難しい PCの購入時期

ネットブックのヒットは書く半導体メーカーのロードマップに大きな影響を与え始めました。
IntelATOMの拡張を続けながら、Coreのローコストバーションの投入を。
VIAは既に発表のあったNanoプロセッサーのリリース。
AMDはYoukonといプラットフォームのリリースを行いました。
これで一気に市場は混乱するでしょう。
 
当初のネットブックの登場はUMPC市場でC7プロセッサが以外にも健闘を見せて、そのクラスに適合するIntelプロセッサがありませんでした。
クロックを一気に落としキャッシュを削ったPentium3と言われたA100/110を投入した物のその不利感は否めませんでした。
しかし、予定していたスケジュールのATOMプロセッサーが埋めるべく脚光を浴びたわけです。
ところが実際に注目を浴びたのは、UMPCUMD向けのプロセッサではなく セットトップボックスや制御系を中心と考えられていたARMプロセッサをMarvelに売却した部分のカバーとして登場させた廉価版プロセッサ。
使い古されたチップセットと、廉価版プロセッサの組み合わせは$100ノートほどチープではない物の 十分に実用的な$400ノートを登場させました。
VISTAの普及の遅れが、Linuxの低価格パソコンを生み出し それに対抗すべくこれも安価なWindows XPを投入できたこともその一因です。
軽いヒットだけなら良かったのですが、思いもがけぬスマッシュヒットに回りはざわめいてしまうこととなります。
完全に住み分けられるべく予定されていたはずなのに、ノートPCの主力となるクラスすら脅かす結果となってしまっているのです。
既に6割を超えて7割に到達しようかと言うノートPC市場の重みは大きく、尚且つその市場の大半を席巻するIntelにこそ影響が大きく出るわけです。
 
ネットブックが市民権を得ると、そこから派生した商品も登場します。
同じプラットフォームで画面が大きい物や、OSの異なる物。
ところがATOMには足かせとなる制限が少なくない。当初の予定が異なるモデルであるからです。
モリーの容量しかり、インターフェースしかりである。
ところが、ノートPCの下位層を目指していたのがAMDやVIAである。
Coreプロセッサに近い性能で、より安く作ることの出来るプラットフォームの設計を行っていたのが ネットブックの上位層とオーバーラップし始めた。
例えば、NanoプロセッサーであればCore Soloと同じクロックであれば近い性能を持ち ワンチップで構成されるVX800等との組み合わせで十分な性能のノートPCの下位クラスと成る。
勿論、4Gのメモリー搭載も 64Bit OSも、PCI-Expressのインターフェースにしてもである。
ATOMに高速なグラフィックカードを増設してもインターフェースの関係でボトルネックが発生してしまうのである。
勿論、今までのC7プロセッサのPC達との互換性が高く 比較的OEMベンダーが持っているプラットフォームが選択しやすいという条件もあります。
そして、突然発表された Yokonプラットフォームと呼ばれるAMDのものは クロックを大幅にデチューンしたAthelonプロセッサーと組み込み機器用のすでに実績のあるM690チップセットとの組み合わせである。
組み込み機器用の流用はEverunでもおなじみの手法で、基板コストと面積の少ないことが条件のシステム設計を要求される所なので非常に整合性が高いのです。
今回の物もチップセットには2D+のグラフィックコアまでを統合しても3Wで動作すると言われるチップセットとの組み合わせです。
4xと制限される物のPCI Expressにも対応し CPUクロックに合わせて動的に変化するAMDの電力制御にも対応しています。
 
現在の情報では、VIAは第一四半期中に搭載のPCを出すことでしょうし、AMDもネットブックというには大型かも知れませんがHPからのリリースが予定されています。
VIAの物は明らかにOEMベンダーのものなので、概観だけ異なる同スペックのものが近々他のメーカーより登場することでしょうし、同機能で$100安い若しくは同価格で 高性能なものが登場すると言われています。
VISTAでの動作も十分なレベルで、Windows7には4GのRAMを搭載した64Bit機として登場させるとも言われています。
AMDは既に発表のあるところでは、現状VISTA搭載の2GRAMモデルでネットブックに対抗できる価格と言われていますし、3Dのアクセラレータを搭載したモデルも同時に発表されています。
1世代前とはいえ、十分なミドルエンドのグラフィックカードネットブックに持ち込みそうな状況です。
両者とも動画再生支援をグラフィックチップに持ち込んでおり、良く使われてCPUの負荷の高い処理をカバーしているわけです。
 
VIAとAMDからのリリースが順調に第一四半期から第二四半期中に行われたとすると、Intelには現行のCerelon等の下位クラスの販売コストを下げると言う手に出ざる得ないこととなるでしょう。
勿論、新しい名称のCPUとして何らかの小改良を加えて出すのでしょうが・・・・
それよりもチップセットのリリースが急がれることでしょう。
HD動画などを再生するデモが店頭で当たり前に行われるようになると、不利は否めないわけですから。
DVD搭載のネットブックが登場してネットブックも差別化を求められています。
その差別化に対応する為の次の一手がどうなるのでしょう?