ムーアの法則が又延命されそう・・・・

ムーアの法則は説明するまでも無く、半導体の進歩は2年で〜ってやつです。
ようは、年々進歩するペースは数式で表されるようなことだったのですが、気が付いたら壁寸前まで来ていたというようなことと成ります。
あくまでも、分子・原子レベルに近づけばそこで止まってしまいますから制限のある法則なのですが。
例えば、光と言うのは波であり 赤から青に行けば波長が短くなるなんていわれても全く実感が無いのですが、この世界になると波の高さが配線の太さに近づく為 今では紫色の光で配線を定着させているわけです。
今回のIBMのレポートでは、この部分に手を入れて配線をシリコンウエハ上に今まで以上に細い光を当てることを可能にし、故に細い配線を引くことの出来るかもしれない技術を考え出したと言うようなことが書いてありますが さっぱりちんぷんかんぷんです。
 
人間の服を例えに出すとややこしいのですが、CPUもそんなようなもので 服の素材の量がコストとなると言うことは根底の部分では間違いの無いこと。
人の場合、だからといって体を小さくは出来ないのですが CPUの場合同じCPUでも配線を細くして全体を作り直すと130nmから90nmに作り変えるだけで 40%利用する布地を減らすことが出来ます。
布地が減ればコストが下がるのは当たり前で、この最も顕著な例がRAMといわれるメモリーです。勿論フラッシュメモリーと言い換えても良いでしょう。
ただし、この条件はあくまでも歩留まりと言われる製造上での不良品の発生をいかに抑えるかにもかかっています。
プロセスの配線を細くすれば細くするほど、CPUの配線上にはトラブルがおきやすくなるのが一般的で、製造している最中に徐々にそれが修正されて歩留まりが良くなる為に価格が下がると言うこともあります。
しかし、それを無視すれば配線が細くなれば細くなるほどコストが下がってゆくわけです。
今まで、一本の反物から3人分しか服が作れなかったのが、5人分作れるようになったわけですからそういうことです。
 
じゃあ、年々CPUの価格は下落してゆくはずなのですが面白いことにそうはなりません。
下手をすると大きくなっています。
これは機能の追加やキャッシュメモリーの増加がプロセスルールの縮小化よりも大きくなればそういうことになります。
恐らく現在のPentium4が最も大きいダイサイズのCPUとなるのでしょう。
キャッシュはRAMであり、メモリーは量とサイズが比例するのでプロセスルールの縮小で必ず小さくなる部分です。しかし量を増やせば同じ事と言うわけです。
 
最近ではあまり聞かなくなった「トランスメタ(黒字だったらしいです 是非がんばって欲しい)」やC3と呼ばれたCPUなどはコストの安いCPUとして有名ですが 量産効果では適うはずのないIntelに対して、ダイサイズを小さくして実質のコストを下げたモデルでしょう。
こうなってゆくのが有る意味正しい姿なのではと思わせられるときもあります。そんなにスピードが要りますか? というような形です。
勿論、例に漏れずAMDもIntelよりはダイサイズが小さいと言う風に言われています。
力技で演算子を増やし、無駄が出ても突き進もう路線のPentium4から現在のCore CPUは路線の大きな変化でしょう。
 
もちろんCPUの世界はコストだけで語られる物ではありません。
広告をしたり「Intel 入ってる?」とか、ブランド戦略を立てたりして成り立っているので ブランド品の鞄と同じで製造コストの上に価格が成り立つわけではないのでやはりIntelは巨人なのでしょう。

実際問題、2Gを越えた辺りから趣味としてはともかく差を感じなくなってきませんか?3GのPCを操作してても遅くなるときは遅くなるし、2Gであっても普通には遅く感じたりはしないのです。
それなら、「ダイサイズを小さくして省電力を計った方が得なのでは?」なんて問いかけは何度もあって トランスメタ等が出てきていますが どれも成功したとは言い切れていません。
それも、ムーアの法則が未だ現役で、2年後にはもっと凄くなるといい続けている以上 先のことを考えてしまうと「今低いのを買うと・・・」なんて考えてしまうのが筋です。
マイクロソフトもあたらしいwindows を今年は発表しそうです。
3Dのグラフィック機能が必要なOSだということなのですが、中で動くプログラムならともかくOSには要らないでしょ・・・・なんて思ってしまうのは新しいものについていけない年寄りのたわごとなのかもしれません。
 
PSE法で、5年前のPCを切り捨て、新しいWindowsで チップセット内臓のグラフィック機能を持った 少しだけ そう1〜2年前のPCを切り捨てて進んでゆくPC業界。
それでも、PCの電源を入れたら「エナジースター」という省電力への取り組みマークが出るのですから 果たしてなにが地球の為になるか考えさせられてしまいますよね。
毎年、なにがしらか買い換えているジャンキーがえらそうに言うようなことではないのですが・・・