NOKIA E71の日本語化

NOKIA E71はもともとDOCOMOSoftbankから日本語版としての発売が決まっていたのですが、突然のNOKIA日本市場撤退の影響を受け幻の端末となりました。
しかし、日本市場以外では発売されているので 海外からの入手は可能です。
端末として素晴らしいと思った人は海外から購入する事が出来るのですが 電波法など法的問題がありますので
ここでは架空の話として聞いていてください。
 
端末がやってきて電源を入れると おおよその場合待ち受け画面が表示されます。
この段階で購入した国のモードになっています。
英語版であれば英語表示
アラビア語版であればアラビア表示とのことなのですが 私の持っている端末はどうもフィリピン版なのではと思われます。
実はよくわからないのですが・・・
私の手元にやってきた時点で英語表示だったのでそのままなのですが、
異なる場合は、
「menu」→「Tools」→「Setting」→「General」→「Personalisation」→「Language」
で、明示的に英語を選択して英語にすることで英語表示に切り替えることができます。
ただ、もし SIMカードが挿入されており 電波をつかめる状況にあった場合
デフォルトの設定は「Auotmatic」なので 端末が持っていないロケール(国情報)を受信した場合 自動的に英語に切り替わっているはずです。
一応、これで準備は完了です。
 
あとは、管理工学さんのS60+Jをダウンロードしてきて マイクロSDカード経由でインストールする。PCと接続してインストールする等で日本語化が終了します。
http://plusj.kthree.co.jp/
基本的にS603rd(これはOSのリビジョン 分からない場合は機種対応表を見てください)の端末であれば大丈夫なのですが 各国の仕様に合わせるときに キーボードの場所や場合によっては数まで異なる場合もあるので日本語表示はできるものの入力に使う大事なキーがない等と言うことが発生する可能性があります。
インストールの手法及び対応に関しては 上記HPの説明を見てください。
他にも「Psiloc Japanese Localizer」
http://shop.psiloc.com/en/Application,262309,Psiloc+Japanese+Reader
を利用するという手段もありますし
マーさんのところの M-FEP60 を利用する方法もあります
http://digilife.bz/wiki/
今回は、時間と実は支払いをするだけの財力がなかなか追いつかず(妄想のはずなのにおかしい・・・)支払いを待ってもらったので 取りあえずいつでも手間のかからない+j(試用版)を利用しました。
 
日本語化なのですが、いくつかのステップがあります。
日本語化も日本語表示プラグインなどと言われているように 完全に日本仕様に帰化されるわけではありません。
故に、その段階を少しだけ
 
○まず、日本語が表示される事
これは、日本語のフォントが入っているかどうかがポイントとなります。
中国仕様の端末を購入すれば 多くの場合日本語のフォントも一緒に(同じ漢字などを共有しているので 表示が微妙な感じがすることがあります)入っていたりするので日本語の表示が可能です。
アドレス帳などに外部から入力した日本語の表示がされます。
これで気を良くすると困ることがあります。
一番わかりやすいのが、WEBの閲覧などをこの状態で行うと 文字化けの塊となってしまいます。
つまり フォントの入れ替えだけでは表示すら完全でないということです。
 
○とりあえず もっと日本語が表示される事
では WEBブラウザーなどで日本語が表示されない理由は何でしょう?
これは エンコードの問題であることが原因でしょう。
たとえば日本語の表示だけでも 3種類のエンコードがあります。
最初に登場した JIS(漢字)方式ですが
日本で作った独自の漢字の記号化で、最初に漢字であるというのを識別するコードを埋め込み その後の文字を16ビット単位でコードとして漢字と置き換えてゆく方式です。
この方式は日本語しかないワープロなどでよくつかわれ事実上の日本スタンダード(JISっていうぐらいだから当たり前か・・・)となりました。
で、この方式が一つ。
二つ目は、この方式を使うと 英語(半角)と日本語の混在表示になった時に ここから先が漢字でここまでが英数で・・・ということが煩雑に起きるとめんどくさくなった人が考えたようで(嘘です、ちゃんと真剣に考えて制定されています)
すべての文字表示を 一つのコードマップ上に展開し、半角も漢字もすべて4けたの16進の数字だけで 表示できるように考えられたものです。
切り替え等の煩雑さがないことから それ以降のスタンダードとなってゆく
Shift Jis(漢字)方式と言われるエンコードです。
そして、これは最近の出なのですが 三つ目となる方式で
たとえばShift Jisで画面表示中に 違う言語の行が混ざりこんだとき
たとえば日本語 英語 ハングル混在の文章となった時にこのやり方では困ってしまいます。
で、世界中の言語を一つのコードマップにまとめようとした EUCという表示のもの。
この三つの日本語表示が混在するのがWEBの世界です。
もちろん、世界中となると数えきれないぐらいのエンコードが存在し、IEでPCで見ておられるならエンコードを見ていただくと驚くほど多くの言語のものが標準で入っていますしPCでは勝手にダウンロードされて追加されているものもあります。
この切り替えを HPの書式から判断して文字コードに置き換えるという作業が必要となります。
このために追加のエンコードを動作させる必要があります。
 
