最近書いてないのですがOrbって覚えていますか?

私は今でも使っているわけですが orb Media Serverといっていて 現在は orb Liveで現状本国のページでは orb Casterと変わっています。
日本市場にも出てきていて、そこからのプロモーション活動などもあったわけですが 現在そのページへアクセスしても 表示そのものがおかしいようです。
アプリケーションのバージョンが メジャーバージョンの2.xから3.xに上がっているのですが日本語版となるものは2.xのままで終わっているようです。
もっとも、3.xにおいてもHPからのアクセスmycast.orb.comのアドレスから見えるのは全く変わらないわけです。
故に、3.xのバージョンをインストールしても インストール中のメッセージの問題と、コントロールパネルの言語が英語である事以外あまり困らないわけです。
 
じゃあ、なぜ日本市場から撤退するほどの状態になったのだろうか?なんて 私には解らないわけですが想像ぐらいはつくわけです。
orbのメリットは自宅においたPCをサーバーとして そこに置いてある動画や音楽、写真などを外出中のPCやAndroid、i-Phoneなどから見れるわけです。
特別なネットワークの設定技術も必要なく無償のソフトで対応できるのが素晴らしいという訳です。
一時期は 毎週のごとくその内容に関してレビューが上がっていて それらの機能を紹介していたわけです。
PCで録画したファイルが 外出中の端末から見れるとかいう訳です。
何がいいと言っても 内部でトランスコードする機能を持っていて 例えば8MBitとかの高いレートで記録した動画であれば 通常の3G回線では速度的に見ることが出来ないわけですが これを300k程度の回線速度に合わせた動画形式に変換配信する機能を持っているので 外出時に見る専用のビットレートの低い動画を用意する必要もなく 外から見ることが出来たわけです。
逆に言うとPCのスペックも必要ですし あちこちから画像が汚いなどの良くない評判が立ったりもするわけです。
あまり意識せずに見てられると思うのですが 2.5G程度の2コアのCPUを使って 地デジの動画をMpeg4に変換する場合 通常 絵以上の時間と同等かもう少し長い時間の変換時間を必要とする場合が殆どです。
それを画質を落としても、それなりのCPUでも、等の要件を満たすために こういった画質を落としどころとしたのでしょう。
 
orb2.xから3.xになった時点での大きな変更事項は実はよく知らないわけですが 出力の動画形式などが幾分減ったりと変わっています。
それらは3GPP等、携帯電話専用のフォーマットで実は使える機種が少なかったのでどちらでもよいことでしょう。
ファイルサイズが大きくなったり、ファイル数が増えすぎたりでおかしくなったり、マルチコア、マルチスレッドのCPUで同時処理が可能なので その関係で配信を終えたにもかかわらずトランスコードが終わらずに常時CPUのパフォーマンスを消費し続けるトラブルなどが解決したようです。
ただ、先日WindowsHome Serverを入れたときにそちらにサーバーを移したときに新しい3.xを試したときは再生中に動画がバチバチ切れてしまうという変な状態に陥りました。
故に、2.xに戻してみたわけですが 今度はタスクの消費問題が出て 3.xにやっぱり移したら一週間もしない間にアップデートが自動的に行われ 問題が解決したようです。
今のところかなり快適な状況になりました。
 
じゃあ、そこまで使えるなら何故に日本から撤退する必要があったのかなのですが
やはりここは地デジの影響であると言えるでしょう。
地デジの放送はB-CASカードと言われるICカードに書き込まれたキーを使った暗号化が図られています。
そして、記録されたデータにはB-Casカードと対になる情報が書き込まれ それが一致しない端末では見ることが出来ません。
一旦それを出力した際には 例えばコピーワンスなら1回、コピー10なら10回まで移動できますが それ以上は移動する事も出来ないデータとなるわけです。
めんどくさいというか強固なプロテクトが掛けられているわけです。
そして、再生する際にも 著作権保護機能の付いたプレーヤーや機器でないと再生が出来ません。
モニターも昔ながらのD-SUB15ピンで接続されたモニターであれば 例えフルセグの解像度があっても表示されません。
HDMIなどで著作権を保護する機能を有したモニターに置いてのみ再生がなされるのです。
なぜこうなるかというと、画面に表示したものをそのまま画面情報として取り込むプログラム(Youtube等を記録するソフトは多くがこの方式)だったり、HDMIのポートから来た信号を記録する機器を接続すれば録画が出来てしまうからです。
放送主の権利を守るための機材の負担をユーザーにさせて、なおかつそれを国が推進したという訳です。
もちろん、映像を著作権的に違反していると解っていながら ネットにアップする人たちがいての話なわけで それを守るための対策としては・・・・なのですが 
 
じゃあ、orbに話を戻すと このソフトも同じ制限を受けます。
つまり地上波デジタルで記録されたファイルを再生するための著作権保護機能を有した機器とはなりません。
当然ですよね、誰が見ているか確認せずに 見せるソフトなわけですから。
故に、今後 もう明日ですか 以降はテレビ番組を外で見るための機能としては使えないわけです。
勿論、一部のそういったことを回避できる機器を除いてですが。
そして、orbだけに限らず CMカットをするとかテロップを入れたりというような編集ソフトも自分でビデオカメラで録画したムービーぐらいにしか使えなくなるので ぐっとお客を減らすことでしょう。
録画機器を指定した専用のアプリケーションとしてしか 使えなくなるわけです。
 
違反をした人を取り締まるのではなく 違反できない仕組みにしてしまうという考え方がここでは採用されたわけです。
子供に刃物は危ないから使ってはいけないと手の切れない刃物で料理をさせるようなもので これでは刃物の怖さは解らないわけです。
例えばこの後 これらを破るソフトが出てきたとすると 怖さを知らない層の人たちは悩まずそのソフトを悪気もなしに使うでしょう。
相反する要件として 悪い事をちゃんと教えたうえで 怖さをちゃんと教えたうえで その対策を立てるという感じではないわけです。
恐らくorbがわに地上波デジタルにかんしての変更事項とそれに対する対応方法等の説明はなされなかったと思います。
故に、撤退という道を選んだのではないかと思います。
実際、Androidのように比較的自由なプラットフォームで 地デジの番組を移して再生するというのは機種を限定した 一部の機能としてしか実現していません。
IMEIなど固有コードはあるので それに合わせた暗号化のなされたファイルを作り出すことが出来るにもかかわらずです。
せっかく ひとつの世代を築いた SmartPhoneになって 花開くと思われたソフトが日本市場からなくなってしまうのは 残念でならないわけです。
今のところMarketでも専用のクライアントは(現在はアップデート登録中のようで出てきません)登録されているわけですが それもいつまでか・・・・
ちょっと悲しい話となっています。
 
余談ですが
Android用の専用クライアントがOS2.3に対応しておらず 起動するだけでそのまま強制終了してしまいます。
しかし、Flashに対応している事から 携帯電話モードでFlash形式で配信するとすれば基本的にまったく困らないという状態になっているので 興味ある方は是非お試しください。
Flashなので 一気に見る場所を飛ばしたりできないわけですが・・・・

written by HatenaSync