先進国 半導体産業の構造的不幸

APPLE製品は品質が良い!」と書くと、滑らかなユーザーインターフェースとか誰にでもわかる操作感などという言い方になろうが 今日はそんな視点では無い
こういう言い方をすると、何故か私の日記を読んでいる人は先読みをする人が多くて、CPUがどうだとかGPUがどうだとかの ハードウエアオタクな話だと決めてくれるが実はそれでも無い。 
「不良品が少ない」という意味での「品実が良い」という事を言いたいのです。
 
新品で商品を買って、まず初期不良があるかないかとか 使っているうちに壊れたりしやすいかという意味での話です。
まず、APPLE製品ですが どこよりも壊れにくい構造をしていたことも特徴です。
具体的に言うと金属フレームを使った強度の高いボディーは色々な意味での障害から守ってくれますし、機構的な部分で言うとボタンの数を減らすという事は それだけ問題が起きる部品が減るという事で iPhoneが登場する前の携帯電話に比べると故障の可能性が減ったわけです。
なるほどという意味での品質の高さが有ります。
そしてなのですが、ちゃんと素性の解ったちゃんとした部品を使っているという事もその品質を支えている訳です。
 
例にとって申し訳ないが、「中国製品だから」という言い方をすることが多いわけですが ホームセンターや家電量販で売っている安い家電製品などが数か月で壊れたときなどによく聞く言葉です。
これは、中国製という事を確認したという事では無く 安い商品=中国製と刷り込まれている事が問題で、その上で実際中国製であることが多いというのが問題なわけです。
所が、実際に中国製品だったとしても 逆に他の商品の中国製品の割合から言ったら 別に高いほどの事ではないのです。
それぐらい多くの中国製品にあふれているという事を言ったに過ぎないのです。
じゃあ、そうでない商品を使っていたとしても故障からは無縁ではいられません。
何故なら、中の部品や材料までもを含めるともっと中国製品の純度が上がってしまうからです。
コンピューター関連はアメリカ製が多く・・・というのは事実でIntelだったりARMだったりとアメリカの会社なのですが 実際のところ生産は別にアメリカで作っている訳ではないのです。
そしてそれ以上に問題は、CPUだけで動くわけでは無いのです。
「そりゃーモニターとあキーボードとか・・・」という話では無く 電気が来なくと動かない訳でこれは電力会社がという言い方では無く 電源回路などの別の回路が無ければ動かないという事が言いたいわけです。
電源回路の中で必ず入っていると言って良いのは コンデンサ、抵抗そしてトランジスタなどなのですが この中でも最近話題になっているのがコンデンサなのです。
 
コンデンサの絶縁体を挟んだ導体面の両極に電圧をかける事で 両方の電荷が絶縁体を挟んで引き合い 電源を外した状態でも電気が溜まった状態になるというものです。
もう少し砕いて言うと、コンデンサ3cm四方のアルミ箔の間に紙をはさんで接着してアルミ箔に電線を両方に繋いだような状態の物となります。
これに電池を繋ぐと電気的には切れているので電気は流れないのですが 片方のアルミ箔にプラスの電荷が貯まり、反対側にマイナスの電荷が溜まり それらが引き合った状態になる訳です。
その状態で電池を外すと電荷が貯まった状態で安定した状態になります。
そして、両方のアルミ箔に繋がっている線を繋ぐと 導体の方が電気が流れやすいので 今までたまっていた電気がどーっと流れるわけです。
つまり一時的に電気を溜めることが出来るわけです。
この作用を利用すると、安定した電気を供給する際に間にコンデンサを挟んでおくと常にたまった状態にあるコンデンサが足りなくなった電気をに補充したり 高すぎる電気が瞬間的に来たときに貯めたりと 平滑化された電気の供給やノイズの除去に大きな力を発揮するわけです。
 
コンデンサの構造は単純で 意外と上記通りで紙とアルミ箔のようなもので出来ていて流石にむき出しだと高い電気が来たときに空中を通って流れてしまうので 筒形のケースに液体を入れてその電極と紙でできたコンデンサを沈めてあるのです。
面積が広くなれば容量が大きくなるのでどんどん大きくするのですが そうすると場所を食うので細長―く作って、くるくるとトイレットペーパーのように巻いて金属の筒の中に収めたりするわけです。
おかげさまでコンデンサは非常に安い構成部品となっているわけで あれこれと驚くほどの数が世界で電子回路の中に入っています。
また、製造上の問題も少ないので コスト勝負となるのでそれこそ中国などで・・・
「動く」という意味では難しくないわけですが 「安定性」という意味では紙の厚み等を含め難しさはあるわけです。
所がコストが優先される世界でこの部品の安定性が問題になってきたわけです。
 
もともと100Vの照明と言えば「白熱球」という物ですが こちらはただの抵抗の高い線で発熱して光っている訳ですが、100Vの電球であれば短時間であれば150Vでも50Vでも点灯します。
ましてや1秒に満たない瞬間なら200Vでも切れないでしょう。
所が、LEDとなると5Vに降圧された直流で100mAとかの非常に小さい電流しか消費しない訳で 当然それに巨大な回路は必要としないので 小さな部品の組み合わせで作られていてその中にコンデンサも入っています。
電気機器を使用中に 煙が出て・・・・とう問題の場合 白熱球の頃は基本的に電気を使いすぎたことで電線が発熱しすぎて被覆をとかして・・・という話だったのですが、昨今では コンデンサの破裂で先ほどの筒の中に収められているコンデンサが発熱で中の液体が膨張して殻を割って漏れてきて熱を持った充填されている液体の匂いがくさくて煙が出るというものが殆どなのです。
つまり、コンデンサの品質が製品の品質を決めると言っても良い程の 故障原因となる部品となっている訳です。
最近ではそれに加える事に抵抗の品質も・・・・なんては言われますが。
 
じゃあ、故障を防ぐためには・・・となると やはりメーカーを決め打って品質の高い部品を手に入れる事になる訳です。
そして、品質の高い部品を安定的に製造しているメーカーというのは限られている訳です。
特にiPhoneなんて非常にたくさん生産されるので いざ生産が始まるとなればそれ用に用意しないと 普段生産している商品の中から適当に買ってくださいと言うレベルの数量では無い訳です。
故に、安定した品質の良い部品を集めて作られるiPhoneは品質が高いのです。
逆に、生産数の少ないメーカーでは その時に市場で入手可能な部品を使って作られたり(さすがにSmart Phoneレベルになるとそこまで生産数は少なくないが)するので 必ずしも高い品質を維持することが出来ない訳です。
部品点数の多い商品で 部品単位の品質管理を怠ると、例えばたった二つの部品の品質が安定しないと1個の部品がダメな場合の3倍の不良率となる訳ですから。
 
という訳で、高性能な部品メーカーはiPhoneの販売に依存した売上となるという事は生産となる訳です。
最近の報道で生産を減産したというだけで これらの部品メーカーの株価が下がる理屈です。
じゃあ、それ以外に使われる部品にも力を入れたら・・・となるわけですが その場合、品質の低い部品メーカーとも競合になるために そこまで高付加価値の高価格な商品でない限り販売には苦労させられている訳です。
 
特に先進国の部品メーカーがどこも苦労している、日本でも多くのメーカーが合併して潰れているのはそういった構造的な問題が潜んでいる訳です。
安い部品はそれこそ中国で、高い部品は大メーカーの動きでしか・・・
それでは、難しいわけですよね。
特に1社独占の現状では、余計に難しいという・・・


written by HatenaSync