ミニノート

歴史的にもというほど歴史のあるほど古いものでは有りませんが、昔からミニノートと呼ばれるものは多く存在します。
技術的に色々な部分で問題はありますが。
最近では、let‘s NOTEのR3(ってサイズが特別小さいわけではありませんよね)、Vaio U 少し前ならCシリーズ。
富士通はLOOXシリーズ、東芝はリブレット シャープはmuramasaの一部、ビクターのインターリンクなど。
もう少し前になると、CASIOのFIVAなんかもそうでしょう。
ず〜っと前になると IBMのPC−110 まあ、これは除くとしたらミニノートの現在の世代に与えたトランスメタの影響と言ったものは大きかったでしょう。
現在の主流格はやはり、Intelのセントリーノプロセッサ この世界ではAMDの出番は無いようです。
おかしな話ですが、リブレットを除くミニノート(過去にはSUB ノートという呼び方が多かったように思います)は、一般的なノートPCよりも価格が高いのが普通でした。
そんな言葉も無い頃に、ACER製の486のA5ノートを持っていましたが30万円を超える価格でした(お陰さまで当時DOS/Vという言葉をご存知の方は少なく英語しかしゃべれない子として非常にリーズナブルに手に入れました)。
勿論、技術的根拠がありました。恐らくHDDにしても自社生産だから東芝は可能だったのだろうと思いますが小型化するために薄いHDDは非常に高価でしたし、他の部品もそうです。小さなサイズの高精細液晶は当時主流のDSTNでは再現しにくく TFTが主流です。
今ほどで無いにしても発生する熱を逃がすための仕組みも凝ったものになっておりキーボードのベース板をアルミにしてそこを放熱板として利用する(最近では結構一般的かと思います)といった工夫は手間こそかかれど 当時は得るものの少ない技術だったのでしょう。
消費者も、CDも付いていない 勿論FDDも付かない(別に買わなければいけない) その上小さいのに高いと条件的に悪いものを買うことも無くあまり選択肢の無い市場でした。
また、日本と違いアメリカは車社会でA4サイズであれば十分持ち運びに便利なサイズだったので流行はしませんでした。
しかし、そういった停滞した市場に一石を投げ入れたのが「トランスメタ」という新興のCPUメーカーの作る「クルーソー」CPUだったのです。
CPUにとって最も手間のかかる命令のデコードをソウトウエアーで処理する方法を取り 一気にダイサイズの縮小を図りました。
多少の差は有りますが、一枚のシリコンの板から いくつのCPUが取れるかで価格が決まるのが半導体です(勿論、その性能も大きなウエイトを占めます)非常に安価なCPUとして発売されます。
過去の資料は無いのですが、現在のクルーソーはメモリーコントローラーを含むノースブリッジと言うチップセット部をCPUのダイの中に組み込んだ形態になっていますので メモリーコントローラーなんかは用意する必要が無いので、コストが下がります。勿論、実装の上でもそれだけの面積が下がります。
今となってはそれが裏目に出たのか、Efficeonの登場を待たないと クルーソーの販売数がノートPC方面に伸びなかったのでモデルチェンジが思ったように進まなくなりパフォーマンスの面で不利になる選択しか出来なくなっていったのが問題なのでしょう。
今では、解消されていますが AGP(アドバンスド グラフィック バス)、DDR メモリー、ATA対応等で後塵を浴びた形になっています。
登場した当時は、16bit OS(32bitだとマイクロソフトの弁)のWinodws95が 32ビットへの変遷を行った頃に普及したために 16bitOSを対象に32bit命令の多用は無いと踏んで設計された(と思われるです 実際は不明)CMSが効率よく動かず もっさりしたとか重いとかいう評判を受ける結果になってしまいました。
また、一度使った命令をキャッシュしていくタイプなので 初回の処理がどうしても重くそれが起動時に大きな影響を与えたことも確かでしょう。
細かな進歩はしています。
誰もあまり気が付いていないでしょうが、例えばVAIO U1 と U3 tあだクロックが変わったわけではなく CMSの為のキャッシュエリアがメモリー上16Mから24Mに増強されています。これによってより多くの命令(個人的な感想ですが焼け石に水、キャッシュ出来る命令数を増やしても 32bitの効率の悪さはあまり改善できなかったのでは?と思わせる節あり)をキャッシュできることになりました。
他にも、PCの電源を切るときにCMSの内容をHDDに記録しておいて 立ち上げ時にHDDから読み込むことによって 電源を切る前の効率化の行われた状態を再現するなどの変更が加えられています。
ですが、遅いHDDと組み合わされることが多く インターフェースも遅いためにやはり立ち上げの遅さを解消出来え無い結果となってしまったようです。
ただ、クルーソーの残した功績は大きく、LOOXやリブレット(Lシリーズ)、Laveの一部等 20万円以下のミニノートの発売を促し そのことを日本から世界に知らしめたことでしょう。
結果的に、その時の評判がEfficeonの販売にも暗い影を落としているにしても、intelにセントリーノを作らせ、小さいノートを存在させているのはそのお陰かと。
OQOを初めとする、海外のこのクラスのPCは何故かクルーソーを採用しています。
位置づけとしては中途半端になって、日本のように良くない評判が廻らないかが心配です。