シャープ : 『4原色革命、「クアトロン」誕生秘話』その3

クアトロンには新たに面白い表示モードが用意されています。
その一つでデモにあったのが映画クラッシックモード。
 
よく、SFなどで過去の人物が現代にやってきてびっくりするというものがあるのですが 近い過去の人がやってきたときにテレビを見て小さな映画館があるとか驚くシーンがあります。
テレビ世代の人にとっては当たり前なのですが、映画から初めてテレビを見ると 縦の解像度が足らず横向きの線で画像が表示されていることに気が付いて 二度目のびっくりを起こしてくれるわけなのですが 恐らく少し古いテレビだからこそそういう風に見えるわけですが テレビと映画館の絵は大きく違うわけです。
特に古い映画に近い表現を行うものです。
「タブー」と担当者の方がおっしゃっておられましたがまさにその通りの効果を行うものです。
 
まず、リフレッシュレートを下げること。
映画のフィルムとテレビの受像機の最も大きな違いは表示の仕方で 映画はコマ毎に照明を照らしてスクリーンに映すもので、テレビの場合は細い糸のような表示部を上から左から右と上から下に順に書いてゆくような表示の仕方です。
映画の場合は画面全体が瞬間的に全部表示されて 次のコマに行く前に明かりを遮ってを繰り返しているのに対して、テレビの場合は少しづつ書いてゆき実は全体が同時に表示されてはいないわけです(液晶テレビなどの場合は 画像処理やバッファリング 残像等を利用して全体を表示するものもある)。
テレビの特性上、画面が流れて見えることがあり、逆に映画の場合は画面全体が高速で切り替わってはいるもののちらつき感があるわけです。
現在では両者とも技術の進歩と努力で そういった欠点をカバーするべく作られているわけですが 古い映画を昔のまま見たい人たちに向けて 昔ながらの欠点も味となる場合があるわけです。
 
再現されたのは、まずちらつき感。
画面のリフレッシュレートが異なるので、映画の一コマ分を4回画面に描画するという処理をまず行います。
画面の表示に合わせて、点灯したままのバックライトを 画面2表示毎に1回消灯することで映画と同じようなタイミングで画面が点滅します。
単純に単位時間毎の点灯時間が半分になるので 暗くなるだろうといらぬ心配をしたところ 映画の雰囲気を出すためには部屋の電気を消してみるので 通常のリビングで見る普通のテレビと同じ明るさでは明るすぎるのでちょうどいいようである。本当に要らぬ心配だった。
ですが、どう考えても欠点としか思えないちらつきをわざわざ表現するなど 正しい技術者として行ってはいけないと思うのですが、見る側の立場になった少し遊び心のある処理でしょう。

そして二点目の フィルム独特の傷
DVDやブルーレィも元のソースはフィルムです。
リールに巻き取られたフィルムには横向きの曲折によって発生する傷と、走行するときに巻き付いて発生する縦向きの擦り傷 そして、フィルムに静電気で張り付くほこりなどがあるわけです。
それらを昔風の処理を行うために付け加えたりはしないものの 多くのテレビで行われるそういった 傷など表示にマイナスになる部分をごまかす技術を完全に着る機能をもっていて
傷は傷のまま、映画館で見たときには映ったものを再現したのである。
これも 普通で考えればというかテレビカメラで撮影されたものだとしても 見やすくするために入っている機能を切ってしまうという決断をしたわけである。
これも、正しい技術者として・・・・という話であろう。
 
正直、これらの遊びこそがこういった独創的な商品を作る上では重要なことなのでしょう。
ただ、技術的には難しいことをやっているわけでもないので 恐らく他社もすぐによく似た名前の同じような処理を出してくるのではないかと思いますので この効果のほどについてはともかく、こういったものを登場させたという事に面白さを感じるわけです。

もちろん、クアトロンならではの点ももちろんあって 
昨日も書いた高精細処理なのですが 映画はフィルムを使っているので思った以上に高精細なデータであることが多く 高精細処理が効果を表すのである。

画質に関して なのですが 私最近のテレビをまじまじと見る機会がなく「きれいだ」という感想以外にあまりもっていません。
また、これは展示側の意図が見受けられるのですが
「新型クアトロン」の比較にLED液晶でない世代のディスプレイを置かれたことに対して疑問があります。
クアトロンの効果なのか、LEDバックライトなどの効果なのかの違いが区分けできなかったからです。
それでも、自信があると見せていただいているデモムービーに関しては 正直きれいだと思ったわけです。
黒の綺麗にしまった画面のおかげで眩しくなく 明るく見えるディスプレイ。
花も草原もしっかりエッジの効いた 解像度が高いと思わせる表示でした。
暗い画面から明るい画面に切り替わる瞬間に 周りが変わったのではないかというぐらい 大きなインパクトを目に与えてくれます。
それが 周りの明るいセミナー室のようなところでなのですから 一般的な家庭で 一灯で部屋の真ん中から照らすような部屋であれば、それも夜であればその迫力が想像できるような画像です。

テレビの基本はリビングで見るというのが日本では一般的なスタイルだとおもっています。
電気店の店頭でよくあるのですが 少し引っ込んだところに展示して色合いをきれいに見せたりも間違えていると思います。
そんなに家庭のリビングはご飯も食べるし そのまま独諸島などを付けなくても本ぐらい読めるわけです。
勉強するところだったりもします。
その明るさの中でみるテレビだからこそ 明るさを大事にしたのだと思われる画像だと思ったわけです。
 
終わる寸前に、画像を担当している人とお話をすることだ出来たわけなのですが
NHKハイビジョンの番組を見せていただきながら説明いただいたのですが、金箔をお寺だと思われるところの柱に貼ってゆく映像だったのですが
神より薄い金箔を 柱に貼り付けるときに挟まった空気の層が抜けていく姿など 金色の会長の変化がなだらかに移ってゆき 張り付いた瞬間が手に取るようにわかる映像は 自信を持って見せていただいただけのことはあると思ったわけで、きっとこの張り付く部分がお気に入りなのではなんて思ったわけなのですが。
もちろん、世界の・・・ がキャッチフレーズのシャープの液晶テレビですから 恐らく世界中に出てゆくのだろうと。
その中でも アジア圏、特に中国などは 「金」という色への思い入れが強い民族です。
金の表現に関する部分での強みを前面に出した広告が出せれば 十分受け入れられそうな絵作りに思われます。
唯一そのうえで気になるとすれば、いまだ「朱」の色がもう少ししっとり出てくれていれば と 
このあたりは実はディスプレイのせいなのかどうかが分かりません。
カメラも必ずしもこういった色の受光を得意としているわけではないわけですから。
家庭に「窓」を用意することを目指されているわけなのですが、そのうち現実とみまどうような ものとして登場するのではと思わせてもらえるような絵だと思ったわけです。

written by HatenaSync




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