WindowsMobilesがPalm SizePCと呼ばれた頃・・・

CPUは 3種類よく登場しました。
今でもアプリケーションをダウンロードすると、3種のCPU向けのプログラムが入っていたりすることもありますので見ることはあるでしょう。
一つは、MIPSと呼ばれるRISCプロセッサーで、どちらかというとCEと呼ばれるOS用で出てきました。
そして、SH3
これは何度か登場させていますがSH−MobileのベースとなったCPUです。
SH−MobileはDOCOMOの殆ど全部のFOMAに搭載されているものです。
 
そして、ARMと呼ばれるプロセッサー
いつものことですが詳しくないことを、適当にしゃべるので詳しい人は間違いを指摘いただきたいのですが・・
聞いたことが無いという人が多いとは思いますが、Xsclae等に代表される多くのPDAに搭載されているCPUがこの仲間です。
勿論、現在SumsungだったりTIのPDA用のCPUもこの仲間になります。
ARMというのはCPUのコアアーキテクチャーで、Xscaleというのは それに多くの拡張部分が付いたものです。
XscaleのCPUでも、私が日記を始めたきっかけになったのは三年前のSigmarion3なのですがこの時点でPXA250と言われるものが採用されていて、現在のPXA270もコアの部分は変わらずにバスやメモリーアクセスなど周辺部分で改善されたもので大きく違わない物でしょう(Intelさんに怒られそう 早くはなってますし電池も食わなくなってますから)
で、PXA250が登場する前から ARMはありますので3年以上前から存在するわけです。
Pentium4も登場以降、コアの中身が変わったり 配線技術が変わったりと毎年 消費電力・・・いや性能を上げていっています。しかし、ARMプロセッサーのARM9コアはARM7から続く10年近くその地位を保ったままのプロセッサーなのです。
勿論、5パイプラインの32bit RISCCPUの基本設計が優秀(だと思われます)で、現在も多くのシェアを握っています。
 
本来、多くの組み込み用として FAXやDVDレコーダー、セットトップボックスからカラオケのリモコンまで多くの機器の中に住んでいます。
勿論、メインストリームがそうですから 要求レベルもそういったところから上がってくるところがメインとなります。
IntelのXscaleは、当時としては少し外れたDSPなどの実装から始まるハイエンドなARMプロセッサーであるところがPDA用のCPUとしての地位を作り上げてゆくわけです。
勿論、組み込み用としてもHDDのネットワークコントローラーなどにも入っており PCIインターフェースを持っていることも多くのPC用の機器としての用途に向いています。
 
ではPDAをPCと同様に考えた場合、モデルチェンジが煩雑に起きたとすれば当然新しい機能のオンパレードとなり必要の無い機能も含めて商品の付加価値を上げていったのでしょうが、夏モデル 冬モデルどころか2年に1回だったりの商品サイクルのために OSのアップデートでそれに合わせたPDAが発売されるというレベルです。
WM2002、WM2003、WM2003SE、WM5と4つの世代をXscaleは生き残ってきたわけです。
PCのレベルで考えると、WindowsXP、Windows2000、Windows ME、Windows 98SEと遡ると Pentium MMXまで遡れてしまいます。
Pentium MMX、Pentium2、Pentium3、Pentium4とすればPentium2と3は同じアーキテクチャーといえないことはありませんが それぞれが違う世代のものです。
PXA263が現役でいる辺りもPDA界は特殊なのでしょう。
勿論、機器として売れていないと言うことの証明なんでしょうが・・・・
 
昨今、スマートフォンと呼ばれるPDAから派生したグループが ハイエンドな電話と通信機器の付いたPDAの狭間を埋めています。
その市場が小さくないと見たのか、TIがOMPプロセッサーを、SumsungがSCプロセッサーを登場販売しています。少し離れますが SH-Mobilesも同じレベルにまで来ているプロセッサーです(ハイエンドな電話用)
で、Intelは非採算部門として売却したのがXscaleです。
で、私も期待しているOMPプロセッサーなのですが、今のところARM9コアの延長線上にあります。
マルチメディア命令を処理し、短い命令を内部で長く変換することで 下位互換性を図る技術、8本のパイプラインを備えた ARM11というコアは採用されていません。
(ちなみにARM10はARM9との差はコプロセッサーの搭載がもっとも大きな変更点と聞いています)
コアレベルが上がらないまま、バス速度、バス幅、重い処理の付加ハードウエアーと進歩してきた 現在のPDAのプロセッサーの歴史ですが 実はもういいんではないかという感じが市場を支配しています。
それが証拠に、現在最大624MhzのPXA270を搭載する現行機種は少なく、殆どが300Mhzから400Mhzの機器ばかり。
確かに、高クロックはバッテリーの消費と比例し 電話機能を付加すればよりいっそう増える消費電力。バッテリーの進歩をはるかに上回る小型化への要求と 高速なCPUを使えない事情が増えてきています。
市場は高クロックより省電力に向かっており、性能は犠牲になるべきファクターの一つなのです。
 
今こそ、同じくロックで高性能を発揮できる新コアの登場を・・・・
実はARM11コアは2003年発表、2004年には商品化し工場出荷されています。
大きくなったコアは単純にコストを持ち上げ、低下した歩留まりもコストを持ち上げます。
古いPC用プロセッサーラインの引退前の償却用の仕事として生産されていたARM9コアプロセッサーと違い新しい生産ラインを要求する組み込みプロセッサーは少なくともIntelでは計画されなかったのでしょう。
勿論、専業であるルネサスとかは違うのでしょうが 最大のPDA用プロセッサー生産会社はすくなくともそうだったのです(思い込みです、何の根拠もありません)
 
では、これからは?
ARM11のプロセッサーライセンスは既に数社が入手していると聞いています。
その中にはTIが含まれていることも。
先日の展示会でも書いていた通りに、私はTIにPDAの未来のプロセッサーを期待しています。
勿論、OS側が対応すればSH系の復古もあるでしょう。200Mhzであれほどの処理をするプロセッサーなのです。小型でパッケージングも考えられた面白いものが出てくるでしょう。
ただ、今更ですがPhone EditionならともかくPDA用のOSまで書き直しての採用は無いと思っています。(Symbianなら判らないと思ってるんですけどね ひそかに)
それを除けばやはり、消費電力が低く高性能なPDAようプロセッサーの登場はTIが最も近い会社だと思っているのですが・・・・
どうなんでしょうね? 業界通の方教えていただけませんでしょうかね??