ノートパソコンの素材とSmartPhoneの素材

ノートパソコンの素材が「マグネシウム合金」なんてうたっているものが出てきて ああ時代も進んだな・・・なんて思うわけですが。
 
マグネシウムは硬度の割に軽い金属で 軽量化するときに良く登場する物です。
ただ、何事にも完全なものはなかなかなくて マグネシウムにも欠点はあります。
粘っこい事で それ故に強度的にも頑張るという訳ですがそれが製造上の問題として困ることがあります。
型を作って作って 溶かしたマグネシウムを流し込む・・・と作った時に 粘度が高いのでなかなか隅っこまで入ってくれないのです。
その上 流れ込むにも時間がかかるので製造の効率が非常に悪いわけです。
また、研磨するときに細かい粉にすると小さな火花で簡単に発火するというたちの悪い金属。
例えば車用のホイールなどはでもレース用などがこういった素材を使って作られていたのですが
一般向けには そこまで強度が無くても金属として軽いアルミが使われることが多かったわけです。
そして、アルミホイールが高性能な自動車用ホイールの代名詞のように言われた時代もあるのですが こちらは実は手とより弱い金属を肉盛りする事で強度を出している事から ちょっと豪華な飾りのついたホイールだと 実は鉄のホイールより重い物も少なくなくて 実は全然効果が無い物も少なくなかったわけです。
まあ、ファッションだったという物も多かったわけです。
鉄のホイールは鉄板の曲げで作られていたので思った以上に薄く軽かったわけです。
その後チタンなども価格が下がって使われることもあるわけですが それも同じように素材以上に加工に難しさがあるのです。

マグネシウムとかチタンとかがノートPCの材料に使われるのは強度と軽さを両立させてゆくためには止む終えない過程なのです。
ちょっと前にはアルミ合金の物もあったのですが、現在のトレンドは「薄さ」にポイントがあるので肉厚を厚くしないと強度に問題のあるアルミは素材として使いにくくなってきたのです。
その上、やはり趣向品に近い商品なので お金をかけやすい事からこういった高級素材が出てくるわけです。
なかにはカーボンプレートを・・・なんてのも出てくるのは そういった事情があるからでしょう。
カーボンは言葉通り炭素で 炭素繊維を高圧にして窯で焼いて作るわけですが 高圧窯などいれて出すまでにも時間がかかるのでこれも加工時間がその今間コストに跳ね返っている訳です。
サイズが大きくなるほど窯が大きくなってそれだけ強度の確保が難しくなります。
恐らく、話題のボーイング787の機体を作るのなどは 馬鹿でかい日本にしか無いような窯が必要となってしまうわけです。
自転車も趣味の商品なので高級な素材を使うのですが あのサイズを窯で焼いて作るので10万円以上という価格になってしまうわけです。
ノートPCのばあい パーツが小さく高価なのでそれでも成り立つわけです。
 
じゃあ、もっと小さくて薄さをもっと求められているSmartPhoneではどうでしょう?
ガラスの板でフレームを作ったiPhoneの例もありますが おおよそアルミのフレームと樹脂製品の構成で出来ています。
薄く薄くとなって フレームサイズはだんだん小さくなりガラスの強度で何とか持っているような端末もあります(笑
実際のところ10万円近い価格でこのサイズなのですからもっと高級素材を・・・となる訳ですが なかなかノートPCのような高級素材が登場しません。
ちいさければカーボンでも成立するわけですが 裏蓋に使った端末があるぐらい。
何故に・・・というわけなのですが
 
携帯電話とノートPCの最も大きな違いは 3G等のモバイル通信に対応しているかどうかと その面積です。
最近のノートPCの流行は 画面サイズは無理に小さくせずに13インチぐらいで1kちょっとの重量で薄くして収納効率を上げています。
それに対してSmartPhoneは3G+4G もちろんWifiBluetoothなどまで実装しています。
そして、本体全体にわたる画面も持っています。
尚且つ、無線充電やICカード用等々多くの通信装置を装備しています。
3GやWifiは 接続効率とキャリーオーバーを簡便にすべく 複数のアンテナのうち出力の強い物を切り替えながら使うダイバーシティになっており 1台の携帯電話に無線のアンテナだけで10本ほど内蔵する事となっている訳です。
当然、広い液晶面にはトランジスタが高速な水いっちを切り替えていて その上全体を静電気の膜が覆うタッチパネルが付いていてアンテナを付ける場所には向いていません。
裏面の大半の面積はバッテリーが占めており とくに交換式の端末ではそのアンテナを配置する場所にも困ってしまいます。
勿論、手で隠される場所にアンテナを置くと 本体を手に持って電話すると急に感度が落ちて繋がらないという事態も
まあ、本体そのものが小さいので要求される強度も低いわけですが それでも想像を超える薄さに作っているので強度不足になるのですが 全体のバランスを考えるとカーボンも金属も導電体なのでそれを越しての電波は通過せずに アンテナを設置する手前場所探しに苦労してしまうわけです。
SmartPhoneの面積が増えるのもさもありなんです。
ましてや日本のメーカーが始めたのですが その上に防水とかいうと素材の継ぎ目を出来る限り減らさないと大変で 熱による膨張変形も考えると複数の素材を組み合わせるリスクも高まり 作る方は苦労しているのではと思わされるわけです。

 
基本的に同じ種別の物であっても サイズや使い方によって素材が異なる良い例でもあるわけです。
それでも、究極の・・・となった場合 強度は物性なのでなかなかあげることは難しいのですが 電気的な部分に関しては未だ改良の余地があるので そこを切り口に高価な素材にシフトする可能性もあるのですが・・・・
いずれにしても、「究極」ともいえるべき商品たちが 市場には揃ってきていると十戒する素材話だったのですが

written by HatenaSync