Miss Lは、ローズバスが大好き 13

Mr.G:「もちろん推理としては存在しませんが、地球外や人知外の生物の存在も否定しませんが、それはウルトラ警備隊の仕事で警察の仕事ではないでしょう。」
例え、人が作った生物だとしても 悪魔の格好をした生物が飛んでたら十分警察の範疇外だと思うんですけど・・・
小柳刑事:「取りあえずは、我々には銀の弾丸も聖水も無いのですがどう対処すればいいのでしょうね?」
大きな背格好に、乱暴そうな姿の割には頭の回転は悪く無さそうだ。しかし、警察がこんな所で油売っていたらだめだと思うんだけどね?
Mr.G:「Miss.Lはどう思われます?」
突然振って来るんじゃないわよ、そんな答えにくい事。
「私ですか? 私もいい対策が思い浮かばなかったんですけど・・」
Mr.G:「そうでしたね、今考えるとどうですか?」
「そうですね、今でもいい考えは思い浮かばないんですけど・・・でも、先生の考える足りない器官って何ですか?そこが解ればそこが弱点なんですよね」
Mr.G:「うまくおはちをこちらに廻してきたね じゃあ、ヒントでも、取り合えず今無くても生きていくのに困らない器官で 外部から与える事で補えるところってどこだと思う? 今度は小柳君の番かな?」
小柳刑事:「すいません、生物学には詳しくなくて・・」
「食べないで済む時間が長ければ、口ぐらいは無くても良いかも 駄目ね、域はしないと駄目だから その上噛まれたから口はあったわね」
Mr.G:「でもその先は要らないかも知れない。勿論長生きも長期間の活動も出来ないと言う前提だがね」
「でも、ご飯を食べられないと困りますよね、後トイレも」
Mr.G:「トイレは要るかもしれないけど、食べ物は後先考えなければ全て血液中に直接入れる方法もあるでしょう そうすればトイレにそんなに行く必要も無いとは思うんだけどね」
小柳刑事:「しかし、それじゃあ生物として生きられないでしょうね」
Mr.G:「その生物としておかしい物って言わなかったっけね?」
小柳刑事:「そうでした」
どうも、Mr.Gはこの会話を楽しんでいるように見える。全ての結果は自分の中で導かれているように見える。でも、興味あるので乗ってみたくなっていた。
そういえば、生き物とかそういうのはこの間の服についた液体から解らないのかしら?
「この間の体液は、分析できたんじゃないですか? 小柳刑事?」
小柳刑事:「それが・・・・分析結果はあるのですが専門外なもんで」
頭を掻きながら、背中を丸めてすまなさそうに言った。
Mr.G:「そうですね、その結果だけなら多くのアミノ酸を含んでいるので 地球の生物らしいとは思われますね。ただし、その中から細胞組織は見つからなかった。詳しい事は今となっては解らないが、その体液に含まれる酵素に分解されたのか それとも酵素自身が細胞に含まれていたのか分解されていて特定の出来るものは無いようですね」
「おかしくないですか?」
Mr.G:「何がですか?」
妙に嬉しそうに聞いた。
「もし、その推理が正しければ 消化器官は無いわけですよね。なら唾液に分解酵素なんか入っていても無意味だし、そんなものが入っていたら飲み込んだときに ってどこに飲み込むか解らないけど 中から溶けちゃうじゃない」
Mr.G:「そうですね、普通は胃の中なんかで中和剤が出たりするわけなんですけどね」
「そういう物も余分だから、無いと言う事なんでしょ 結論は出ているって事じゃないんですか?」
Mr.G:「そうですか、先に進まれちゃうと 面白みが無いですね。でも、そこから何らかの攻撃を受けた時にも、残された肉片から証拠が出ないって仕組みじゃないかと思われて 人造的に作られた可能性が高いと思われるんですけどね。」
なるほど、そういう考え方もあったのね。
逆に、あの液体からは なんの証拠も得られないって事じゃない。
「そういえば、あの服返してください!! 着る物がいきなり一気に減って困ってるんですから!!」
取り合えず思い出したので小柳刑事に詰め寄った。
七瀬刑事:「あれは証拠物件だから返す事はできない!」
又出てきた、頭を使う時なんかには何の口出しも出来ないのに、自分の立場の良い時だけ口出す嫌な奴・・・
「貴方は警官でしょ、規則を押しつける前に少しぐらい日本国民を守ってみたらどう?」
目の前に人差し指を額につかんばかりに差し出して、言ってやった。
七瀬刑事:「なにを! 協力するのは国民の義務だろう!」
額に血管を浮かせて、怒鳴り返してきた。
あたしの指差していた手を、手首から掴んで捻ってきた。
Mr.G:「今のは公務執行妨害にはならないので、やはり警官とはいえ傷害罪となるのではないのかね?」
Mr,Gが喋り終わる前に、小柳刑事の腕が私の腕を握りつぶそうとしている七瀬刑事の手首を握っている。というより握った瞬間 私の腕を握っている手の力が抜けていた。
小柳刑事:「失礼しました」
腕を握ったまま、腰まで頭を下げて謝っていた。
七瀬刑事は、謝ろうにも顔を真っ赤にして痛がっていた。