商品化してゆく 中華Phone達

FreeBit Mobileというのをご存じだろうか?
UMPC全盛のころに少し話題に出た AigoというメーカーのSmartPhoneを利用した MVNOのキャリアサービスです。
 
以前、こちらでも紹介した Galaxy Noteのコピー端末だがおおよそそれと同等のスペックの端末を提供している。
その当時にも書いていますが、その当時の端末のFlagShip機に比べると性能的には問題があったものの 基本性能は十分で・・・と書いたのはちょうど一年ほど前のことです。
多くの要因として、メディアテックというCPUメーカーから提供される安価なCPUと 比較的柔軟性に富んだリファレンス、安易にAndroidの認証を受けやすい共通化された仕様など 海賊メーカーから生まれた製品メーカーなどは 多くこのCPUを採用している。
そこそこの性能であれば安価で生産(中国で買うと1万円ぐらい)できることが魅力なのだ。
そして、GalaxyNoteをはじめとする大画面型の端末の台頭が それを後押しすることになるとは想像できなかったことだろうが
小型超高精細の液晶ということであれば見劣りしたであろうが、カーナビなどに使われている産業用の5〜6インチクラスの液晶の高精細であれば入手性も悪くないうえに 面積の広さが基板レイアウトを安易にして バッテリー容量も稼ぎやすくなり 比較的密度の低いバッテリーを利用してもそこそこの駆動時間となるわけです。
そのうえ、大手メーカーが真似をしにくい Dual SIMなどに対応しているということで 中国本土ではいまやガラケーといわれる過去の携帯電話よりSmartPhoneが販売されているのだ。
 
980円だったり、580円だったりと 安価で低速なデータ通信専用SIMが販売されているが それとのコンビネーション商品でLineやSkype等のIP電話を組み合わせて通話もできる安価な電話という形のパッケージは誰でも考えそうなのですが なかなか成功例は少ないわけです。
一番の問題は回線の速度で、128kとかの速度だと条件が悪ければ音声通話を継続し続けるだけの速度を常時確保しにくいことと今まではSIMフリーの端末の価格が 大手キャリアのように端末大無料(笑)というような思い切った販売ができないことが需要の伸び悩みを生んでしまうわけです。
日本通信も同様の試みを何とかチャレンジしていますが 前者に関しては音声通話のときのみ接続を変えることで通信を確保したりとの手段がとれたのですが 後者は明らかに低価格なモデルを用意したことから あまりはやることはなかったわけです。
低価格であることは小型で画面は小さく なおかつ汚く、そして何より苦しいのは常時IP通信を行うためにバックグランドでのバッテリー消費量が大きく 一般的なスマートフォンの6割程度しかバッテリーが持たないなどのこともあったようです。
 
ところが、今回の中華Phoneの登場でちょっと事情が変わってくる。
大型の画面と、そのおかげでそこそこの解像度 854*480というものになっています。
バッテリーはSmartPhoneの中でも大き目の2000mAと十分で おそらく1万円以下の仕入れで 2.98万円での販売となれば販売店の利益を確保しても十分に商売になるレベルのもの。
端末代金を月額958円と設定し 基本料金(パケット無料を含んで)1000円ほど 月額2100円ほどで使えるSmartPhoneということで 初期費用0円(実際は事務手数料3150円)で月額も安いパッケージとして登場できたわけです。
あとは070から始まる電話番号に抵抗のあった人もいるでしょうが まもなくそれも携帯電話で使われるようになるので障壁はなくなってくるわけです。
ちゃんと1日バッテリーが持つという点も よい特徴といえるでしょう。
IPでんわなので 比較的音質が悪いことと、一部相手に電話できないということぐらいしか欠点がなくなったわけです。
 
一つの売り文句として
「NTT DOCOMOの回線を利用しているから 日本全国どこでも使えます」
というのがあって品質も安心というわけなのですが どうでしょう?
 
Docomoも回線を現在LTEに軸足を移しています。
いわゆるXiというやつで スタートは速かったものの 速度が遅いという批判が多く 最近になってようやく他社並みの速度となり どころか新たな100Mを超えるものまで登場させて他社にプレッシャーをかけているわけです。
ところが、いかなDocomoといえど 打ち出の小づちを持っているわけではないのでそのために犠牲になっているものもあるのです。
LTEを高速化するためには 電波を複数本束ねて使うために電波息を多めに使います。
割り当てられている電波の帯域は限られているので おおよそ犠牲にできるのは3Gなのです。
残念ながらメディアテックのCPUは 4G LTEに対応していないので3G それも2G帯だけを使うこととなるわけですが そのあたりが速度を上げるためには必要でそちらの帯域を徐々にですが減らしつつあるわけです。
ゆえに、各社でLTE対応とうたいながらの128Kや150kという速度のSIMが発売されるわけです。
ですが、端末が対応しないことにはどうにもなりません。
ライセンスの問題もあり、今のところLTE対応のチップは非常に限られているわけです。
 
日本通信が端末付SIMを販売し始めたころには、HTCがSIMフリーの端末を販売した時には
「早過ぎる」と正直思ったものです。
いまではない、もう少し先だ!!という意味なのですが 今に至って少し早いのではと
今は大丈夫だが特に首都圏でこれからも大丈夫とは言えないのです。
九州でスタートは逆に言えば首都圏からスタートすると品質的に将来的な疑問があるからということを示しているのかもしれません。
LTE対応の中華Phoneが出るまでをつないで・・・ということならなわけです。
 
面白いサービスで実はちょっと試してみたいと思っています。
あのアプリケーションをAndroid端末に入れられればなので 自前の端末でOKなら今でもすぐにあのSIMを買いたいと思っているのですが
いまのところ情報が少なくて何とも・・・
でも、世の中は面白くはなってきました。


written by HatenaSync