やっぱり生で体験しないと・・・・

実は昨日、木下大サーカスに行った。
世界三大サーカスの一つと言われていて、もうほとんど残っていない「サーカス」というものを将来に残してゆくという すごい仕事をなされているわけです。
 
もともとサーカスというのは テレビの普及が低いころに 珍しい動物を見せたり すごい芸を見せたりするということを日本中あちこちでやっていたわけです。
それが娯楽の多様化で無くなってゆくのは 各地の中小遊園地業界と同じなのです。
地方演劇もどんどん数を減らしているわけですが こちらは最近少し人気が盛り返しているようです。
中央集権型のテレビアイドルが 会えるアイドルだの週末ヒロインだのと身近なアイドルに人気が集まっているのと同様手の届く・・・ということが受けているのではなんて思ったりするわけです。
で、サーカスを見ての話なのですが・・・・
 
ジャグリングといわれる ボーリングのピンのようなものを最大10本ぐらいを一人で投げては受け取り落とさずに順番に空中に送り出す技を披露したり、踊りがあったり、ワイヤーロープに捕まって空を飛んだりと バリエーション豊かなショーが続きます。
中には、美女が虎に変わるマジックなども。
舞台の転換時には ピエロが舞台だけでなく 客席にも行って時間を稼ぐのだ。
このあたりのライブ感というのは素晴らしいものだ。
大よそ、私が想像していたものに比べてずいぶん洗練されていたのだ。
私はシルクドソレイユなどもかなり好きで見に行くわけなのですが あれほどの舞台装置ではなく移動舞台の中ではかなり多岐にわたる演出をしているものだと感心もしたりするわけです。
なんせ、ショッピングモールの駐車場に設営しているテント内でやっているのだから。
 
で、見ていてなのだが 子供の反応が思ったほどではないような気がする。
何がということはないのだが 話などを聞いていると 
「このマジック テレビで見た!」なんてのもあったりする。
確かにテレビで見たことがあるのだろう。
よくよく考えてみると 番組内でも最近では良く取り上げられていて 芸能人がサーカスの花形空中ブランコの塔に立って立つだけでも怖いところで演技しているすごさを伝えてくれるわけです。
映像では このサーカスかどうかはわかりませんが 空中ブランコをする人にカメラをつけ演者の目線でブランコを見たりするとテレビで見ていても怖くなったりするわけです。
ところが、安い席で会ったこともあるのだが 実際のブランコは数十メートル先に小さく見える人が演じる物なのです。
下から見ても怖い高さの上での演技だと私は思うのですが 子供にとってみればテレビで見るより迫力のない映像なのです。
他にも椅子を積み上げて 高いところでバランスをとる芸などは 最近では当たり前のように安全のために安全ロープが付けられているのですが それで引っ張られてバランスをとっているのだというような話も聞こえてくる。
もちろんそんなことはなく 無くてもできるが 安全規定上付けなければいけないわけだ。
鉄の直径15m程度の球体の中を三台のバイクが異なる軌道を描いて走り回るという そして交差するなど 自分でやれと言われても 一人で球体の中をくるくるまわれと言われる時点で無理なのだ。
100kを超える鉄の塊に乗って 宙返りなどちょっとしたアクセルコントロールで墜落大けがなのだ。
でも、見ている子供たちにとっては ああ回っている それよりおとがうるさいな〜程度なのだ。
もちろん、マジックも 世界一のマジシャンに比べれば 何より舞台装置が違うし前後左右から見られるサーカスの舞台ではできるマジックも限られるのだ。
 
映像よりリアルの体験が・・・という言葉はもちろん正しい。
ただ、映像は真実を切り取る物だけではないのだ。
見やすい位置で もっとも迫力のあるものを伝えったとすると 実際の座席で見る物は柱の影ができたり そこまで理想的な位置で見れているわけではない。
何事もそうで、テレビで見る世界一に比べて 日本のトップクラスが比較されて評価されるのはまた別の世界なのだ。
子供たちにリアルを伝えることすら難しい時代に来たような気がして 帰るときには複雑な気持ちで・・・