伊藤探偵事務所の憂鬱 28

どよーん
目の下にクマをいっぱいつけてKAWAさんがやってきた
KAWAさん:「おはよ〜〜〜」
僕の背中に抱きついてきた。
KAWAさん:「あんたのせいよ・・・・しばらくこのまま連れてって」
気分はよくなかったが、背中の感触は気持ちが良かった。
「なんで僕のせいなんですか!!」
口では勝てないと解っているのにいい返してしまう。これが からかわれている原因だと解っていても つい口から出てしまう。
もちろん、今日も勝てなかった。
KAWAさん:「ねえ、何色が好き」
「青かな?」
しまった、答えてしまった
KAWAさん:「ぴんぽーん 水色でぇ〜す ブラとおそろけー」
あ〜あ、答えは予想できたのに・・・・
「で、何で僕のせいなんですか?」
KAWAさん:「昨日と一昨日の報告書が、小説みたいで楽しいって 会社で評判なの!
だ〜でも信じてくれなくて 説明するだけで一晩掛かったんだから」
「それって、僕のせい?」
KAWAさん:「じゃあ、誰のせい? その日暮らしの生活をしている 売れてない連載小説家の苦し紛れの言い訳みたいなご都合主義の話 証拠のテープが無ければ未だ会社で徹夜だったわ」
「・・・・でも、僕だって巻き込まれただけで・・・・」
KAWAさん:「ケーキセット 5人前で手を打つわ」
「・・・・・わかりました」
KAWAさん:「じゃあ出かけるのちょっと待ってね お化粧直してくるから」
化粧を直して出て来たKAWAさんの顔から 目のクマが消えていた。
KAWAさん:「お姉さん(arieさん)に教えてもらったの お化粧 試してみたくて」
「とっても お美しくて良かったですよ」
もう、何にも言いません。

さて、今日の予定ですが・・・・どこへ行くんでしょう?
「西下さん? 今日の予定を教えてください」

あれ、いない

arieさん:「あんたがこんな所でデートの待ち合わせなんかしているからもう出かけちゃったわよ!」
KAWAさん:「おはようございます お姉さま」
arieさん:「その、お姉さまって言い方やめてくれる。私の方が年取ってるみたいじゃない」
そんなこと、言うまでもない・・・・
arieさん:「そこ、つまらないこと考えてない!」
指差した先には 僕の顔があった。
KAWAさん:「ここの先輩って意味ですよ 深く取っちゃいや! お姉さま」
arieさん:「あんたじゃないわよ、周りで聞いてる人が勘違いするでしょ」
いや、勘違いじゃないかと・・・・
arieさん:「そこ、言ったこと聞いていた!」
はいはい、声に出して返事するときっと10倍になって帰ってくるから・・・

「あの、出かけないんですか?」
arieさん:「今日は、化粧ののりが悪くて機嫌が悪いの」
「すいません」
arieさん:「きょうも、デパート行くわよ。今日は 依頼の宝石を発見するの」
「えっ、場所がわかっているんですか?」
arieさん:「あんたが最初の日に行って 追いかけられて解ったの」
「じゃあ、宝石展示室」
arieさん:「相手もまさか宝石も展示されていない宝石展示室は誰も調べないとたかをくくっていたんでしょうけどね 名探偵はそんなことお見とおしだったみたいね」
それで追っかけられたんだ
KAWAさん:「whocaさんに 教えてもらったんじゃなかったんだ」
arieさん:「whocaさんを助けたのも 名探偵さんだったんだけど 助けるほうが見つけるよりも順番が後だったんで 聞くまでも無かったそうよ」
KAWAさん:「やっぱりご都合主義な報告書に今日もなりそう whocaさんが教えてくれたことにしといてね 徹夜になったのは本当だったんだから」
arieさん:「それは そこのボーヤに頼んでね」
解らない話が 又増えてきた・・・・