ユーザーサービスと囲い込み

つい先日来、もめているプロバイダーとの喧騒に決着が付きそうな状況となっています。
その中で最も大変なことは、10年近く利用しているメールアドレスは簡単には変更できないと言うことなのです。
確かに、電話番号のポータビリティのサービスは始まります。しかし、携帯電話のメールアドレスのポータビリティは予定もされていません。
もちろん、購入したコンテンツなどは同じ電話会社内でも持越しができないと言うことが問題になっています。
技術的な問題が話されていますが、「JigBrowserWEB」にしても「パソメール105」月額請求を行うコンテンツはこちらかな何の申し込みも行わず可能なのに対して、一度きりの有料コンテンツはできないと言う事自体がおかしいと気がついてほしいと思う今日この頃です。
少し話がずれてきましたが、携帯電話の各社共通のメールサービスはその役目をまもなく終えようとしています。
Auで言うとCメールというサービス。
これは、他の携帯電話ベンダーに向けての通信が出来なかったり、仕様的に文字数の制限があったりとわざわざ今となっては使う事も無いのですが 唯一相手に届いたことの確認が取れるという優位な点があり利用することもあります。
まあ、それはさておき 電話番号で相手を呼び出すことの出来るサービスは非常に便利ながら、他のベンダーを含め全てをグローバルに開放することは最後までかないませんでした。
一つは、ユーザーの囲い込みで、もう一つは 電話番号という数字の羅列でいえば 090もしくは080の番号から始まる僅か8桁の番号に支配されていることで、ランダムにその番号に向けたいたずらメールやSPAMメールを止めることができないからです。
昔は、WEBのページからも送ることの出来たそういったサービスが無くなってしまったのはそのせいです。海外で利用されているSMSでもその問題は出ています。
それで、インターネット時代を反映して出てきたのが Emailです。
これは、他の会社の電話に対しても、PCに対してもシームレスにデータをやり取りできます。
電話会社的にはグローバル化を進めたわけなのですが、それ故に外部からのいたずらメールやSPAMに関しての対策を投げ出したような形になったわけです。
C−メールである限り、携帯電話ベンダー内のネットワークです。イタズラメールやSPAMを送る人に対しての対策は携帯電話会社が立てなければいけません。e−mailは究極的には送り出す側の責任。僅か10個ばかりのフィルターを提供し、これだけの対策を立てていますと胸を張って言える訳ですからある意味楽になったわけです。
実際、PCで使っているメールで受信側のフィルターに関しては 色々な対策を立てても追いきれないぐらいですから どういうもんなのでしょう。
できることと言えば結局 携帯電話会社同士のメール以外は受け取らないという程度の対策のみなのです。そうすることによって e−mailという仕組みを使っていながら携帯電話会社間のメールのやり取りを可能にしたという効果だけは出ているようです。
ただ、一つ良いのは メールアドレスと電話番号の間に相関関係が無くメールアドレスの文字数もアルファベットを含み長さも可変である為に 電話番号のような無差別な攻撃のし難いものを設定できるようになった程度です。
まあ、メールシステムの良し悪しはさておき 携帯電話のベンダーのメールには一つだけ利点があります。
これがプッシュ送信と言われるものです。
これは、携帯電話のメールアドレスで受信したメールは わざわざ取りに行かなくても自動的に携帯電話に配信され、通知する機能があると言うことなのです。
非常に便利で、私も使っているのですが 良く考えてください。最初に書いているようにナンバーポータビリティで電話番号は引き継げても メールアドレスは違うベンダーに行けば引き継げないんです。
一旦解約した電話のメールアドレスを引き継ぐことも出来ないのです。
これだけメールが一般的に成れば、それですら携帯電話ベンダーを切り替えられないきっかけになるのです。
私も利用していますが、基本的に送信以外で相手に携帯のメールアドレスを出すことはありません。もし出したところで 携帯電話以外からのメールは全て受信しなくしてあるので来ることはありません。唯一の例外は 自分のメールアドレスからのメールのみ受信するように設定し 転送ソフトを経由して一般のメールをプッシュ型で受信しています。
送信も、その気になれば件名に「REPLAY」という言葉を入れて自分のメール転送ソフトに向けて送れば 自分のメールサーバーからメールを送信する仕組みにしています。
AUでは、BREWアプリで常駐アプリとして使えばPOPメールの受信も 告知するアプリケーションがあるのですが、企業向けで一般ユーザーには公開されていません。
メールアドレスの移行は、意外に大仕事です。
メールマガジンなどは、ログインして書き換えて 確認が終わるまで両方のメールアドレスが有効でないと駄目だったりするわけです。切り替え時には二つの電話機を持つことになってしまいます。
PCのように、過去の長い履歴を持たない電話では 何処に連絡を入れていいかわからなかったり・・・・
サービスとして優位性を持つことは良いことでしょう。「技術的に自社でないサーバーのメールをプッシュコンテンツとして確認できない」これも判ります。
しかし、どれも利用者の為でない言い訳です。
BREWアプリや、i−アプリでそういったアプリを一般に出せばよいだけの話なのです。
一部の、グループウエアーなどの携帯用のアプリケーションでは易々とかなえている機能です。
よくよく考えてください。こういう機能は囲い込みの為に利用されるべきサービスであってはいけないはずなのです。
携帯メールと自宅のメールを分けて管理する必要は無いのです。一つで完結できるなら一つのほうが良い人も多いのです。
ユーザーとして、こういったところにも目を向けて行きたいものです。