多機能化の進行とリセット

SmartPhoneは 本当にいろいろなことができます。

例えば、インターネットのホームページを見たり、メールやSNSの送受信等とか写真を撮って 動画も撮影します。ほかにもお財布機能だったり 定期券だったり、予約券や、ビデオを見たりと 本当にできないことがないぐらいにいろいろな機能があります。

その上、電話までできるのです。

 

沢山の機能があると、それを実行するための性能が必要となります。

分かりやすい例で言えばカメラで、基本的には光学的なカメラユニットが実際の画像を受光しそれをデジタルデータに書き換えるわけですが、その前に撮影するものまでの距離を測りそしてピントを合わせる必要があります。

単純に真ん中に被写体があると仮定して距離を測るのならいいですが 写したいものが真ん中になければどうしましょう?昔ならシャッター半押しでピントを固定してからカメラを動かすとしていたので 同じような処理はピントを合わせたいところにタッチしてそこに合わせてしゃぅたーを押すと写真が撮られるわけですが みんなそんなことしてないですよね。

Aiと言っていいのかどうかは分かりませんが それを演算処理できっとここにピントを合わせたいんだろうなというところに勝手にピントを合わせてくれます。

最近のもので言うと、複数の被写体があったときに対応するように 複数の写真を撮影してピントの合った部分を合成して ちゃんとピントの合った写真にしてくれます。

同時に、明るさの設定や 周囲のものの色に合わせて色調も補正してくれます。

例えば、黄色い壁のところで写真を撮れば 顔にあたる光が壁からの反射なのでどうしても黄色によってしまうわけですが それだと不健康に見えるのでちゃんと赤味が差した肌色にしといてくれるわけです。

というか、人物の撮影に関しては 非常に高度な補正がかけられ 目を少し大きく あごのラインをとがらせたり 目の下や暗くなっている部分を明るくしたり 唇の色を赤めに調整して 皺をけしてと・・・ まあ、簡単に言えば 良く道端でやっている似顔絵を描いてもらうようなことを非常に写実的に行うわけです。

本物じゃないけど、見る人にとっては良く映してくれるほうが正しいと思っているわけですからそれでいいんです(笑

 

カメラの例で言いますと CMOSなどの感光素子やレンズがいいものを使ってないと当然出来上がる写真もそれなりなのでそこにコストがかかるのは当然なのですが そうすると出てきた写真も高精度なので その補正処理も非常に沢山の要素が必要なために処理的に重たくなりますので 当然演算装置となるCPUやGPUは高度で高速なものが必要でそれに伴ってメモリーもたくさん必要になります。

単純に写真がきれいなだけで 値段がぐんと上がるわけです。

そして、高度な性能は次の世代の普及機に割り当てられ 次世代ではより高度な処理が追加されてゆくわけです。

時間がたてばたつほどに 性能を上げなければ新しい商品が開発できなくなってゆく訳です。

普段はそこまで機能を要求しないのにです。

 

良く売っている10インチぐらいのタブレットなのですが 安いのだと2万円を切っています。

SmartPhoneが通信契約をしないと3~4万ぐらいからなのに対して 通信機能がないだけで液晶が大きくバッテリーも大きいのに妙に安くないですか?

使ってみるとなんかすごく遅くてびっくりしたりすることがあります。

しかし、動画を見たり WEBを普通に見たりぐらいだと全然不自由しません。

こんなもんだと納得はするわけですが、前述通りのカメラの性能はというと 現実をそのまま写し取る感じのカメラだったりするわけです。

暗いところは暗く、明るいところではまぶしくて見えないような微妙に解像度の低い画像が撮影されます。

感光素子そのものもすごく安いものが使われていているのもありますが 処理も無理できるレベルではありませんのでしていませんという感じです。

モリーも大して積んでないので、解像度も上げませんという仕様となっています。

それでも、まあ困らない用途であればいいのです。

 

数年に一度、原点回帰のような話題が出ます。

PCを利用中にタスクマネージャーを見ていて思うのですが うちのPCなんて コアの半分はすでに電気が切られていて動いてない状態が殆どなのです。

そうでないとしても10%未満のアイドル状態がPCの稼働中では最も多い状態で これはヘビーユーザーにおいてもほぼ変わらないのです。

であれば、無駄にエネルギーを使い価格を押し上げているパワー競争から外れようという考え方です。

一般的に言うクライアントPCなんかもそうで、本格的な処理はサーバー側で行われるのでクライアントは軽量で良くてそんな事よりいろいろなサブスクリプションにもっとコストをかけてもらうビジネスモデルが進んでくるわけです。

 

多くのクラウドサービスを提供しているGoogleは クラウドを利用する端末で軽量化を行い クラウドサービスへの誘導を行っています。

現在、安価に使える端末として大人気なChromeBookです。

ハードウエアの要求スペックが低いこともあり Tabletと同様のチープなスペックで動きますが端末としての機能を充実させるために 多めのバッテリーと比較的立派なキーボードを搭載していますし タッチパネルも持っているものが多くなっています。

そして、Googleのサービスと連携すると Officeスイートと言われる一般的なビジネスや学生の使う ワープロ表計算・プレゼンツール等が過不足なく使えるわけです。

もちろん、メールやインターネットもです。

Windowsのような何でもできる重量級ではなく、難しい処理はクラウドと連携して全体では快適に安価に使えればそれで良いという割り切りが潔いわけです。

凡そ半分以下の価格ですので 売れるのもよくわかります。

 

じゃあ、クラウドを利用した安価な端末が正義かというと うれしく無い人たちも一定数存在します。

最も大きな層は そもそものChromeBookを作っている会社たちで、大体の会社がPCも生産しています。

半額のChromeBookを同数販売すれば たとえ利益率が変わらなくても額的には半分になってしまうわけです。

その会社の株を持っている投資家に対して 「売り上げが半分になりました」なんて報告をすれば株を全部売られて大暴落が始まるのでそんなことは許容できないのです。

その上、APPLEのような1社独占なら良いのですがライバル会社もいます。

自社の商品を買ってもらうためには 値段で勝負するか機能で勝負するしかありません。

価格での勝負は、投資家への評判をより落とすわけですから できれば機能で勝負したいのです。

と言うわけで 機能の高いChromeBookの高級機も登場するのです。

ぐるっと回って シンプルでスペックを必要としないはずのものがやっぱり必要だという風に変わってゆくだけの理由がそこにはあるのです。

GoogleAPPLEという比較があるわけですから 機能的にも追加する必要があり アプリケーションの充実を簡単に実現するために Androidのアプリをそのまま動かせるようにしたことで Android SmartPhoneと同様の処理能力を必要とする場合もあるという事を見せてしまっているのです。

 

決局、高機能競争に入ると より近い高機能機で Windows On ARMのような機種も比較として登場します。

高級ChromeBookを作って小改良でWindows OSを乗せれば出来上がりとなるならメーカーもメリットが大きいのです。

Windows用の専門プロセッサーは 要求事項の近いChromeBookにそのまま流用可能です。

より高機能なChromeBookが登場する土壌ができていて それによってWindows機の登場も加速される可能性がという 自然と敵を擁立する流れになってきているわけです。

リセットされても、結果的には同じ方向に戻るという形かなと思ったりもするわけです。