若すぎた頃(番外編 尚、登場人物は実在する同名の方と一切関係ありません)

「誰が、泥棒猫よ トレジャーセイバーと呼んでよ」
喋りながら銃に弾を込める。
男:「お宝盗んでいることには変わりないだろ」
「誰も見つけられなかったんだから無いのと同じでしょ」
男:「誰のものでもないものは、国のものだ」
何箇所かにおいたのと同じように小さな装置を置いて 拳銃でけん制しながら場所を移動する。
「給料以上に働いているから禿げるのよ」
男:「うるさい、泥棒ばかりやっているから性格が悪くなるんだ」
移動すのを数十丁の銃が狙った。
「残念ながら、性格は生まれつきよ」
頭を低くして岩陰に飛び込んだ。
「だと思った、あまりにも性格が悪すぎる」
「そっちこそ、頭が目立ちすぎて軍隊以外の仕事が出来なかったくせに。」
また、小さな装置を置いて次の岩陰に移動した。
男:「天職だよ」
男は左手を振って、行き先を遮るように部隊を展開させる指示をした・
「そのようね、陰険さも、陰湿さも、足の臭さも 軍隊の天職だものね」
男:「うるさい、もう数分もしたらその性格の悪さを矯正してやる」
部隊全体が前にシフトした
「結構よ、結構気に入っているの 性格もそしてこの美しい容姿も」
前に出てきた兵隊たちを 2〜3発の弾でけん制した。
男:「容姿を気に入ってるんだったら、顔ぐらい見せたらどうだ?」
「そうね、見せたげるわ 十分に」
銃弾の飛び交う中 岩の上に立ち上がった。
スポットライトが集中した。
不安定な岩の上に立っているので両足が伸びた状態ではないが片足だけひざを曲げた状態ですらりと立つ女性は 体の線がスポットライトに浮かび上がる。
「どう? 美しい?」
あまりの事態に銃声が止まった。
一番近くにいた兵隊が飛び掛ったが、岩の上に上がる前に蹴落とされた。
「ぼうや、おいたは駄目よ」
色っぽい声を出して言った。
「ショーはこれからよ」
羽織っている白い薄い布を肩口から下ろし始めた。
ゆっくり下りてゆく布が体のラインをうっすら写しライトの方向が前からなのが恨めしく見えるほど官能的だった。
腰ぐらいまで落ちたところで銃声
岩の上から抜きざまにライトのいくつかを打ち抜いた
布は数メートルもあろうかという大きな幕となって広がった。
男:「何をボーっとしてるんだ」
男の声でみんなは我に帰った
「野暮は駄目よ」
言ったと同時に洞窟の数箇所で爆発が起きる。
岩の高さまで一気に煙が広がる。
男:「ひるむなー殺してもいいから撃てー」
「言ったでしょ、野暮は駄目だって 楽しまなきゃ」
岩から岩に飛び移って銃弾を避ける。
煙に巻かれて狙いの定まらない銃弾が兆弾となって洞窟中を飛び回る
2〜3の岩を飛び移ったところで 奥から爆発音
「あっ」
いくつ目かの岩に飛び移ったところでバランスを崩して岩から落ちた。
最後の爆発の爆風が収まると 風の流れが出来て風が流れてゆく。
爆発で穴が開いた方に向かって風の流れが出来て煙幕が動く。
黒い影が その中に消えてゆく
男:「追えー!! 逃がすな」
相変わらず狙いの定まらない弾が飛んでゆく
「じゃーねー」
口の中で聞こえないように小さな声でつぶやいた
地面に這うようにして 洞窟の入り口のほうに移動した。
男の傍を抜けた時に ささやいた言葉だった。

表に出る時には 軍服を着て咳き込みながら出て行った。
いかにも煙に巻かれて出て行ったように。
そのまま、救護車に乗り何事も無かったかのように脱出した。
「あっ、爆破した先が崖だって言い忘れてきちゃった」
運転手:「今度、軍にFAXしときます ところで、ございました?」
「だめ、何にも感じない ただの石(宝石)ね まあ、これでしばらく遊んで暮らしましょ」
宝石を眺めながら言った
運転所:「ご随意に」
救護車が偽物だと気がつく頃にはこの国にはいないだろう
砂漠の月が雲から出てきた。
砂漠は黄金色に輝く

まだ、日本に来る前のarieさんの姿だった