沈みゆく夕日を元に戻すことはできない

衰退するものを引き戻すことに対するたとえで使われる言葉です。
昔でいえば 王政の崩壊の時などにその崩壊を食い止めるべく働く人たちに使われた言葉です。
その際に、滅びの美学ともいえるものもそこに生まれてゆくわけです。
日本では新撰組などはそうで かっこよくは思えますが旧来政府を擁護する立場として最後まで戦った人たちとして映っているわけです。
 
SmartPhoneというより携帯電話の発展で、誰もがそれを持つようになった時に減ってきたのが腕時計です。
それ以前から本当に必要かと言われて初めて来たのが 多くの家電製品には時計ぐらいついているのです。

少し前までビジネスマンの必須の道具に「電卓」というものがあったのですが 最近ではそれが必ずしもというかかなりの人が電話を電卓として使っています。
故に、無くなって行くのですが ちょっと前まで 何かの時に貰う景品によく電卓ってなかったですか?
マウスパットだったり、ペン立てだったり、ペンケースだったり、キーホルダーだったりと よくついていました。
太陽電池で動くので バッテリーの心配もないものだから本当にどこにでもついています。
で、その前には時計が良く付いていたのです。
こちらは表示と入力が小さいので ボールペンについたものまで。
ラジオ+カセットでラジカセというヒット商品を生んで以来、日本では付加価値という 複合商品が流行ったのです。
時計にしても電卓にしても あれば便利な機能でやすいのでとにかくなんにでもついています。
 
腕時計は時間を知ることも重要ですが、それ以上にファッション性も重要なファクターとしてあります。
テレビドラマなどでは探偵が ベストのポケットに懐中時計を持っていたり カラビナ型の時計をベルトホールにしていたりと 変わり種も出ています。
ファッション的には ブランドの・・・という価値もあるのですが自由で楽しめるものも 良い所で テレビドラマのタレントがしている方向に進んでゆきます。
腕に何か巻いたりするのも男がやっているのも普通になって サッカーで流行ったミサンガなどの様に 腕に巻くと 腕に巻いた時計は邪魔になっているわけです。
時間を知るという用途が減ってきて、ファッション性の関係からも減らされると 時計をしない人が増えるのは当たり前。
そして、ビジネスで必ずしていて当たり前という時代でもなくなってきたので 減りつつあるものなのです。
 
最近、iWatchという商標をリンゴマークの企業が登録したと話題になり、昨日SamsungからもSmartWatchというものがあるということが流れてきています。
こちらは、SmartPhoneの子デバイスとして働くもので(Samsungのものの情報しかないので)メールや電話の着信などを転送されてくるものとして言われています。
実はSonyからも何種か発売されていて私も数種は持っているのですが 実際どうかというとあまり使ってはいません。
今度発売されるものはそれらとは違うというものとなっていることでしょう。
 
一つのポイントとして
「バッテリーが持つこと」というのがあるわけですが こちらに関してはかなりの部分で改善が考えられます。
Bluetoothに4.0というLowEnergyと言われる規格が登場したことで 驚くほどの省電力で通信が可能となっています。
私の自転車につけている ケイデンス・速度センサーはその規格のものですが CR2032といわれるコイン型のバッテリーで約一年の稼働が可能だそうですから通信装置のバッテリーの消費をあまり意識する必要はないわけです。
と、すれば MP2音楽プレーヤーなどと同様で 数百時間の駆動をかなえることも難しくないかとは思います。
 
二つ目のポイントとして
「SmartPhoneの機能をカバーできるものであること」なのですが
こちらも、最近少し見込みがついてきているのです。
SamsungについてはOSは既成のものを使っているので そんなに無理はできないでしょうが、iOSとiWatchに関してはその限りではありません。
リモートコンソールを行うように、速度を要求されないことであれば画面イメージをそのまま送ることでさほど難しくなく 子デバイスで親デバイスの操作を行うこともできるわけです。
現在のところ発表されていませんが 恐らくその機能がiOS7には実装されるべく(現在のベータには含まれていないが)用意されていると私は思っています。
らしき形跡もあるようには聞こえてきていますし・・・・
 
端末の大型化に関しては
ハイエンド機は5インチぐらい当たり前となってきています。
私の持っている Galaxy Note2では5.5インチとかなり巨大なのですが最近では6インチの電話機も出てきています。
以前であれば、5インチはTabletに分類されていたのですが 今は7インチ以上ないとどうもそちらには分類されないようです。
Tabletだからと言って たとえば私の持っている Galaxy Note8では電話機能もサポートしているわけです。
電話だけなら 昔からヘッドセットを使っているわけですが 画面の操作に関しても メールやMMS程度なら子デバイスで確認するだけでも十分となってもおかしくはないのです。
 
で、なのですが
腕時計型のデバイスが発売されたとして どうなんでしょう?
「腕時計」というものを みんながしなくなったわけです。
それは 時間を知ることにそのためだけに時計というデバイスを余分に持つということが嫌になったということ、そして ファッションの面でもいくつも使い分けるならともかく 一つであればいつみても同じというイメージになり 切り替えの難しいアイテムになってしまうということなのです。
前者に関して SmartWatchは機能ではクリアするわけですが、ファッションとなればどうでしょう?
腕にしたことによって ONもOFFも同じような・・・となってしまう危険性は 腕に付けたほかのアクセサリーの邪魔になるという面では解決していません。
機能は満たしているといえばそうなのですが、それも音声の電話として使う時には別にヘッドセットが必要です。
もしかしたらペン型のヘッドセットはあるので そこに表示部を付加した子デバイスのほうが便利かもということも・・・
 
腕時計そのものが ファッションや好き嫌いの世界では生き残るとしても 万人が持つものということでは沈みゆく夕日を連想されるデバイスとなってきています。
子供たちに言っても 腕時計など見向きもしないのですから
だとすると、「腕時計型」に拘るデバイスを出すことは 滅びの美学なのか
それとも、形は一緒でも新しい価値観の上に成り立った 新しいデバイスとなるのか?
私には前者に思えるわけですが・・・・
ジョブズが居ないから そう思えるのかもしれませんが・・・
written by HatenaSync