帯域は危機的に不足しています・・・・のか?

どこかの電力需要のようで その数字に嘘があるとかって可能性もあるのが現在のマスコミの発表する数字なわけですが・・・
提供する側が 常に本当の数字を脱してないといううがった考え方は マスコミと政府が作り出したものなのでそう思われてもしょうがないとは思うわけです。
それでも、疑問に思うのは 数字の根拠とやっていることがあまりにも乖離してゆくわけだからなのです。
 
以前から何度も書いていますが 3G回線を利用した帯域は「トラフィックの負担に耐えられなくなっている」ということを最近あちこちで聞くようになってきています。
これは アメリカのAT&TやVerizonがパケットの定額制を維持できなくなってきたので その制度から離れて従量課金制に移行するというニュースに端を発するわけです。
マスコミがそれを受けて、各キャリアに取材に行ってあちこちのキャリアからそういった話が出て、昨日にはSoftbankから 従量課金への検討を始めたという話となったわけです。
いかにも話が綺麗に繋がっているように見えるわけですが 本当にそうでしょうか?
大半が私の想像で作り出した話なので根拠のないことが多いので 読んでも本気にしないでくださいね。
 
まず、アメリカと日本では驚くほど状況が異なる事を理解してもらう所からスタートすると思います。
アメリカの場合、日本と人口の集中度合いが異なるために アンテナの立て方が違います。
昔からある800M帯のアンテナを見たことがあるでしょうか?
10階建てぐらいの建物ぐらいの鉄塔を建ててその上にアンテナが付いていたり、ビルの上に大きなアンテナが立っていたりというあれです。
密度が高いときと違って、一つのアンテナで大きな範囲をカバーするタイプの立て方のアンテナが多く
現在の 都市部の携帯電話のアンテナのように 狭いエリアを網目のようにカバーして提供するものと異なるわけです。
日本でも 少し地方部に入るとそういった立て方が多く そういった使いたとなるわけです。
1本のアンテナのカバーする範囲が増えると 当然同じチャンネル数であれば提供できる帯域に制限は出てくるわけです。
故に都市部では、多くのアンテナで網目のように配置し 複数のアンテナからの信号をまとめて使うわけです。
t、もう一つ基地局への帯域の確保なのですが 日本全国津々浦々に張り巡らされた 光ファイバー網が既に存在し 比較的安価に利用できるのが日本の特徴です。
これも何度か書いていますが ベストエフォートとはいえ1000Mのインターネット回線を家庭向けに安価で提供しているのは 恐らく世界広しと言えど日本だけかと思います。
つまり各基地局もネット回線を提供する回線として使われるバックボーンはどの局に関してもかなり広く確保できているわけです。
これだけの状況の違いがあるので、例えば東京都心部の現在のトラフィックは AT&Tが今持っているネットワーク網で捌ききれるレベルをはるかに超えているわけです。
これは特性の違いでどちらが優れているとかそういった意味の事ではないわけです。
その上、1人当たりのパケットの使用量も異なりますし、未だ音声だけならGSMを使ったり ページャーだけならとか 回線の分散も行われているのがアメリカの実情なわけです。
猫も杓子も3G回線でなんでも6割がパケット定額の範囲を使い切るという 日本の事情はおそらく話をすれば悪夢としてしか理解できないものだと思います。
それでも、日本のキャリアは支えてゆけるのは 人口の密集度が高い事から そこに対して投資しやすいという状況とバックボーンの豊富さが支えているのだと思います。
もちろん、支え切れていないキャリアがあることも事実ではあるわけですが・・・
 
回線がパンクしそうだ!!と慌てるのであればやりにくいことがあります。
例えば、PC用の定額パケット通信の提供です。
SmartPhoneなどと違い、WindowsOSのアップデート一つとっても数百メガのデータが流れる回線です。
これをPC用として どんどん提供すれば それに帯域が圧迫される可能性が高い事から 携帯電話の帯域を守るというのが第一義に考えるなら これを3万円〜5万円の販売促進費用をばらまいて尚無理にでも販売する必要はないわけです。
今、東電が電気を使うと抽選で〜〜が当たるなんてキャンペーンをすれば日本中から抗議を受けるでしょうが、簡単に言うと帯域が不足して間もなく障害が起きるかもしれないと言っているところが 拡販キャンペーンを行っているわけですから大きな矛盾点なわけです。
定額制を辞めるというソフトバンクに、じゃあそれの販売を辞めろと言われかねないわけです。既存のお客に迷惑を掛けるが新しい客を引き込むのだというおかしな理論となっているわけです。
家電量販店に行って 帯域が不足しそうなのでちょっと販売を躊躇しているキャリアがあるのであれば教えていただきたいものである。
それどころか山のような景品を積み上げて 帯域不足なんて気にしなくていいのでどんどん買ってくれと売っているではないですか。
 
