サーキットでの速さと、一般道での速さ

一般道で速度の競争をすることは法律で禁じられているので仮定の話なのですが(笑)
サーキットのような設定はできません。
道には一般の車も走っていて、ちょっとした瞬間に道をふさがれます。
気がついたら同じぐらいの速度で並走する車があったりして 結果的に大きなシケインとなってしまいます。
1台分しか隙間が無い所を奪い合うわけですから かなりタイトになるのですがそれ以上に相手がどう動くか分からないという問題が大きく降りかかってきます。
競争をしている者同士は 当然少しでも前に出てゆこうとするわけなので投ぜぬご気も読みやすいのですが ただ、後ろも見ずに走っている人の考えていることなど分かろうはずもありません。
速度にして100Kを超える速度差で迫ってくる車に驚いて逃げたりされるとかなり厄介です。
「一つ上のギアを使って走る」などと言われるのも そうして突然の事態に追い込まれたときに 動きの幅を作るために有効な手段です。
 
500馬力の車と200馬力の車では、曲がり道のない道では勝負は多くの場合明らかですが
これが公道になると一概にそうとは言えない。
馬力があっても、重量配分やタイヤ、重量、サイズ等諸条件が組み合わせられます。
狭くて トリッキーなコースで 一般車も混じっていると 小型で軽量な車両が有利に働きます。
最高速が低ければ、トップスピードに効果のある最高馬力が高くても使えないこともあるからです。
 
PCの性能おいて、今までは最高馬力の高いものが当然速かったのですが モバイル用途に向けて作られたものに関しては最高馬力だけで測れなくなっているのが最近の傾向。
例えば2GのCPUだとして、バッテリーで省電力モードで動いているときには1Gだったり700Mだったりのクロックで動作します。
そして、負荷がかかりCPUの処理がパワーメーターの80%を超える時間が一定量を超えた時に段階的に速度が上がります。
そして、最高速の2Gに至るような仕様の場合と仮定します。
対して、何の細工もなく1Gでしか動作しないCPUとの速度競争をしたときにはどうでしょう?
700Mで動作しているといて、普段の作業のレスポンスは当然クロック並みに動く1Gの方が高速になり体感的には逆転するかもしれません。
本当に2GのCPUの方が速いのでしょうか?という感覚を持つかもしれません。
 
1G〜1.5G辺りのクロックにこれからモバイル用途のCPUが集中すると思われるのは、トランジスタの性質と種類のせいです。
Intelが次期モバイルCPUとして想定しているものが発表になっていますが、そこに使われているトランジスタの性質は低速で動作するといわれている種類のもの。
どこまでを高速でどこまでを低速と言うかは難しいところなのですが、1Gを超えてスイッチできるトランジスタは一般的には高速型ですがCPUの世界では低速型となります。
低速故のメリットとしては、消費電力が少ないという利点があります。
特に最近問題になっている、リーク電流というCPUを駆動するのに使っているのではなく 流れた電気の副産物として発生する漏れ電流の問題を大きく低減することができます。
モバイル用のCPUで1Gを実現するのと、高速なCPUで700Mを実現するのであれば 前者の方が消費電力が少ないという状況も起きえるのです。
例えばモバイル Pentium4搭載のノートPCを低速固定で使ったとしても PentiumMの最高速に駆動時間でかなわない理屈です。
上記のクロックの比較でいえば、速度でも・・・となりえる訳です。
もちろん、CPUだけではなくチップセットや液晶など処々の条件があってのことなのですが。
 
最近のCPUのトレンドでは1Gのクロックで超低消費電力のものがあります。
ただ、実際のところは1.5Gぐらいを最高速とした性能が欲しいというのがメーカーの言い分。
IntelのA110でも800Mというクロックでは やはり遅いPCとしての評価となってしまいます。
Everun等がメジャーにならないのもそういう事情があるから。
実際のところ消費電力だけでいえば、恐らくC7Mでも1Gが最も消費電力が低いもので Intel A110と比べても速度的にも負けてないものとなるでしょう。
ところがこの採用がほとんどないのが実情です。
ところが、普段のワードやExcel程度の操作であれば全然不自由しないと感じることでしょう。
WEBを見ても、メールを受信してもです。
ところが動画の再生で引っかかったり、3Dに動く小さなオブジェクトでもいらいらすることは感じるかもしれません。
ですがこの辺りはビデオチップの支援機能でも実現できることなのです。
 
マーケティングの関係と、遅いという評判を避けるために現在の停滞状態なのでしょうが、技術は階段を何段飛ばしもの速度で上がることはありません。
突然素晴らしく進んだりはしないのです。
最高速が低くても良いということに気が付き、そして低速域での乗り心地を良くして 高速域もそれなりの車を作るようになったということで 最高速だけでいえば速くなったわけではありません。
単発エンジンのゼロ戦から、4発エンジンの爆撃機に主流が変化し、戦闘機に爆撃性能よりもピンポイントの攻撃性能を求めだしたようなものです。
向いている方向が変わったことを、技術的大革新とするのでしょうか?
あくまでもマーケティングの問題ですが・・・
 
とにかく小型のPCの市場に目が向いてきたことは間違いなくこれからおおくのコンセプト的な商品が出てくるでしょう。
SmartPhoneが定着するのか、それに類したUMPCが出てくるのかは面白い所ですが
この派生が、新しい出力や入力デバイスが出てくることが楽しみで・・・・
まあ、なんとなくわくわくする訳です。