップラーメンの世界において
最初から食感などを犠牲にというより その荒々しい食感を前面に押し出した商品を出してきたわけです。
実際食べてみるとかなりの細麺で ゆで時間を短くする工夫はされていますが やはり一分では茹で足りない麺の感触が感じられます。
しかし、それこそが「ハリガネ」の出棺に近いわけです(厳密には固めの麺ぐらいで ハリガネかというと ちょっとというか柔かろうと思うわけですが)。
食べているうちに柔らかくなって食べ終わる頃には普通の麺ぐらいかな?になるわけですが 基本的に技術的に解決するべき欠点を特徴として売りにした面白い商品だったわけです。
かなり柔軟な思考の人がここの会社にはいるようだと。そしてこのネーミングは 足を止めてもおかしくないわけです。
まんまと 乗せられてしまったわけですが・・・・
まあ、世の中頭の良い人はいるものです。
 
カップラーメン1個でこんなに書くのもどうかと思いますが(笑
ちょっと感心してしまいました。
好き嫌いは別にして、面白いと思えば一度お試しあれ というラーメンでした。
やはりジャンクフードは面白いな
written by HatenaSync