私は孫さんのセンスは流石だと思うわけですが、このタイミングでというかマスコミからのこの質問を担当者が受けて当たり障りのない返答をしたところで それをこっそり見ていて
このタイミングで パケット定額が無くなるかもしれないという発表を流すセンスには脱帽するわけです。
じゃあ何が凄いかというと 実はソフトバンクはようやくパケットを潤沢に流す回線を入手しつつあるわけです。
今まではE-MobileMVNOで全く儲からないが 無いわけにはいかないので売っていたPC用のデータ専用回線を 一部自社回線に切り替え始めたわけです。
UltraHighSpeedとかいう回線で1.5G帯を利用したもので 2Gの回線を止めた空きエリアを利用したものです。
この後LTEへの変更をスムーズに行うために 比較的場所の良いところを確保して こちらは計画的に設置を始めています。
来年初めには そこそこのエリアでLTEへの移行が進むと思われます。
そして、DOCOMOでも発表されているように LTEと3Gを持ったハイブリット端末も既に視野に入っているようです。
というか i-Phone4の改良版でないと言われている i-Phone5にはLTEを搭載しているのではないかという点も言われています。
そこまでというかその先までのロードマップはできているのです。
帯域が尽きるのと、一番先に従量制に移して顧客離れを起こすのと どちらを選ぶかのチキンレースでもっとも帯域に余裕が無く分が悪いソフトバンクなのですが この発表を行う事で流れを変えたわけです。
 
この発表で分が悪くなっただけじゃないか と言われそうですがじつはそうではないのです。
一つに、実際に従量制にしたわけではないので 現場での混乱はないはずです。
ここで宣言したことにより、今後決めたときに早いタイミングで従量制の切り替えが可能になります。
ここで、DOCOMOAUがこちらは今のところ考えてませんと言ってくれれば 彼らはその切り替えなければいけないときの切り替えのタイミングを決めるのに非常に難しい立場に追い込まれるわけです。
切り替えを行うタイミングなんて無い!!というならそうなのですが 実はそうではないのです。
前述のi-PhoneのLTEとのハイブリット端末が投入されたとしましょう。
3gの帯域は苦しいので 従量制に切り替わりました。しかしLTEは最初の間はキャンペーンとか言いながら 帯域がひっ迫するまで定額で利用可能と現行のWiMaxのように提供したらどうなるでしょう。
いま、最もキャリアが心配しているのが LTEWiMax等の第4世代のネットワークの必要性をユーザーが感じなかったらどうしようという心配なのです。
ここで3Gの帯域のひっ迫を理由に従量制に切り替わって、LTEなら定額だとしてそちらへの切り替えに対して 現在ピークともいえる利益を上げているわけですから資金にも余裕があるので
既存のユーザーすらLTEに切り替えられるほどの大きなキャンペーンを引いて 一気に攻勢に出る手段があるわけです。
良い方法だとDOCOMOAUが気が付いても、3Gの帯域は定額制を中止するほどひっ迫していないと先に言った手前、それに呼応してすぐに従量への切り替えが難しいかと思います。
「間もなく帯域の枯渇する3GからLTEの移行が今なら違約金もSoftbankが用意して0円 でずっと使い放題」
とすれば それでも多くのユーザーが流れてゆくかもな事態なわけです。
実際は 約半分が3G網のパケット利用でLTEは残り半分程度でも そのイメージは強烈でしょう。
 
孫さんの機能の発言が布石であれば 見事に先を読んだもので
半年後には結果が出る事でしょう。
帯域の不足さえ武器として、LTE時代のSmartphoneを売る切っ掛けにしたとするなら
これはあくまでも予想の話ですが 恐らく十分それは考えていての発言だと思うだけに う・・・・んと唸ってしまったわけです。
恐らくi-PhoneLTEが来春との連絡を受けたとかきっかけはあるのだと思うのですが・・・油断ならんな。

written by HatenaSync