Digizon Proまとめ

返信が帰ってくるのを待っていると遅くなりそうなので、一応このあたりでまとめを。
 
SlingBoxと比べてと考えると、ハードウエアの性能は悪くないのですがソフト的な煮詰めにもう一歩かかりそうな雰囲気と成っております。
一言で言うと、機能を詰め込みすぎてその使いがってにまで未だ手が回っていないという印象です。
勿論、これはソフトウエアーのインターフェースの問題が多いので 改善してゆく可能性が高い部分であると言えますし 故にKcs Digitalに問合せしたいところなのですが 言葉の壁がきついところです。
では、そのあたりを順番に・・
 
○Digizon Pro本体
当然ですが何の音もしませんので一般の家庭においても設置に困ることは無いでしょう。
デザイン的に個性がないといわれるかもしれませんが、四角いデジタルテレビのチューナーのようなボディは設置と言う意味では悪くない形です。
SlingBoxの場合、チョコレートの様なといわれる山形の形をしており とにかく何かの一番上におかざる得ないという点ではデザイン的には優れている物の 設置と言う面ではどうでしょう?
ただ、底面も上面も平たいからと言ってその上に何かの機器をおけるようには実はなっていません。
最近の機器の多くがこんな感じなのですが、地デジチューナーもDigizon Proもかなりの発熱でこれを重ねて置くにはかなりの度胸が必要でしょう。
インターフェースはUSB以外、全て背面にあるのは良いのですが ビデオの入出力が4極の3.5φ(これは私の持っているSlingBoxも同様)ケーブルでの出力となります。
信号そのものは長距離の引き回しをしないのですが、やはり干渉が抑えられないために微妙な色漏れが置き易いのはマイナス点です。(S-Video端子は1個あり、既に、次のリリースにてデジタル端子のサポートもアナウンスされています)
サイズとのせめぎ合いで発生した点ではないかと。
USbポートのみが全面に配置されていますが、これは簡単に抜き差しできるように配慮された物でしょう。
ただ、簡単すぎて記録中に抜かれない為のインジケーターなども付いておらず 抜くタイミングに困るかもしれません。
出来ればBusyのインジケーターもしくはイジェクト用のボタンなどが付いていることが理想です。
発熱なのですが、強制的な冷却が考えられていない為にかなりの発熱です。全開のノートPCのようなイメージです。
ただ、地デジチューナーも同様だったので この機器が特別高いというわけではなさそうです。
接続するHDDなのですが、電源付が必要です(Busパワーで無いもの)。設置状況も考えて音の静かな物を選んだほうが良さそうです。
ちなみに、250Gで最高画質(D1相当)が250時間となっていますので サイズ的にはノートPC用のストレージ程度で十分かと思われます。
 
○Player Soft(PC)
全ての操作は接続してから行う点は操作上の最初の問題点です。
接続環境が無ければ起動すらしないソフトです。ネットワークの設定等は先に見たい感じはしなくは無いのですが・・・
起動してしまえば驚くほど高速にストリーミングが開始されます。
CPUのパワーなどに助けられる点もあるのでしょうが、SlingPlayer Classicに比べると同じソースをストリーミングしても2秒程度Digizonのほうが速く再生をしています。
一般的にネットワークでのストリーミングはある程度の先読みを行ってから再生を始めます。
これは回線状況が不安定になったときでもバッファ内のデータを再生しながら回線の回復を待ってスムーズに再生するための一般的な手法なのですが、どうもDigizonではDigizon側でバッファを持っているようで回線の問題で途切れても時間が短ければ 続きから再生されます。
その際、実時間と再生との間のズレが大きくなるわけですがチャンネルの切り替えなどでクリアされるようです。
このあたりは好みの分かれるところですが、Digizonの利点となるのはこの仕組みによってリモコンの反応時間をかなり短くしてくれています。
デジタルチューナーそのものも、チャンネルを切り替えてからキーフレームが繰るまでの間再生がされ無かったりとまたされがちでアナログのテレビに比べてリモコンの反応が悪いことを感じている人も少なくないでしょう。
ネットワークのストリーミングチューナーの場合、ストリーミングのバッファが加わりますのでそれがもっと遅くなってしまいます。
特に、番組表を表示して操作するときなどはいらいらするかと思います。
その反応が驚くほどよいのがDigizonです。理由は前述どおりです。
 
画質に関しては、かなりよいほうだと思います。
800Kあたりで、ニュースなどでは恐らくネットワーク越しの動画であると気づかれる事は無いと思います。
最大2M程度までですが、ここまで来れば画面の切り替わりのかなり激しい動画で無い限りこれがネットワーク上のチューナーからの画像だと気がつく人はいないと思います。
Gyao程度の画質ではないかと個人的には思いますが実はこれは結構凄いことで、あちらは配信を意識してエンコードされた動画で恐らく2PASS以上のエンコードを行っていることと思います。
Digizonはリアルタイムエンコードでの画質なので驚くほどと言えるかと思います。
SlingBoxFanさんのところで、SlingBox ProHDが入荷してレビューされていますが これもすばらしい画質だと思います。
ネットワークでのビットレートの変化に対しては非常にリニアに対応してくれます。
極端なはなし 最高画質モードで64K未満に低下した場合も 音声だけ送ってくると言う力技で切り抜けようとします。ステレオで音声を送るビットレートを固定しているのでこうなってしまうのでしょう(音声は可変に非対応のようです)
 
