バッテリーはかくかたりぬ

ソニーがノートパソコン用のバッテリーの交換をきめました。
恐らく経営そのものを揺るがすほどの大きな影響がでるでしょう。
DELLのPC等は、対策が立つまでと言うことでしょうが持ち込みを禁止する飛行機会社まで出てくる始末。
では、DELLのユーザーはどうでしょう?
仕事で必要なPCが飛行機に持ち込めないとなれば 多くの企業がその購入の選択肢からはずすことは間違いないでしょう。
もし、実際に検証できる証拠が出てくればSONYは訴訟の対象となることは間違いないでしょう。
結果はともかく PL法の観点では発生した問題の原因解明をユーザーに求めていない以上 本来のバッテリーが原因でない問題が発生したとしても責任を問う裁判が起れば社会的にも都合が悪いと考えての判断でしょう。
今後、SONY以外のメーカーでも同等の問題が発生することが十分予想されます。ここの判断を間違えると大変なことになることは想像に難しくないことでしょう。

では、メーカー側の対応がひとしきり済んでしまって 問題にならなくなったとしても 問題は解決しないのです。
生産の現場に立った場合必ず不良が発生します。
それを無くすためには商品生産後の検査を厳重に行うか、商品の生産の品質を上げるかなのですが、ばらつきというのは必ず存在します。
で、前者の最も簡単な対応は、やはり時間をかけること。
5分の検査を10分にすればそれだけ多くの検査をすることができることでしょう。
つまり生産効率が下がりコストに跳ね返るわけです。
後者の場合問題が発生したからとしても 突然生産技術が向上する訳ではないので 最も簡単な方法として、製品の安全の為のマージンを大きくする事でしょう。
5時間使えるバッテリーを 80%ぐらいまでしか充電せずに4時間で使えば発生する熱などはちいさくなります。
瞬間的に15Wの消費電力なら、20Wの出力のバッテリーを使えば発生する熱は一気に少なくなります。
前者はコストの増大を生みだし、後者はせっかく小さくなった携帯機器を大きくし、そして一サイズ大きなバッテリーを使うことは勿論コストにも跳ね返ってきます。
バッテリーのことを考え、ピークを分散させて使うCPUや周辺回路が出てくるのか?
最も簡単な例をあげると、起動時にCPUの立ち上がり、チップセットの立ち上がり、HDD他のドライブの起動 全てを同時に行わない つまりそれだけ起動に時間を必要とするわけです。
勿論、今の例はすでに実行されていることでそれはプラスにもマイナスにもなりませんが結果的に僅かでも遅くなってしまうのです。
CPUも、私がトランスメタのCPUをバッテリーで使ってこれを書いている時には僅か300Mhzなので多くの用途はこれで足りると割りきればそういう方向性もありますが、動画もモバイルで録画したいとか過度な要求で子供がぐれた状態の節もあるいま、あれもできないこれもできないが商品価値的に無い話です。

では、大きなバッテリー高いコストをユーザーが受け入れるのか?
安全のためにお金を払いましょうときっとなると思います。
リチウムイオンバッテリーの処分のために、一つ買うと500円とか処分費用が先に取られるような事が起きるでしょう。
ただ、いまのリサイクルコストも取られていますが実際に処分をそちらに頼む一は少なく 家電店のポイントのように数割りしか使われず100%回収で予算を取っているので そこで余りで潤う人もいるわけです。
日本の使用済家電は海外には良い商品なのですから。リサイクルコストは果たして海外に流れた商品の面倒を見てるのでしょうか?
まあ、話はそれましたが同じようにコストの吸収を強要されるでしょう。
もしくはリチウムイオンバッテリーその物の存在を認めない国が出てきて使えなくなるかも知れません。
また ニッケル水素電池の登場です・・・・

特にサードパーティの安価な電池。
ちゃんと納得して使っている人は良いでしょう。
少なくとも品質がいかに良くても生産メーカー程の実機テストは行えないのです。
私は納得尽くで使っています。
ただ、量販店の店頭にまで詳しい説明もつけずに並んでいるのはどうかと。
こんなバッテリーで発生した事故でも今ならトップニュースの可能性がありますから。

現在互換バッテリーを販売しているメーカーの多くが、大手メーカーにバッテリーを納品している会社で、いわゆる中身は同じと言うことも少なくない高品質なものが多いのであまり問題は起きていません。
ただ、展示会などで中国に竹の子のごとく発生しているメーカーを見ていると本当に今後も大丈夫?と心配しているのは私だけでしょうか?