伊藤探偵事務所の憂鬱 40

KAWAさん:「あーっ、先に食べてる!! ひっどーい」
話どおり KAWAさんがやってきた。
弁当は 何段ものおりに入った豪華な料理であった。まるでお正月のおせち料理のようなものだった。
おそらく、事件が始まる前にarieさんが頼んだもんだろうが ぼくは 生きて帰れるかどうかの状況だったのに さすがによゆうがあるものだ。
KAWAさん:「もぎゅもぎゅ おっいしー」
arieさん:「もう、後片付けは終わったの?」
KAWAさん:「もぎゅぎゅ、一応ね、お部屋のへこんだ所までは直せなかったけど 気の狂った人が暴れたことで解決しそうね 被害も無かったって」
arieさん:「で、副社長はいた?」
KAWAさん:「えっ、それは知らないですぅ。 あたしの仕事じゃないから もぎゅぎゅ」
arieさん:「・・・・ 副所長、安全でカッコいい仕事がまだ残ってるんだけど」
「何ですか?」
とても食事を出来る状態ではないので お茶を飲むのが精一杯。
arieさん:「ワンちゃんに餌をやるのを忘れていて 今、死にそうなので助けてきてあげて欲しいの」
「それぐらいなら いつでも」
西下さん:「じゃあ、救急車の手配をしますね 一人前」
arieさん:「じゃあ、社長のところに行って 金庫の鍵を借りてきて空けてきてね」
KAWAさん:「えーっ、あのまま 誰も行ってないの!!」
西下さん:「多分、昨日逃げようとしてたらしいから昨日からずっと・・・・」
arieさん:「きっとワンちゃん飲まず食わずで 気が立ってると思うな! 大体、変装後があれだから 本人もきっとああいう人なんでしょうね こういう事は人当たりと運のいい人が適任」
「あっ、副社長がそのままなんだ」
あわてて社長の下に走り、展示室の金庫の鍵を借りて担当者を連れて展示室に。
「開いた」
減圧式の金庫だったら間違いなく死んでいた。
「大丈夫ですか?」
副社長は顔色も無くげっそりしていた 水を飲ませて救急車に乗せた。
勿論 宝石もそこにあった。

宝石を社長に返し、いなくなった社員を二人 誘拐されていた副社長と従業員の居場所を教えた。

後日
改めて百貨店に今回の事件の報告に行った。
事件の全容はとても話せないが、謎の組織の介入と言うことでとにかくごまかせたようだ。
とどさんも話を合わせてくれたようで、親分と一緒に地元に引っ込んだようだ。
西下さん:「では、報酬の話ですが」
刻々と時が過ぎてゆく。
報酬の話が進んで、信じられない額のお金が動いているようだ。
確かに一億でも払ってやろうと言っていたので断ることはできないだろう。
ただ、謎の組織と言うことでは 払ったお金に納得の行く結末ではなかったであろう。
会社を壊されて、従業員には被害が出て 尚且つ犯人が捕まらず。唯一の救いは宝石が帰ってきた事であろう。
明日からの展示会には間に合うので社運をかけた展示会が行えることと 集まったマスコミが事件が早く済んだ事と謎が多すぎたため 宝石店の神秘性が出て謎の宝石といった評判が高まり 一面を飾る広告を無料で行えた事で我が探偵事務所への支払いは十分に出ただろう事であろう。

社長:「ところで、whocaさんはどこに?」
arieさん:「ここからは私が。」
西下さんを押しのけてarieさんが出てきた。
arieさん:「今は私どもがが預かっています。 この後 三日間は未だ、謎の組織が襲ってくる可能性がありますのでお預かりします。」
社長:「しかし、身柄をお預かりする約束で・・・」
arieさん:「都合が良いですわ、私どもがお預かりしている間は安心ですから。そこで、報酬のお話ですが、ええ 勿論宝石にも守りをつけますわ・・・・」
二人の話は長く続いた。完全に狸と狐の化かしあいの状態が続いた。
社長:「じゃあ条件はそういうことで・・・・」

KAWAさん:「待った!!」
KAWAさんが飛び込んできた
肩で息をしながら駆け込んできて 息を整えている。
KAWAさん:「間に合った。私の分の報酬が抜けているわ」
arieさん:「あら、何かしら」
KAWAさん:「ケーキ一年間食べ放題!!」
社長:「はっはっはっ、そんな条件なら どうぞ 一年でも二年でも お嬢さんの気の済むまで わっはっはっ」
KAWAさんの目が 闇夜の獣のように赤く鋭く輝いた
KAWAさん:「やっりー 3年分ゲット!!」
社長はKAWAさんの食欲を知らないようだ お気の毒に
初めての事件が解決して また平和な日常に戻る 平和な浮気調査の一日が。
今日までの事件から考えると安全だけどつまらない毎日が続く。
「さあ、帰りましょう 事件も終わりましたし」
長い話が終わったので 立ち上がって帰りだした。
arieさん:「誰が終わりって言ったの?」
「何で?」