リモコンの操作も任意のボタンに機能を割り付けることが出来、学習機能が付いているのでリモコンさえあればどんな機器も操作可能です。
ためしにエアコンをやってみましたが、ちゃんと動きました。
ボタンの数も多いので、DVDプレーヤーや再生機能つきのHDDなども使えますので録画と再生を分けて使い分けることも出来ます(録画のところで改めて)
勿論、監視カメラなどの接続も可能で ムーブ機能の付いた物であればそのコントロールも可能です。
ボタンと操作機能がリンクしていないので おれおれルールで振り分けることが出来ます。
 
簡単に改善できて現在困っていることは画面の最大化を選択したときに縦横比が固定されないこと。
ワイドモニターを使って4:3の番組を最大化するとみんな太って見えます。
また、再生中もスクリーンセーバーが動作してしまいます。
ながら見をしていると画面が消えてしまうのはどうかと・・・
このあたりは改善して頂きたいと。
 
自動化されていないものの、設定の多くがマニュアルかできているのは利点であり欠点です。
二つの操作モードを持つなどのインターフェースの改善は必要でしょう。また、日本語化されてはいますが一部にハングルが表示されるのでこのあたりのバグは直しましょう。
ただ、日本語化されているということは 間違いなく大きなメリットです。

 
○Player(PDA SmartPhone)
これはとりあえず程度のできかとおもいます。
内蔵のチューナーの再生と言う意味ではなんら問題のないものですが、外部入力の機器の操作に関しては一切の操作がありません。
ボリュームもシステムそのもののボリューム調整で調整するひつ世があるというのはどうかと思います。
有償ながらSlingPlayerMobileは、PCと同様の操作を実現しているので無償提供とはいえ大きく改善する必要があるでしょう。
せめて4Wayキーでボリュームの調整が出来るなどの効果が欲しいところです。
再生画質に関しては、PCと同様に立て横比の問題がありますがSlingPlayerに比べてシャープで文字などは読み易いのですが 画質がよいかと言うとどっこしよぐらいです。
ニュース向きですね・・・・
プレーヤーソフトなのですがIntel/marvel PXAプロセッサとそれ以外のプロセッサと区別されています。
PXA専用のものはどうもチューニングされているようで高速に動作する物の、Samusungのプロセッサーなどではかなりのクロックを要求します。
恐らくH264のアンデコードの問題だとは思いますが、かなりの割合でSamusungのプロセッサも出ているのでその拡張命令を使えば同様のスペックになると思われますのでその対応は望みたいと。
ちなみに、GoForce搭載の機器では(EM ONEα)画面すら出なかったのでこのあたりも・・・
 
○その他の特長
録画機能と複数の同時視聴に関しては、機能としては持っているものの実のところその運用のルールを決める段階でスタンダードとなる部分が無くポリシーそのものが一貫性を欠く部分があります。
録画は録画の設定メニューから行いますが、この操作は全てマニュアルで入力する必要があります。(開始時間の秒まで)
その割には番組名などの入力を許可していません。
故にファイルネームは、録画日、時間のような非常に見にくいものとなってしまいます。
今のところ、監視カメラの設定メニューそのものです。
画質に関してはビットレートの制限がかからないのか、ストリーミングに比べて僅かに高いビットレートが常時確保されているようで比較的満足できる物です。
外部入力機器の録画も出来ますが、その際にリモコンのコントロールを行う機能等が無い為に今写っているチャンネルしか録画できません。
何よりも問題なのは、再エンコード機能がないことで録画したビデオをストリーミングする画質に変換することが出来ない為に2Mの回線が確保されない限り ビデオを快適に見ることができません。
ただ、録画したファイルをファイルサーバーからクライアントのHDDにコピーする機能(ファイルサーバー機能となっています)はあるのでダウンロードしての視聴は可能です。
このファイルサーバー機能は動画ファイルに限定されないので、このサーバーを解したファイルの交換も可能です。
 
同時接続機能も、全ての操作が可能なadmin、視聴だけしか出来ないguestの二つのクラスが設定されているわけですが管理ユーザーの複数ログインも可能になっています。
それ故に、コントロールできるユーザーとコントロールできないユーザーと成るわけですが そこから録画したビデオの再生なども出来る為に(1人はビデオの再生、1人はアナログチューナー)チャンネルを変える事の出来ないユーザーにアナログチューナーの画像が送られて着たりという矛盾した状況が発生します。
 
録画・同時接続 両機能の問題は恐らく時間が解決するべき問題でしょう。
ユーザーが使い勝手に関してフィードバックを返せば恐らくそう遠くない未来に改善する物と。
 
○総評
今回は問題点を挙げ連ねると言うスタイルをとりましたが、実のところ非常に便利に使っています。
何よりも、orbやSlingBox(ただしClassic)に比べて画像が非常に良いのが特徴です。
前者は、エンコーダーの性能によるもので、後者は機器の登場時期によるものかとは思います。
それでも、PCでMPEG2 4Mで録画したのと同程度の画質が確保されることからも録画機としてもかなりの物です。
デジタルへの対応の問題は有りますが、今からでも2年あります。外部入力でつかうとすればそれ以降も使えますし HD画質を垂れ流せるほどのパケットが一般的に使えるかと言うとそういうわけにはなかなか行かないと思います。
勿論、外国に拠点を置いている人などは別だとしても ホテルのLANなどはそこまでの速度が出ないからです。
未だ発展途上の商品を購入するのは度胸のいる話ですが、全部入りといってもいい機能で 3万円弱で台湾で手に入るのはかなりお買い得ではないかと思います。
インターネットを通じて自宅のテレビをPCで見たいとなれば選択肢は限られてきます。
その中で、日本語対応となるともっと絞られてきます。
入手の難しさが最大の問題ですが、とりあえず欲しくなる機械だと私は思うのですがいかがでしょう?