分散コンピューティングとボランティア

今日の記事で、10%のユーザーが トラフィックの90%を消費すると書いてありました。
PtoPのトラフィックユーザー(ファイル交換等、ダークサイダーなユーザーが多い)がネットワークの施設を食いつぶしている姿が書かれています。
たしかに、先日捕まったファイル交換ソフト等でファイルの交換をしていればこのトラフィックの増加も十分に考えられますし、それが故に過度の設備投資を迫られる通信業者やそれ故に遅くなってしまうネットワークを使わせられているユーザーにとってはたまったもんじゃない。
今後、VPNルーターなんかが安価で普及すると、家のサーバーと会社の端末を?いで仕事するとかも沢山出てきて いずれトラフィック量に寄る課金が始まってしまうかもしれません。
出なければ、健全なネットワークが運営できなくなりますから。
例えば、ビデオオンデマンドと呼ばれるストリーミング放送。
QTなんかのMPEG4で送られてくる画像は、PCで見ても見事な物で あまりの綺麗な画質のため 光ファイバーのネットワークでしかストリーミング再生が出来なかったりするサイズの物があります。(例外もあるのでしょうが)
あれが、日本全国で今のテレビのように再生されたら それも、各自がまちまちなタイミングで再生要求をしたりすると ネットワークを流れるトラフィックは恐ろしいことになるのでしょう。
送信する側は、顧客の要求に合わせて回線を増強したり、サーバーを大きくしたりと対応策を順次売ってきます。しかし、中間の回線を支えている業者(?)やインターネットの接続先であるプロバイダーはそんなことに合わせて(顧客のどれ高がそういったものを利用するのかのデータも勿論知らないと思いますが)拡張してゆく資金は無いでしょうから。
そうすると、その中間に該当するべき業者の苦悩が始まるのでしょう。
ところが、その問題に尊い目的で参加しようとしている団体がいます。
ただ、無作為にトラフィックの増加を発生させる業者と違いそのへんの問題は既に既存の問題として認識されてますが、回線上の負荷を均等に高める恐れのある試みです。
各家庭、各企業のコンピューターは、既に大型トラックのように 僅かなメール受信程度の作業に 3Gを超えるCPUパワーを振り回しています。
発生させる熱量は、100Wの裸電球並みで、あたりを照らすわけではなく マウスカーソルの動きを画面上でエミュレートするだけ。勿論、モニターの使う電力は別で。発生させた熱はまた、電力を消費しながら外部に放出し 地球を暖めるほどではありませんが 確実に私の部屋の温度は2〜3度上げています。
最も、何か計算をしたからといって、特別熱量が莫大に増えるわけではない。ならば、その間にコンピューターのパワーが足りなくて困っているところの計算を変わりにやってあげよう という試みです。
多くは、スクリーンセーバーを常駐させておいて、そのスクリーンセーバー自身が余剰パワーを利用した計算ロジックになっています。
世界中のコンピューターの余剰パワーを集めれば、世界最大のスーパーコンピューターが出来上がる理屈である。
まるで、「みんなの元気を少しずつおらに分けてくれ」とエネルギーを集めて 放たれる元気玉のように・・・(漫画、ドラゴンボールの登場人物 孫悟空の必殺技の一つ)
その試みには、intelも賛同し、活発に活動なさっています。
しかし、"speedstep" でも良いです "Power NOW!"でも、どちらでも良いのですが 新しいCPUでは多くの省電力機能を実装しています。
コンピューターの数が増えると 企業の払う電気代がたまらないので当然の成り行きなんですが じゃあ、遊んでいる時のコンピューターの余剰パワーが減ってくると言うことになります。
余剰パワーが少なくなればなるほど、タスク処理は細切れになり その処理の結果、処理の伝送の比率が増加します。
もちろん、余剰パワーが少ないので 処理速度も遅くなってゆきます。
せっかく省電力に入ったのに、余剰だと言われて目を覚まして処理が始まると余剰パワーを使う前提が崩れてしまいます。
ネットワークの負荷は尚一層、ボランティアで行われた尊い目的の為に高まってゆきます。
勿論、PtoPのように、ある一点だけで高いトラフィックが発生するわけではありませんが 全体的にじわじわと増えてくるような回線トラフィックが発生するでしょう。
勿論、コンピューターのパワーが欲しくて、集めて実行されるものでしたら良いのですが 余剰のパワーで無くなって来たようです。
今後、帯域制限やパケット単位課金になったときに どうなるのかが興味のあるところです。
それでも、参加しますっていえば完全にボランティアの世界ですね。
アメリカのように税金負けてくれるかしら・・・・・