○日本語入力
多くの場合(アプリケーションによっては 内部にエンコードを持っていて半角表示以外受け付けないもの等もあるから)日本語の表示はこれで可能となりました。
しかし、見るだけでは困るので 日本語の入力もしなければいけない。
もちろん、その際にはキーボードの使い方など色々な決めごとも含んで行う必要があります。
辞書も備えなければいけませんし、文節区切りなどの判断等も・・・
ちなみにS60+Jには「松茸」という名前の日本語入力ルーチンが添付されていてこれで日本語入力を行うことができます。
また、機種による異なるキーボードを テンキー、フルキーのように切り替えて使えるようになっています。
 
ここまでで S60+Jほか 日本語化と表記されている部分です。
しかし、本当の日本語化となるともっと先が長い部分です。

ロケールの変更
一番わかりやすいのは、アラビア語と英語等で 右から書くか左から書くかの基本的な方向が違います。
システムとして何語を使うのだということの設定の変更です。
通貨や単位の表示もこれによって変わることもあります。
システムというかすべてのアプリケーションで使われる情報です。
これは、まあなくても何とかなります。
 
○メニュー、ヘルプの日本語化
この辺りは未だ誰もやっていないと思いますがメニューの文字や 入力や画面のアシスタントとなるメッセージ等の日本語化です。
これは非常にめんどくさく難しい割に得ることが少ないのであまり手を付けられない部分です。
なぜなら、メニュー等はアプリケーションの数だけ存在するので アプリケーションの数だけ必要となります。
逆に言うと日本語対応のアプリケーションなどでは(たとえばGoogleMAP等)表示はちゃんと日本語になっています。
ただ、電話機に付属の たとえばメモ帳のようなソフトは入れ替えようがないので 英語表示のままとなります。
もちろん、そのソフトを日本語対応のソフトに置き換えてゆけば限りなく日本語版に近くなるのですがどんどん本来の機種と離れてゆきますし、それでもシステムの設定部分に関しては日本語の置き換えソフトなんて無いので 純度的にはそう上がるものではありません。
日本語化が可能で簡単にできるようになっても、海外のデバイスを使える人が少ないのはこういった問題も少なくないかと思います。
日本語化された言葉と、英語の言葉でまったく意味をなさない翻訳をされてそれが標準となってしまっている言葉もありますので・・・
(逆に、日本語のデバイスの意味が分からなかったりもする)
 
○アプリケーションの日本語対応
ここまで来るともうデバイス作ろうかという勢いですが 本来の日本語化にはこの辺りも必要となります。
たとえばアドレス帳を例に出すとわかりやすいと思います。
日本のアドレス帳には必ずある「ふりがな」という概念。
漢字があって、それに複数の読み方があって、またその読み方に応じてアドレス帳を並べ替えるとなれば
「ふりがな」を入力するための場所が必要となります。
ですが、海外たとえば英語の名前だったとした場合 変化で読み方が変わる場合もあると突っ込まれそうですが たとえそうであったとしても読み仮名も同じスペルなので意味がない。
つまり、そういう欄そのものがありません。
なのでその部分を追加するとなると また、並び替えをするとなると完全な作り変えです。
逆もそうで、日本の携帯電話のアドレス帳に 欧米人にあるミドルネームを入れようとしても入れようがありません。
もっといえば 部族名等も必要なアラブ人の登録となると笑うしかありません。
 
○画像等の日本語化
これは必要とも思えませんが、起動画面などで注意事項等が画像に埋め込んであるパターン。
まあ、画像ファイルの入れ替えですね。
 
おおよその場合前述の通り 日本語入力までで使えるわけなのですが WindowsMobile機のばあい 日本語で発売されているデバイスも豊富にあることや 開発者用にメニュー等の日本語テキストが配布されていたりするので 対応される方もいらっしゃいます。
ただ、プログラムの署名問題等でやはり 一般の方がCD入れて実行するという風にまではなりません。
海外のデバイスを使う上でバランスの良いのは、日本語入力ぐらいまでで 後は人が慣れるという使い方なのかもしれませんが
PCも各国に対応できる マルチランゲージバージョンが出ているように もしかしたら代わって行くかもしれませんね将来。