Life Touch Noteについて

正直、どう扱ってよいか困る商品なのですが・・・・
 
商品の企画の段階で こういった商品に仕上げようという明確な目標があって作られる商品は 売れる売れないにかかわらず非常にわかりやすいコンセプトとなるわけです。
販売する側も、私のようにBlogを書いている側も 「〜だ」と断言したりできて楽なわけです。
それに対して 未来を目指した商品は 困りもので 「使い方は皆さんで考えてください」なんて言われると 途端に頭を使うわけです。
私のようにほら吹き男爵なら 昨日の日記ではないのですが 根拠があるような内容な話から 考えを展開できるのです。
何が楽だと言って、私は 間違えてもなんということは無いのです。
所が、お金をもらって記事を書いている人は あまりたいそうに間違えると あとの仕事に響きますので・・・・
そして、何かを模倣した商品。
露骨に模倣とはかけないのですが、逆に〜と比べてと書いてしまえばいいのでこれはこれでやりようはあるのです。
〜と比べてが多い商品は 模倣からスタートした商品だと言ってもいいぐらい(笑
ただ、機能の主たる部分が変わらないもの 例えば同じOSのPCとか デジタルカメラとかはどうしてもそうなってしまうわけです。
で、一番困るのは コンセプトが見えない商品です。いや 無いと言ってもいい商品もあるわけです。
 
先代といっていいのかモバイルギアに関しては どちらかというとコンセプト的な商品です。
何に使うのかみんなで考えようというか そういった商品です。
機能もサイズもコンパクトなPCというような ものかもしれません。
カタログなどにはいろいろな言葉が躍っていましたが 結局ターゲットは決まらないというか 誰が買うのだという明確なビジョンは恐らく見えていなかったと思います。
私たちも、凄いとかって 人の使うのを見て買った口で カタログを見たり商品を店頭で見て買ったわけではありません。
カタログの配布もあった覚えもないし、商品の展示も実は買ってから気になって探してようやくという感じでもあったわけです。
それでも、未来が見えて気がしたのは私の思い込みだったのかもしれません。
 
じゃあ、今回のLife Touch Noteなのですが コンセプトはなんでしょう?
私はかなり尖ったものを持っているので 正しい比較かどうかはわかりませんが 例えばMBOOKとLifeTouchNoteを比べてみましょう。
重さはMBookでバッテリーはそれでも二倍ぐらいい持つわけです。
スペック的にはデュアルコアの1Gと1.3Gのシングルコアで まあ、アーキテクチャーが違うので単純比較はできませんが CPうならATOMでグラフィックならTigraというところでしょう。
OSの汎用性に関しては PCがはるかに勝っていて 価格的には正規の価格だったら実売価では そう変わらないものなのです。
重さははるかにMBookが軽く例えば二倍のバッテリー寿命をクリアするために予備バッテリーを付けて尚 MBookが軽いわけです。
ただ、起動時間に関しては Life Touch Noteの独壇場で常時起動状態にある・・・わけなのですが 三日でバッテリーは枯れてしまいます。
あれ? MBookもスリープに入れてもそれぐらい持ったような気がする・・
あれなら 1秒と5秒ぐらいの比較で 実運用上凄い!!って違いにならないような気がしてきたわけです。
「すぐに出してすぐ使える」というコンセプトなのだが、確かに言葉に嘘はないのだが 「すぐに出す」の部分では実は大きくて重くて MBookに巻けているわけです。
比較でいえば そのにかかった時間で相殺されてしまうわけです。
まあ、それでもMBookが特殊だと言えばそうなのです。
じゃあ、もっと一般的でVaio X(やはり特殊)と比べたら・・・これは比べない方が良かったですよね
 
比較しなかったとして
単体でLife Touch Noteを使おうとしましょう。
パーソナルな用途としてはメールとWEB。メールの添付でOfficeファイルとPDFの読み取りぐらいが出来るとそれなりに。
SmartPhoneがそうなので そういう使い方がキーボード付で出来れば・・・・
多くの方があの機種を見てそういう風にイメージしたと思います。
私もそういう機種としてイメージしてみたわけですが・・・・
まず、謎なのはOfficeの同期機能を持たない事。
と、いうか驚くことに 「設定」−「アカウントと同期」で新規追加できるのが Googleのメールだけなのです。
メーラーはpopやimpaはOKなのですが それぐらいで 自社のプロバイダーメール以外は自動的に設定もしてくれないわけです。
機能的にもそう優れたメーラーというイメージはありません。
WEBは当然標準のブラウザーです。
まあ、Exchangeを標準だというほど世間知らずではないので ついてない事に疑問はあるがそういう事だろうと思うわけです。
 
そして、最も疑問なのは まったくOffice Suiteを搭載していない事です。
電話の進化形としてあるSmartPhoneは結構な期初を触っていますが 最低でもビューワーは標準機能として搭載しているのが普通です。
Quicke Office等のOffice Suiteはビューワー目的だったり微妙に機能が少ない物が無償でメーカーから提供されてバンドルされるのが普通で それが無ければメールで到着した文章を見ることが出来ないわけです。
PDFも標準では読むためのアプリケーションが入っていません。
ちなみにPDFに関しては 起動時の導入ソフトの中に入れるかどうかの選択があってチェックすれば入れることが出来るわけですが 標準でははいっていないわけです。
そして、専用のテキスト入力アプリも同じような導入形式となるわけです。
 
