NECのLui

NECのPCでLuiと呼ばれるシリーズがあります。
これは珍しくも無い家庭用PCの中では少し異質な存在です。
自宅のPCを、自宅外から使うためのハードウエアーが内包されています。
一つはこれはNEC側のインターネット上にあるサーバーも連携した形でだとおもいますが、セキュアで安全な接続。
インターネット上に動的に振り当てられたネットワークアドレスを、Luiのクライアント側の入力する名称と突合せし 共有鍵を交換させる仕組みだと思われます。
そして、サーバーとなるべきPCには専用のカードが挿入されており、このカードがインターネット側のクライアントにデータを圧縮して送ったりする仕組みです。
専用のハードを挿入しているので、帯域の太さに応じて転送するデータの量を自動的に調整し
帯域が太ければ、精細で高速なデータの転送。
細ければ 荒くデータ量の少ない低速な転送に切り替える仕組みです。
1Mぐらいの帯域が確保できていると ぎりぎりサーバーとなる自宅のPCで再生している動画が見ることの出来るレベルまで至ります。
同様の事を、Windows標準のRDP(リモートデスクトップ)でやってみると同一のLAN上に接続されていても 動画は紙芝居に近いものとなってしまいます。
 
以前、ハードウエアーでの動画再生がCPUに大きな負担がかかることを懸念し、オーバーレイという手法が良く使われました。
PCの画面に、動画を表示する為に動画を表示すべき場所をハード的に設定し ビデオカード上では別の画面として再生し出力前に合成して表示する手法です。
この場合は、動画の再生によって書き換えられる画面は動画画面だけに限定される為に 高解像度になった画面全ての書き換えが行われない為に負担を掛けずに再生することが出来るようになったわけです。
再生中に再生している窓を 動かしても動かしている最中でもその部分で再生されていたわけです。
ところが、OSがVISTAになったときにその機能は過去の遺物として追いやられてしまいました。
Aeroという画面操作が動的に画面を変形させる為に 四角い箱のように画面を切り取って重ね合わせする仕組みであるオーバーレイはこの仕組みにあわせるには自由度が低すぎるわけです。
そして、重ね合わせもWindowsディスクトップで何層にも重ね合わせているので それにハードで一部だけと言う整合性の悪さからも開放されます。
また、オーバーレイ側の表示方法に関しては ハード側で制御される為にメーカー毎の統一性が無くその画面に表示されている情報をOSで管理で規定内と言う点に関しても面白くない部分ではあったでしょう。
もちろん、それをソフトで実行しえるハードウエアーの性能があってのことです。
 
動画をリモートPCに表示させる技術としては ストリーミングという手法が当たり前になりGyaoなどでもテレビとみまどうばかりの画質の動画を再生してくれます。
そして、リモートで画面を転送して操作する技術は RDPなどとして存在します。
過去に少しだけ舞い戻り、RDPにオーバーレイのプラグインで動画のストリーミング画面をはめ込むようなリモートコンソールソフトがあれば 実際には1Mぐらい(かろうじてHSDPAで可能かも!?)の帯域で動画も含めた ほぼサーバーで実行しているのと同じような環境が手に入るのではないでしょうか?
Luiはその回答として、専用のハードとNECという会社力の支えるサーバーを用意して対応しているわけです。
そして、クライアントはノートPCのサブノート程度のサイズながら10.6インチの画面を持ったものでも649gという軽量ですんでいます。
それでもバッテリー駆動時間はカタログ表記で4.6時間と非常に魅力的なスペックに仕上がっています。
まあ、価格は定価ベースで10万円超ぐらいと魅力的に写らない価格なのですが・・・・
それでも、他のNECの機種用に現在このLuiシステムのカードだけ売っていたりするのがちょっと微妙なところ。
恐らく他社のPCに入れると動きませんと公式にはなるのですが
PC1.5台分ぐらいのコストをかけて、このテストだけをしてみたいと言うのはちょっと無茶な発想。
動画までも再生できるとなったらそれは楽しいことでしょう。
まるでVAIO UXのような小型な端末だともう少し安くなると・・・
 
PCメーカーが公式にこういったものを出し始めました。
何処まで対応しているかわかりませんが、恐らく一部の通信カードは利用できることでしょう。
もしくは、まもなく発売になるPHS-300のような機器で無線アクセスポイントを使えば無線を通じてリモート接続が可能になるでしょう。
1Mの帯域があれば自宅のテレビも見ることが出来るわけです。
その場合、例えばAUのデータカードを利用していれば帯域制限の対象になるのでしょうねやっぱり。
E-Mobileも帯域制限をほのめかせてますし、大よそ他のキャリアもそうでしょう。
私のように、モバHOの端末を買っても上ったはしごを下ろすように電波の停止でただの無駄づかいとなってしまいました。
念の為にクレームの一つも行ってみましたが 心苦しい限りと言うとおり一辺倒な まるで気の毒にと言われたような対応です。
こういったソリューションも、いずれ帯域制限の憂き目に会えば使えないものになるかもしれないというわけですね・・・・