デュアルコアがまだ

先日のVIAの発表で、3社ともデュアルコア(違う言い方をしますが同じ意味かと)をそろえて来ました。
発売時期は来年Q3〜Q4、あのインテルですら クロックの目標や予想を語らなくなったのは 高クロックの性能の向上を喜ばないお客が増えたのか 技術的な問題かは別としてよい傾向ではないかと。
現行の、マザーボードFSBと呼ばれるバス速度が1Gに達するようで、例えば1GのCPUが出れば、今までのCPUの表記では ×4倍とか表記されていた性能表記が可愛い数字に変わります。
1GのFSBで、2GのCPUであればコアの速度は×2 3Gで×3ですから・・
勿論、その通りに事は進まず、多くのデバイスが共用していますから一つの機器が全ての帯域を使い切ると言うわけには行かないでしょう。
どちらにせよ、FSBの向上は 今まではどんなに早くCPUが計算をこなそうとも その後のデバイスにデーターを送れる速度が、400Mだったりすればその分遅れることは明らか。
勿論、メモリーは今でもそんなに速くないですから やはりプログラム実行上の大きな動作ファクターになるメモリーの転送レートがボトルネックに成るのですが、それに関してはCPUのキャッシュ容量の増加がある程度のカバーをしてくれるでしょう。
そうなった際に問題に成るのは、CPUコアの数が増える事による同一のメモリーやデバイスにアクセスしたときの遅延が。
同じメモリーに、二つのCPUが書き込みを始めた場合、当然のことながら今でもボトルネックの一つになっているわけですから、その速度が1/2に落ちてしまいます。
では、と チップセット側で二つに分けてメモリーを別々に持つ そうするとお互いの読み出しをお互いが干渉することが無くなる。故に二つのCPUは速い速度で動ける・・・
って、それならば二台のコンピューターがコンパクトに成っただけ。二つのCPUコアがお互いの間で高速に情報を共有できるのが強みなのですから 双方の間で、メモリーを通じて高速にデーターの交換が出来る仕組みが必要です。
ハードウエアーで、その仕組みを作る方法と ソフトウエアーで作る方法があります。 勿論、今ならばソフトウエアーで作る仕組みが簡単で(というより、ハードベンダーはソフトベンダーに投げるのが賢いんでしょうね)同じメモリーでも 同じマップに該当する場所は互いのCPUに割り振らないようにすれば良い訳です。
簡単な話(最も違う例だと思いますが)、メモリーが2本刺さっていれば 各々のメモリーに一つずつのCPUを割り当て、双方がデーターを交換しない内容に関してはお互いを干渉しないようにすれば当然速度は落ちにくくなります。
過去に、Pentiumが出た頃。2個のCPUを搭載するボードが出ましたが FSBの遅さが二つのCPUのデータをデバイスに伝えられずに、技術計算のような用途には向いていましたが、とても一般用途には速くなるものではなく消えて行った様に無くなってしまいます。
当時のOS(NT4.0)のタスク管理も原因だったかとは思いますが、一つのCPUが処理中にもう一つのCPUがお休みしている(タスクが0%)状態を何度も見ましたからあまりうまくなかったのでしょう。勿論、アプリケーションの構造もそういう状況だったのでしょうが。
もちろん、当時はそれでも感動しましたが 遅いと言われていたNetscapeを動かしならが他のアプリケーションを操作できましたから。その上 マトロックすのmileniumというビデオカードは2枚差すと二つのディスプレイに別々の画面を出すことが出来て それは垂涎の一品でした。
今では、ローエンドでも出来たりする機能ですが。
ただ、FSBの上昇は 限度を超えるとモバイルにとって決してよいことばかりではなく、高速で流れる信号を正常に通すために(エラーを少なく)遅い信号よりも電線の中を通るための抵抗が増えやすく、熱を発生しやすくなります。
ここからは、どうなのかは判りませんが CPUの速度は可変しますがチップセットと動機を取って動的に可変するとは思えないFSBがCPUの速度の最低限を決めてしまう可能性もあります。
また、それほどでも無くても、デバイスからの要求が高速で行われれば、嫌が応にもCPUの速度を上昇させざる得なくなり 思った以上に電力を消費する可能性があります。
CPU内部のスイッチと言うかバッファと言うかその回路への負担を減らした分、そこにしわ寄せが繰るような気がして・・・
確かに PXA250から255に成ったときに 同じ400MのCPUでも あっ、と思うぐらい速度が上がりました。
これは恐らくメモリーへのアクセス速度が倍に引き上げられたからだと思うのですが、そのペースで行くと速度の分だけ消費電力が増えてゆく図式が せっかく配線の細密化や新しい技術で消費電力を減らしても あまり効果がなくなるような。
現在のPPCの作動速度で、動画を見る。
確かに200%を超えるパフォーマンスはすばらしいのですが、平均して100%のパワーがあればちゃんとした動画が見れると言うことでしょう。
勿論、パフォーマンスチェックのために、フルスピードでチェックしているのは判るのですが、勿論、地球に優しくない行為の一つです。
早送りや巻き戻し等、瞬間的なパワーを要求されるタスクが多発するような用途であれば効果は高いのですが、一本の映画を見るのであればそのままでもOKかなと。
勿論、これはPDAに対してではなく PDAにも使われているCPUの話で大多数は、セットトップボックスやネットワークプレーヤー、LANディスクのようなものに使われるのです。
速度が上がれば用途は広がるのですが、十分事足りている用途にあまり高速のCPUを出すのもどうかと・・・