速度と馬力

AMDがOPTERONでデュアルコアCPUのデモを行いました。
プロセスルールの変更の効果も得て、シングルコア版と同じ消費電力であるとアナウンスされています。性能は倍だと言うのですが この倍には速度がという言い方はされていません。
CPUの場合処理速度の物差しは沢山あります。得意不得意がありますから。
もともと、シングルタスクのDOSの頃であれば その指標は比較的単純なものだったのですが、擬似と言われるマルチタスク化しそのまま、マルチタスク世代に突入しました。
その用途の中には、3Dのアプリケーションをぐりぐり動かすものと DBやWEBのサーバーのように複数のアクセスを効率的に処理する作業とで役割分担が変わってきたようです。
車に乗って、200km/hを超えると 私の個人的な感覚かもしれませんが一気に視野が狭まります。そしてこれは乗っていては気が付きにくいのですが、言葉どおりすべる様に走ります。というのは常時 幾許かのスリップを伴って走っており(車とタイヤによりますが)大きな挙動はすべてスリップの一段階をおいて動き出すようになります。
と、同様に(って、その危ないものと一緒にされるのもどうかと思いますが)CPUも特殊な用途以外は、すでに最高速は 100km/hの制限最高速度に達していて というより、国産車の最高速(メーターがそれ以上刻まれていません)の180km/hぐらい出るようになって来ました。
勿論、既に一般の事務所では 車の大衆車のカローラに該当するcerelonの2.4~2.6ぐらいが今から導入されるPCでは一般的なのでしょう。
事務の作業に関しては、大半 400Mでもあまり困ってないようなのですが。
まあ、それはさておき 乗用車があるようにトラックもあります。最低限の速度さえ出るのであれば 沢山荷物を積めるほうが良いという用途もあります。
今回のマルチコアはその方向に進みそうな気がします。
マルチコアのCPUの性能は、ピークのシングルタスクに関しては シングルコアに比べて高くは無いからです。
現在の提供されている資料から考えれば、明らかにマルチコア化にあたりクロックを下げているようですから。でなければ提供されている資料のパフォーマンスが低すぎますから。
WEBサーバーのように単純作業でデーターを送り出すだけにもかかわらず 受け取るべき相手がとてつもなく多い場合には、効率的な方法なんでしょう。
一台のPCで処理できるべきクライアントの台数が増えるわけですから。
ただ、これがエンコードや3Dゲームの結果となると、単純に計算結果の早いものだけを求められるのでそのスペックに以外と満足できないものになるかもしれません。
ただ、遅くて済むものであればそれに越したことが無いと思うのですが。
EDENと呼ばれる、VIAの省電力CPU、AMDのMediaGXの後継に当たる省電力CPU、intelのpentium M、そして トランスメタのefficeon と省電力チップの主力が1G帯に集中しています。そして、このマルチコアチップの母体と成るOPTERONは2.4Gぐらいがシングルコアの高速な部類です(もちろん、Pentium4のクロックとは一概に速度だけで比較できません。)がそれのマルチコアで 例えば同じ消費電力で考えるなら 2/3程度の速度でも可能になるのではと。上に行けば行くほど 消費電力が熱になる比率が高くなりますから。勿論、それに伴って消費電力が高くなります。
で、あれば程々の辺りで使うと、消費電力の削減になるしそれでも2個で使えば 程々の速度の処理が沢山来る場合には十分かと。
実際問題、パフォーマンスメーターを動かしながらPCを使ってみてください。
例えば、ワードで文章を打つとき、エクセルで計算式を入れるとき、そしてメールを見たり WEBを見たり まあ、起動時ぐらいでしょう100%になるのは。多くの場合50%にも満たない速度で動いています。
AMDのathlonを例に取れば、1.3台Gで2000+という名称になり Pentium(どのPentiumか言わないところがミソ)の2G相当の速度が出ることになっています。そう考えれば十分な速度でしょう。
athlon64で CPU内部にメモリーコントローラーチップを同梱しました。これは賛否両論あるでしょうし、良いとも悪いとも評価できないのでしょうが 現状では、その構成が図らずしもマルチコア化を容易にする(狙っていたのかもしれませんが)方向に働きました。
そしてその効能は、メモリーのバンド幅をCPUが有効に(今の間ですけど)使える方向に働き DDR2と同時に動けばメモリーのバンド幅も最低限 今と同様に(各コア当たり)確保できますし、なによりメモリーも含めて省電力に働きます。2G、3G当たり前のサーバーの世界では メモリーの消費する電力も馬鹿にならないですから。
ある一定水準まで技術が進歩するとその成長が鈍化する地点が出てきます。そして、そこまできたら 技術が水平方向に展開するようになります。
いまだ、マルチコアは性能向上のための試みの位置づけですが そろそろ、水平展開の始まりのような気がして・・・