まず、これは誰に向かって作っているのでしょうか?
モバイルギアを昔使っていたマニア向けでしょうか?
ネットブックとそんなに変わらない機動性と、アプリケーションが入っていないというネットブックがやった失敗をそのまま継承したわけです。
駆動時間の長さも、Youtubeを見るのには効果がありますが プレイヤーも専用の物を用意してくれていないのでTigra2の卓越的な動画再生支援機能が十分に働かないわけです。
何よりこだわったはずのキーボードを生かすためのアプリケーションは 自らインストールしてくださいという状態なのです。
確かにモバイルギアを使っていたユーザーであれば それぐらいのスキルは今に至ってあるだろう。
そのユーザーが きーっボードが良いだけの機械を使うだろうか?
そのゆーざーを ターゲットにするなら 例えば前述のExchange連携などは外すべきではないし、はっきり言ってアプリケーションの状態だけでいうなら IS01Lynxにとってもかなわないレベルなのです。
DELLが企業向けPCから余計なソフトを排除して人気を博したという事を言いたいのなら 企業向けモデルを後で出してこれは家庭用だという二枚舌ぶりが気に入らないわけです。
 
誰が誰に向かって作った商品かがはっきりしない。
目的も決まらない状態での 長時間駆動をうたってもそれが適正かどうかなんて誰にもわからないのです。
Tigra2の性能も 発揮できるサンプルソフトの一つも入っていない 例えば専用のマルチメディアビューワーが入っていて 1080iの画像を映せるとか(画面解像度は足りないが再生できるとかね) それもWMVとかDIVXとかとにかく何でも再生出来てDLNA対応とかのメディアプレーヤーがあるとか 性能を生かす方法もないハードは悲しいだけなのです。
 
たぶん、ハードウエアの制作現場では 頑張ったんだと思います。
どこにも負けないキーボードとか 一日中使えるバッテリーの搭載とか 盛り込めるだけの機能をもりこもうとしたのでしょう。
逆にコスト要求が強く 汎用のWVGAのそうよくもない液晶パネルに感圧式のタッチパネル。
恐らく2.1で設計して2.2でリリースしたのでこういった事もあったのでしょう。
当然感圧式だから マルチタッチは疑似でもかなえる方法が無い訳です。
SDカードは デジカメの画像などをそのまま取り込めるフルサイズのSDも要求としてあったのでしょうが それのデータをどうにかするほどの本体メモリーはコストの関係で与えられなかった。
というかもしかしたら LOOXVaio Uを見て小型PCをリリースしようと思っていたがプロジェクトが潰れてそのまま筐体を使ったとかの邪推もありそうなぐらいなのです。
もっと目的を絞ってそれに向かってくれたらもっとよくなったのではないかと・・・・
いや、これが悪いわけでは無く このハードを生かすソフトが今のところないのです。
勿論Tablet用のOSなど動こう筈も無い訳です・・・・
 
割とよくできたキーボードと 動画を再生して尚6時間とかいうバッテリーの持ち時間。
デュアルコアの効果か、思った以上に軽く感じるOSで 日本語入力中に町を感じることなどほとんどないわけです。
じゃあ、これを使って何をするんだがないから そこで終わってしまうわけです。
ビジネス向けにExchangeを使える機種を出すなら そのままファームを上げて開放して 少しでも使えるようにしなければ ただの特価商材となってしまうのです。
ビジネスで使える ノートPCに変るものにしたいなら ちゃんとVPNの接続でリモートコンソールとして使えるものにするとか ビジネスモデルにしてなお VPNが使えるようになりましただけなのです。
実際、Android2.2用に使える VPNリモートソフトでキーボード主体の固定画面で使うものなどまあなくて結局 画面をタッチして動かすような操作とするなら感圧式では タップしながら画面を滑らせる操作はどうにも不自然なわけです。
ハードが結構いいスペックだけに惜しいし 何とかならないかと思うのだが Marketにとっては異端児過ぎて汎用のソフトでは対応しきれない。
だからある一定の専用ソフトが必要なのに それは基本的に提供したのはメモ帳だけって・・・・
 
今後を期待と言って良いのかどうかも迷ってしまいますが
ハードウエア的には 良い物だと私は思っています。
文章を結局エディターを入れて打ってみても、Blogの更新をしてみてもかなりの速度でやっていけます。
じゃあ、その画像をとか 何かのオブジェクトをとか WEBのページを張り付けるとか違う事をしようと思うと 非常にちぐはぐで・・・
うーん、結果的にコンセプトがはっきりせず 行き当りで迷走した商品なんだなと思わされるわけで
何がしたいのか?どこへ行きたいのか? ぜひ教えていただきたいなと・・・・
written by HatenaSync