すごいんだけど・・・

MEGA DEMOって知っていますか?
すでに、言葉が違う物にすりかわっているかもしれませんが、Windowsが出た頃の 正確にはVGAが一般的になった頃のPC用のソフトウエアーです。
最初は、画面構成に凝ったものから始まって徐々に3D的な要素を持ったものに変化して行きました。
今で言うところの AMDが提供しているN-BENCHに近いものです。
FDDが1.44Mの時代に2Mクラスのアプリケーションはヘビー級で、尚且つ、唯のデモですから店頭でのディスプレイにしか役に立たない。
しかし、アメリカではコンテストなんかが開かれて だれが一番魅力的なデモを作るかを競い合いました。
今回、DELLVGA液晶のPDAに積まれたグラフィックアクセラレーターの為のデモの発表を見て思い出してしまいました。
320X200ドットの256色が規格としてのVGAのグラフィックモードで その画面の中を今と同様に金属の玉が周りの景色を映しこみながら跳ね回ったり 飛び回ったりの光景は 海外でのソフトの開発力の凄さを感じさせました。
しかし、実はやはり唯のデモで 多くは3Dの計算を行っていたのではなく、多くのデータを効率よく圧縮し表示していたに過ぎなかったことが その後の3Dの技術の進歩と同調しない 余りにも飛びぬけて凄かったデモの出来との差で気づかされました。
このデモも、PCのハードに強く依存する部分があったこと、そして Windows時代になってこの解像度のままではいまデモを作れる速度が無かったことなどが衰退の原因と言われていますが 本当は、動画表示の技術の進歩がその意欲を低迷させたのではないかと思われます。
MEGA DEMOの終末の作品の中には、画面の中にTVが置いてあって その画面にマリリンモンローや大統領暗殺の映像がフラッシュバックのように写るものがありました。
そう、PCの画面に動画を再生することが出来れば 別に無理をして描画する必要も無く咲きに他のPCで作成済みの動画を表示する。つまり、プログラマーの能力ではなく 映像を作る能力だけが重視され、3Dの描画ソフトで作ったオブジェクトをムービーとして表示すれば良くなったのです。
プレイステーションで、ファイナルファンタジーが流行った時にも、戦闘シーンが終わって始まるイベントにはムービーで表示される主人公たちが滑らかに動いて喋ります。
TVのCMではそのシーンのみを流したので、こんなに凄いことが出来るんだと勘違いして大急ぎで買ったんですが、実際は 少し進歩して2頭身ぐらいで動くキャラクターが方向に制限のある擬似3D空間を動くだけでしたからゲームの出来はともかく最初は騙された気分で一杯でした。勿論、ゲームは面白かったと思います。
つまり、プレーステーション単体には画面全体のオブジェクトが 実画像のように動き回る画像を3Dで展開できるほどの処理能力が無くても、ムービーとして表示することが出来たのです。
で、あれば デモとして見せるだけのソフトの場合、全画面表示になっていれば 実際に計算して描画しているのか それとも ムービーとして表示しているのかの区別が付かないのですから やる気もなくなってしまうでしょう。
逆に、ムービーに比べて3Dの処理の甘さが 実際にPCで処理している証拠みたいな物ですから 何となくやりきれない気分になることでしょう。
今回の、DELLのは、ゲームの販売用のデモだと聞いていますが 実際見たことが無いのですが見てみたいですよね。
展示会等で、同等の性能と思われるようなデモは良く見ますがあくまでもチップレベルの話。じっさいどれだけの手を掛けているのかは解りませんがどんな裏技すら可能な状態。
さっきの話じゃないですが ムービーで見せられても区別は付きません。
でも、ゲームとなると動きに制限こそあれ、どう動かれるかわからないから度に計算して描画しているのでしょう。
2700Gというグラフィックアクセラレーターの性能は 3Dの描画に役に立つ為の機能がハード的にふんだんに盛り込まれていますし、その為の高速なメモリーも内蔵しています。
CPUで計算すると大きな負担の掛かるはずの、光線追跡や印面処理、写りこみ処理を横に広く伸ばされた演算装置が解決し、オブジェクトに貼り付ける鱗(テクスチャー)の変形転送に消費される膨大なデータの転送量も 鱗をグラフィックチップ側に置いておくことでCPUの負担を限り減らした形で処理できるのでしょう。
その上、あの小さなサイズでありながらVGAの液晶を搭載していると言うことはかなり小さなドットで表示されるでしょうから目に見えないほどの詳細な描画が可能でしょう。
液晶も明るめとの話ですから、ゲーム機としての出来はかなりの物でしょう。
PSPでも、あの液晶でリッジレーサーを見れば道路の質感なんかもかなりのもんではないかと思ったりするのですが・・・・
いまさら価値は無いと思うのですが、MEGA DEMOを実行していた頃のPCのスペックを遥かに上回るスペックをPDAは持っています。唯一、その当時のPCに比べて劣ると思っていた表示系もすこし追いついてきました。
エミュレーションなんかになると思うんですが、昔のMEGA DEMOPDAで動かないですかね?
プログラムの出来や、画面構成もさることながら 絶妙の場面変更や 飽きさせないシーンの変化など 少ないリソースで実現するために無理を重ねた 若きプログラマーたちの熱意がひしひしと感じられる作品です。
デモが終わったあとのテロップロールなんかも入っていて、そのテロップの中には現在も映画の特殊効果として現役で活躍している人達もいるそうです。
MEGA DEMOがPDAに降りてきたとしたら、OFF会でのPDAの見せっこも もっと楽しくなるかもしれませんね!?
と、言うわけで 終末のOFF会では誰か入れてきて見せてくださいね、DELLのAximのゲームのデモを・・・・