新聞のサイズ

電子書籍等が普及する中 新聞の配信サービスも各社で始まっています。
専用のアプリケーションを用意しているものが多く その使い勝手に考慮されたものです。
先日の憤慨ではないのですが、やはりどっちつかずは良くなくて 紙用なら紙用のレイアウトで、電子書籍向けには電子書籍向けレイアウトが良いわけです。
紙用のレイアウト内に電子書籍用のスペースを取るなど お金を払って買っている人への冒涜ではないかと私は憤慨したわけです。
 
文庫本、新書に関して言うならi-Pad型の端末であればオリジナルのレイアウトに近い表示となるわけです。
写真誌、グラビア誌になると17インチ程度のディスプレイで表示できるわけですが それでも見開きなどになると無理で おまけのページなどになるとぱたぱたと16折りぐらいを開くと大きなポスターとなるわけです。
ところが新聞に関してはそんなことはないわけです。というか日本の新聞に関してはと言い換えたほうが良いのでしょう。
こんなに国土も狭くて 人間も小さいのになんで新聞紙はこんなに大いいのだろうというサイズです。
江戸時代の瓦版は言葉通り 瓦の上に掘り込んだ 今でいう「版画」に近いものです。
なぜ瓦かというと、柔らかくてタイムリーに つまり今起きた出来事をすぐに伝えるという目的には 簡単に彫れる素材である必要があったからです。
実際には多くは違う素材に彫られたようですが 素材の性質は変わらないので壊れやすく原版のほとんどは 内容が時事内容だったこともあって残っていないわけです。
海外から来たからそうだというのにも疑問があって、例えばイギリス→アメリカと来た新聞のサイズは比較的自由で 私がアメリカでいつも読む(というのは広告が見たいだけで 内容は読めないので 決まって日曜版 驚くほど分厚いです)は日本の新聞の約1/4のサイズでした。
 
歴史はどうでもよいのですが、これには良い点もあって ニュースって基本的にジャンル決めはされているが場所決めはされていません。
例えば 野球のAチームが好きであれば トップで「マジック4」とかって数字が踊っていても Aというチームの記事から見たくなります。
全体を見渡すと小見出しに明らかにわかる選手名等が書いてあって そこに目を移して読み始めるわけです。
読書するのと違い、全体を読むことが無く興味をもったところを掻い摘むように読むわけです。
故にあまりにもフリーダムなレイアウト故に、文章の流れがあちこちに動くこともあり 私の子供の頃には 「新聞を読む」という事業での時間があったりしました。
私は申し訳ありませんが最近ふと見ると 驚くほど字が大きく密度が下がっていることに驚きました。
損得勘定で考えると、ページ数は同じだと仮定すると(減ってるんじゃないかと思うけど)文字が大きく隙間が空いたことでぐっと情報量が減っているわけです。
情報量が減っているなら同じ料金はおかしいだろう(笑
なんておかしなことも考えてしまいます。
夕刊なんて 本当に記事が少なくて 1〜2ページが番組ガイドと広告で8ページぐらいとするとずいぶん軽いじゃないかと思うわけです。子供のころはもっと 読む勉強が嫌だったからか いやになるほど長かったような気がします。
文字のサイズが変わっても、天声人語は一番下の枠の大きさが変わってないような・・・・
宿題で映して来いってよくやらされました。
 
じゃあ、特徴である見出し検索ですが 現在はWEBであるようなタイトル表示でタイトルをタップするとジャンプする形式で 記事に行けるので利便性はあまり落ちていないように思うのですが 多くの新聞配信は紙のレイアウトそのものを出して それをそのまま拡大縮小しながら読むような形になっています。
最初の話ではないのですが、新聞をそのままの形で読むようなディスプレイを用意するとなると大画面テレビサイズが必要です。
もちろん持ち歩く事は出来ませんし 満員の通勤電車に持ち込まれたら怒りすら覚えることでしょう。
そのサイズに最適化されたレイアウトをそのまま小さな画面に拡大縮小して使うというのは なんだか芸が無いような気がします。
WEBであるようなレイアウトもちょっと問題で、最近のプロ野球離れもこのあたりがあるのではと思うのですが 例えばYahooやMSNのトップページで ニュースを見たとして野球が乗っているのはSportのなか。
じゃあその中を探ると、シーズンでも野球の記事があるとは限らないわけです。
オリンピックや国際大会があればそれ一色になっているわけです。
例えばそれでもカテゴリーを野球に移すと 記事の大半は有名球団のもの。
いままでは記事の中でどうであれ 一応書いてあったものがその下の階層まで落ちなければ見れなくなるわけです。
確かにトップ球団のファンが多いわけですが それだけでは野球そのものが成り立たないわけです。片方のベンチ側だけにファンがいるという状態では楽しみは半減で 応援合戦も大事な野球観戦の調味料であるわけです。
こういう書き方では 新たにトップ球団以外のファンが生み出される土壌が無いわけですから先細ってしまうわけです。
少し話はそれるのですが 新聞と同じ楽しみ方をするというのであれば、WEBの表示も最適ではないという事なのです。
もちろん、特定の球団を追いかけるのであれば RSSなどで追いかければ済むことなのですが それは新聞ではないとなるわけです。
 
メディアの変化は2Dから3Dなどと進んでいるのですが、新聞はあのサイズ故の利点を生かせないようですし、新しいレイアウトにもあまりうまくいっていないように思われます。
その微妙な対応は 新聞社の新聞配信システムにもあり、WEB版とレイアウトと内容を二重化して配信するような状況にあって アクセスは無料であることもあり WEB側に多くあるというジレンマでしょう。
ただ、あの大きなサイズをいくら早くなっても 拡大縮小してみる形態は最適には程遠い閲覧環境ではないかと思うわけですが・・・
それとも折りたためる電子ペーパーを待ちますか??
その代り8つ折りにしても全体が見渡せる表示もしてもらえるかもしれませんが・・・