i-Phoneの影に隠れて目立たないのだが

今日、AUから幾つかの機種が発売される。
その一つが HTC EVO 3Dである。
機能なんか使わないよとか・・・
勿論、大きくて重い等も聞こえてきますし、先代のEvo 4Gのようにバッテリーが持たなくて困るなど色々あるかもしれません。
しかし、この機種も始めモトローラー、富士通、京セラとラインナップが揃う事によって 色々な部分での変化が起きるかもしれないわけです。
 
何をいまさら言っているんだ、ただのAndroidじゃないか・・・・・
確かに端末としては 「ただの」Androidなわけですが 制度としては 少し他のキャリアと違う部分があるわけです。
それは、「テザリング」という機能です。
SmartPhoneを持っているユーザーは すべてPCやゲーム機を使ってWifi経由の(USB経由の)インターネット接続が出来るという事なのです。
店頭で、E-MobileDocomoが販売しているモバイルWifiルーターはこの端末によって必要なくなるわけです。
勿論、二台の機種を1台にまとめるという事は単純計算でバッテリーが同じ要領であれば二倍減るのですが 第一世代のCPUが第3世代(第二世代)に変って省電力などが図られているのでずいぶん違うわけです。
 
じゃあ、これは極めて珍しい機能なのか?という点ですが実はそうでもなく
例えば、古くはWILLCOME-Mobileでは実現されていた機能です。
ただ、WILLCOMでは遅すぎることと、E-Mobileではエリアの問題でやはり自分のメインの電話機をこれに切り替えるというところまでは至らなかったのが実際のところでしょう。
そして この機能が付加料金が発生しない契約で実現可能なのは素晴らしい事なのです。
 
きわめてビジネスライクに考えると
データ通信の契約が伸び悩んでいて ほとんど確保できていないAUがこの政策を取ったとすると
DOCOMOE-Mobile、最近契約を伸ばしているSoftbankWifiルーターの足止めと、端末の機能の上で 大手キャリアではAUだけという特徴を打ち出しやすいわけです。
WiMaxを搭載しているので大きなパケットはWiMaxに逃がして、3Gでは適度に帯域規制をかけて速度を上がりすぎないようにすればうまく歯ランシング出来るというポイントをAUはここまでの紆余曲折の経験の中で 最もわかりやすく規制を行い(遅かった時期ありますよね)、はるか昔にどういう状態になればお客が騒ぎ出すかなどの経験を ネットワークの輻輳でネットが使えなくなる経験を持つ珍しいキャリアとして知っているわけです。
遅いながらも繋がり続けるデータ通信として使えるように考えられているわけです。
現状、帯域不足を訴えているDOCOMOやもとから帯域不足を叫んでいるSoftbankには実現するのが難しい状態なのです。
特に、DocomoMVNOで自分では制御できないパケットの伸びがあるわけで より一層難しい制御を求められるわけです。
 
一日中、Wifiルーターをつけっぱなしにするというヘビーユーザーに対しては 今までどおりWifiルーターで構わないわけですが、ゲーム機のデータ更新やi-podなどの曲更新のタイミングで等 ライトなWifiルーター利用ユーザーなら全然SmartPhoneのテザリング機能で十分です。
私のように、Evoをルーターとして、車でカーナビの地図を更新しながら・・・なんて使い方ならこれで十分なわけです。
画面のサイズさえ言わなければ 本体でも十分なのですが そのうち 車のテレビにもHDMIの端子が付けばそちらに表示させることが出来るようになるでしょう。
アプリケーションを移動して チェックを入れるだけで使えるし そのあいだも普通にSmartPhoneとして(論理的には通信速度は落ちているはずですが まあ、気が付きません)使えるわけです。
電子書籍端末などが出たときも更新をこれでやったりも可能になるのでしょう。
 
テザリングに関して言うなら 実際に使える国と使えない国と結構ごちゃごちゃの状態です。
話題になっている アメリカの帯域不足からパケットの定額規制の話が出てきていますが 例えばもっと密度の高い香港などでも普通にパケット定額プリペイドでも買える世界ですし現地で2Mぐらいの速度は普通に出ています。
両方選べるという事が大事で、よっぽど無茶な使い方でもしない限り 月あたり5Gなんてけち臭いことを言わなくて30Gぐらいにすればヘビーユーザーを集めたところで 99.9%のユーザーはその範疇から外れるわけです。
5Gというのは超える人がいて、超えた人からは余計にお金をもらいましょうという儲けを意識した(こういった場合 会社関連の場合が多い 自分で払わないのでルーズになる)価格設定なのです。
ましてや帯域制御を細かく行い ちゃんと帯域を越えたユーザーだけ 一定期間遅くするなどという制御はおそらく世界でも日本ぐらいしか実行可能な規制ではないと思われますので 無茶なユーザー数の確保に走らない限り対応は可能なわけです。
必ずしも現在の状況は 正しい事だけを言っているという状況でも無い訳です。
 
ただ、繁華街などの必要以上に人が溢れるような状況は別の話
アンテナあたりのチャンネル数には限界がありますので 複数のアンテナで非常に細かく網を張っている日本型のアンテナの密度では 人が集中しすぎるとそちらでパンクしてしまいます。
逆に言うなら エリア的に完璧でないWiMaxをSmartPhoneにつけて通信を行う事は 繁華街など輻輳の起きるべき場所でのパケットをWiMaxに逃がし、それ以外の地方でWiMaxも来ないところは 3Gの帯域にも余裕があるので 3Gのパケットをバリバリ使っても大丈夫という事になっているのかもしれません。
うまく完歩し合う関係にあるわけです。
 
今後、広告主の手前もあるので あまり大きなキャンペーンをAUだけで引けるとは思いませんが
テザリングは実際使う方にとっては非常に便利な機能で 尚且つこれだけのコストを払っているのでついていて当たり前ではないかと思わせる機能なのです。
機能としてはこの機能があるからAUにするんだという人がいてもいいわけですが この辺りを重点として行われている広告があるわけでも無い訳です。
いざ、海外に行くぞ!!と思った時に自分の端末を見回してもテザリング可能な端末が思いのほか少ない事に気が付いて ちょっと困っているのが実情なわけです。
ここのところEvoを使っていて当たり前になっていただけに困ったわけです。
PCを使いたくなれば家電品売り杯に行って、テザリングを起動して Wifiでそれ経由でインターネット接続すれば調べものぐらいという作業も可能なわけです。
だんだんPCを使わなくてSmartPhoneだけで色々なことが出来るようになってくると PCを繋いでの時間が減って Wifiルーターは徐々にライトになりつつあるわけですからこの機能で十分になるかもしれません。
 
i-Phoneは派手な話題として提供しておいて、水面下でラインナップを揃えたうえで 一気に巻き返しも・・・というパターンも。
実は既に対応している E-Mobileはデータ通信の大半がWifiルーターになっており 契約の大半がデータ通信なので 同じキャンペーンを引くとつらい所に追い込まれかねないので・・・・

written by HatenaSync