平均仕事率と最大仕事率。

PCの世界は他の世界と最も違うところは、言葉が最大仕事率のみによって語られることだと思います。
例えばスーパーのレジの数。勿論、レジ自身はともかくそこに人のいる人数に関しては可変的に変化します。
いくら忙しい時に行っても何故か大きなスーパーでは全てのレジのランプが付いていることのないのが普通ですがそういうものです。
給料日のお昼のキャッシュディスペンサー等もそう。
お客様が満足する台数と、最も安く上がる台数。その二つのバランスを考え最も効率よく配置するというのがバランス感覚です。
当然営利目的の企業の場合コストはかけられないので、満足感を大きく損なうことがあっても少なめに推移するのが普通です。
平均仕事率も、たら ればの世界での予想なので一概に正しいとまでは言い難いのですがそういったものを計算できるべき実績を持っているのがチェーン展開している業者だったりします。
もちろん、職種が限定されるという前提ですが・・・・
 
PCの世界は、現在もっとも遅いメーカー製のデスクトップは2.6G程度のパフォーマンスを持つCPUが搭載されています。
このCPUを搭載したPCの場合、メーラーを立ち上げ、メッセンジャーを上げて、定期的にRSSリーダーを動かしても PCに触れていない状態では2%程度しか動いていません。
実際にPCを利用していて遅いと感じさせられるときでも、その原因の多くはHDD等の書き込みによる物で、一つはPCのメモリーが少なくアプリケーションの実行時に不足したメモリーをHDDで補ういわゆるSWAPの発生すること。
そしてもう一つは、HDDからデータを読み出して動作するための遅れによる物。
OUTLOOKを初めとするメーラー等ではこの傾向が強く知らない間に蓄積したメールにより立ち上がりも終了も驚くほど遅くなる事。
他にもUSBやシリアルに搭載されたインターフェースの応答待ちや、ネットワークのサービス待ちなどにおいてはCPUのパフォーマンスメーターが100%になるものの実際には何もしていないでただただ遅くなるという状態が発生します。
CPUが複数搭載されていたり、ハイパースレッドのような仮想技術の効果が発揮される舞台です。
ともあれ、平均仕事率という観点からは信じられないような状況でしょう。
 
「いや、スーパーのレジと同じでカウンターだけをおいて人は仕事に応じて切り替えている。ハードは安いから投入するのにかかるコストが低いし施設が無駄にならない」
なんて、でも それは日曜等に一杯に成るスーパーの話。
少し寂れた駅前スーパー等では、レジの半分はもう何年も使われていないかのような返品置き場のようになっています。
処分するような商品が、全ての人が通行しやすく見やすく設置されたレジにおいてあるということがどれだけマイナスイメージになるかが判らない時点で その店の行く末が見えるようです。
でも、PCは確かに安いのです。というより デスクトップで2.6G以下の機器を探すほうが難しくなっているのです。
勿論、クロックだけで評価できるものではないのですが、ノートPCにおいては1.2Gぐらいの物が平気であります。
同じクロックだとしても、Centrinoテクノロジー等では処理効率が上がり「1.7GのCentrinoは2.4GのCerelonより処理能力が高い!」というのもピークの総合性能。
実際には省電力のモードがバッテリー駆動では働き、1.2G程度のPCならば 700M程度の速度で省電力モードでは動作していることが殆どで、実際にはそれでもなんら困らないわけですから やはり平均仕事率の観点からは無駄なパワーと言わざるえないでしょう。
無駄なパワーを求めるというのはやはり人だからなのでしょうか?
 
「とりびあの泉」というTV番組がありますが、人は無駄な知識を集めて喜ぶ唯一の動物だといったようなことが番組冒頭で話されていますが最もな話で、度の動物も体の機能は大よそ殆ど全部無駄なく利用しています。
何故なら無駄が多ければ多いほど天敵によって淘汰される可能性が多いからなのです。
例えば鳥が人並みに頭がよければ、人並みのサイズの脳を持つ必要が発生し飛べなくなってしまいます。
つまり脳みそは適量入っているということなのです。
唯一、「人」という哺乳類を除いて。
人の脳は、説にもよりますが3%程度しか駆動していないそうです。
PCでいうところのマウスに触らずにおいてある程度の駆動しかないようです。
では残りの97%は何をしているのかと言うと眠っているような状態のようです。
無駄なエネルギーを消費しないように最低限生命の維持以外には何もしていないといわれます。
その、3%がPCと同じ棚と思ってここまで来たのですが・・・・
 
PCは動画の変種や変換のような限られた特定用途の作業で100%のパワーを必要とする事が発生します。
では、人はどうでしょう?
Pentium4というCPUは大食いで、200W近い電気をCPUのためだけに消費していました。
ピークパワーの状態であればそれだけの電気の多くをただの無駄な熱に変えながら、それでも高速で演算をこなしてゆきます。
それ故に登場したときには、多くのPCケースが障害を起こします。
あまりにも大きな消費電力を想定していなかったために、電源がパンクしてしまうのです。
使う電気を供給できない状態になりました。
今までは130W程度の電源でも拡張性に乏しいコンパクトタイプのPCでは十分に動作可能でしたが、消費電力の大きいPentium4では450Wを超える電源が専用に発売されていたりもしました。
電源コネクターも4ピンのものが増設され、その後8ピンのものも増設されてゆきました。電源が不足するという状況の下で。
通常3%程度しか動いていない人の脳がもし100%動作したら、同様の事態が発生します。
あっという間にハンガーノックを起こしてしまいます。つまりガス欠です。
脳の消費する酸素とエネルギーを供給できなくなります。
それも血液を送り出す量の不足が先ず第一点として問題になります。
2心房2心室という構造の心臓を持つ哺乳類は、生物の中で最も出力の高いポンプを持った形態です。
そのポンプを持ってしても3%程度の脳の活動しか支えられないのです。
一説によると100%動くためには 4心房4心室程度のポンプが最低限必要なようです。
もっとも、燃料や酸素を供給する側もそれに答えるだけの増設が必要なのですが・・・
つまり、Pentium4 3.6Gに130Wの電源程度のバランスの悪い構造になっているのが人であるわけです。もっと言えば、乾電池で動くノートPC程度でしょうか?
 
PDAの世界では、大よそ300MhzのCPUが採用されるパターンが多いようです。
一時的には624MhzといわれるPDAとは思えないCPUパワーを持ったものも登場しましたがオーバースペックだったようです。
それでも、少しでも早いPDAが欲しいといってみたり、クロックを上げてリスクを犯してでも高速化したりする人もいます。
やはり、無駄と思ってもやってみたくなるのは バランスの悪い構造を生まれながらにして背負ってしまった人だから本能的に発生する欲求なのでしょうか????
だから、新しいPDAが欲しくなってもしょうがないですよね・・・・(結論がおかしいって?)