伊藤探偵事務所の憂鬱 53

arieさん:「ぼくー、おいたちちゃだめでちゅよー」
「いいからほっといてください!」
KAWAさん:「お願い、動かないで つけれないから」
僕の格好を見てarieさんが つつきに来る。
もうすぐ降下だ。

6時間ほどの偵察コースの後半 4時間目程の場所である。
3時間ほどの所から飛行機の中があわただしくなった。
各装備の点検が始まった。流石に命がかかる装備だから真剣にされている。
銃器その他 装備も改めて点検された。
ぬりかべさん:「ふんがー」
二人ずつで降下するために 装備の大半が降下中はぬりかべさんに集められるため持ち上げてチェックしている。
KAWAさん一人分ぐらいの大きさの荷物を持ち上げた。すごい力だ。
点検が終わったところで装備を付け始める。僕にもホルスターと銃が渡されてた。しかし、この前の銃とは明らかに違う質感と重さに戸惑った。
「抜くことになるんだろうか」
口の中でつぶやいた。
KAWAさん:「死にたく無かったらね」
その声に緊張が走った。
ナイフ、無線機等 危険なもの身を守るものを含めて装備が終わった。

残り15分になったところで降下装備を付け始めた。
何度も言うようであるが、僕は降下訓練なんかしたことが無い。もちろん、今回のためにする時間も無かった。
arieさんはぬりかべさんとペアダイブ。と言うことはKAWAさんとのペアになる。
「やっぱり組み合わせを変えません? 女性は女性同士ということで・・・」
KAWAさん「もばちゃん、あたしとは嫌なんだ」
胸の前で手を合わせて 拝むようなポーズで目をうるうるさせながらKAWAさんが言った。
「かえるのぬいぐるみ着てやっても駄目ですよ」
KAWAさんに 舌を出して べーをされた。
arieさん:「あたしがKAWAちゃんと組むと何かあったときに戦闘力が落ちるの ぬりかべは荷物で手が使えないんだから」
「わかりました」
と、その場は納得した。

しかし、考えが甘かった。
単純にKAWAさんと降下することだけを考えていたが テレビとかで見るように 二人組みの降下の場合、前がビギナー後ろは操縦士となるのです。
おいでというKAWAさんは先に装備を付けいすに座っている。
僕はそのひざの上で装備を付けられることになる・・・・・
想像できますか? 蛙のつるつるしたきぐるみを来た女の子のひざの上に乗って後ろからロープを付けられる姿って・・・・
アメリカ兵の爆笑と、arieさんのからかいが続く。
腕を固定されているのをいいことに、わき腹や胸をつつきに来る。
これがこういう状況で無ければうれしいのだが、今は何より恥ずかしさが先にたって。
それにきっと飛び降りている姿も 蛙のきぐるみ背負って降りてくるなんて 考えただけで恥ずかしくていたたまれなくなった。
KAWAさん:「はいっ、おしまい」
ようやく装備が付け終わった。
arieさん:「もっとゆっくりでも良かったのに」
当然、KAWAさんとベルトでつながっているので離れられない状態で ぼくは後ろから蛙に襲われているような姿で地面に座っている。
後ろにいるのでKAWAさんの状態は見えないが 時々背中に感じるKAWAさんは 楽しそうにゆれている。

西下さん:「そろそろ降下地点ですが 準備はいかがですか?」
いつも突然に割り込んでくる。
arieさん:「その後何か変化があった?」
西下さん:「逃げました、例の人」
KAWAさん:「なんで?、うちが預かっていたはずよ」
西下さん:「途中で警官を絡ませたのが原因みたいですね 素顔を知らないからその前にすり返られたみたいです」
arieさん:「じゃあ、こっちに向かっているって事ね」
KAWAさん:「したから花火があがる危険性もありますね」
西下さん:「情報操作はしていますから特定は出来てないとは思いますが十分に注意してください」
arieさん:「少しでも早く合流地点の情報を」
西下さん:「了解!」
aireさん:「着陸ポイントは予定通り 山の西壁 3分後に降下するわよ」
「了解」
後部扉の前に 全員で集合した。