ディメンション考

車の話なのだが 車にはその構成に応じていくつかの呼び名がある。
いわゆるFFだとかFRだとか言うものの話をしたいわけだが・・・
 
車の場合、タイヤを4つと定義すると(一部そうでないものはある)基本的に真ん中名の部分に人が座る。
少し前だとか後ろだとか言う話はあるにしても
なぜそうなるかというと 一つは安全面だが これは最近の思想である。
古くからあるのは 重い部品は車お中心に集めるという思想が結果的に車を良いものにするからである。
なぜそうなるか?
簡単な話で 世界には慣性というものと遠心力というものがあるからです。
特に、この場合は遠心力というのが大きなものとなる。
車が曲がり路に来た時に ハンドルを切ると左右に前輪が切れてそちらに曲がってゆく。
その際に、外側の重量のものほど大きな遠心力が働くことになってしまう。
 
車の中で重い部品なのですが 多くの場合いくつかに分類される。
一つは 人である。装備重量で100kgぐらいとなると レーシングカーなどでは10%を上回る大きな部品です。
そのうえ完全に固定することが出来ずに動き回る厄介な部品なのです。
尚且つ、強度をあげたり軽量化したりの難しいパーツなのです。これが一番難儀なのです。
置き場所によっては不満も言うし、暑さ寒さでの劣化の顕著なパーツでもあります。
で、次はエンジンで、その次は変速機、燃料などです。
他には駆動系のタイヤやサスペンションなどとなるわけですが 起き場所的にはこれはあまり動かせるパーツではないので無視せざるえないわけです。
 
エンジンを前輪に近い場所に置くのが一般的に言う「FF」という形でエンジンが前で駆動も前のものという意味です。
トランスミッションは狭いエリアにエンジンをおしこめたこともあってエンジンと二階建て構造になっているものが多いようです。
そして、もう一つ有名なのが「FR」という形式で エンジンは前に置いて駆動を後輪にするという方式で エンジンの大きさが大きい頃には一般的でした。
今でも排気量の大きなことで有名なアメリカ車などでは採用されています。
舵を切るタイヤと 駆動するタイヤを前後に分けているので スポーツ用途の車などでは好まれます。
変速機はエンジンの後ろ運転席の横辺りまで張り出ている形式が多いのですが 後輪前に変速機を置いた前後の重量配分を考えたものもいくつか存在します。
そういう意味でも「FF」というのは前が重たくなってしまうわけです。
 
珍しい形式では後部座席が普通の車で乗るところにエンジンを置いた「MR」という形式で ミッドシップと言われる居住性を無視しても四つのタイヤの真ん中に重量部品を押し込んだ形式です。
レーシングカーはこの形式のものがほとんどです。
他には 「RR]と言われる後輪の上若しくは後ろにエンジンを置いて後輪駆動の車などもあり ポルシェの911しかすでに現行の車はないのですが 特殊性の高い車で使われるものです。
 
重量物を・・・というのは正しい考え方で慣性の法則に逆らい どこまでも速度を追求した故にたどり着いた先なのですが
それをも上回る速度で パワーが発達したり、タイヤの力、サスペンションの力が発達したことで必ずしも性能的に採鉱ではなかった「FF」が世界中の車の大半を占めるまでになったのは皮肉な話ではあります。
現在のFFの車と昔のFRやMRと比べても 乗り味はともかく速度などでは比べるべくもないわけです。
 
ところが最近、この考え方もまたしても変わってきたわけです。
コンフォートなセダンといえば2lぐらいの排気量のエンジンを搭載した車だったのですが 最近はそのこと自信が崩れてきているのです。
エンジンが1lちょっとといういわゆる後ろが二台と共有されている小型車に多い排気量のエンジンが搭載されていたりするわけです。
これは、安かろう・・・・となったわけではなく 車両価格は今まで以上になっているのですが エンジンは小さくなり馬力もずいぶん小さくなっています。
価値観そのものを覆す話なのです。
これれは「ハイブリットカー」と呼ばれていて エンジンの力と電気の力で動きます。
まあ、細かい仕組みの話は今日はおいておいてなのですが 電気の力で動く部分に関して言うなら4つのタイヤの中にモーターが入っていて電気で動くときにはここで駆動します。
 
モーターは電気の力を回転力に変換する機械なのですが まあ、電気で動くエンジンというべきものです。
ガソリンエンジンの部分を軽量化して 排気量を半分にして重量を半分近くまで減らしたうえで、モーターと電池で重量を増やして少し重くなったにしてある車です。
エンジンという重量物の一部を 4つのタイヤに配したということでいえば この場合どう呼びましょう?
重量物というなら重いのは 今度はバッテリーです。
車用バッテリーに近い大きさのバッテリーを敷き詰めて動力として使っているのですが
その重さは・・・なのです。
これらは多くの場合リアシートの下などに積まれており 先の話でいうなら4つのタイヤの中に配置されているわけです。
 
今はまだガソリンエンジンを搭載しているわけですが これがモーターとバッテリーだけになるとどうでしょう?
当然、モーターは車輪の中。
椅子の下などに置いているので 構成的にはミッドシップといえるだろう。
そして、駆動に関しては4輪すべてが駆動することも難しくないわけです。
FFに比べてFRが・・・とかいう議論そのものが成立しないわけです。
どこに何を置くかという根本がズレてしまうわけです。
 
時代の変化というのはそういった物で
価値観そのものを覆すというより 価値そのものを認めなくなってしまうという形に
ここで スポーツがどうのという話となると
スポーツに関してはエンジンで、そうでないものは電気駆動という風に比較の対象が変わって・・・
それも一時期のもので徐々に電気にシフトしてゆくと 量産され数量が出るものに開発費がかけられ進んでゆく速度が上がるという時代の変化に飲み込まれてしまって 開発費がないからエンジンのものは・・・となってしまうかも。
起き場所そのものすらなかったことにしてしまう進歩って 面白いと言っていいのか怖いと言っていいのか・・・

written by HatenaSync