近未来の携帯電話

見かけが変わらず、ソフトウエアーがあまり進んでいないので実感しにくいのですが、携帯電話の中身となるものは大きく変化を見せています。
聞いた話なので、どこまで正しいかは解りませんが今回のって少し古いですが、FOMAの901シリーズにはSH−mobileのXコアと呼ばれる新しい世代のチップが揃って搭載されているようで、その単価が携帯電話の中で締める割合の中では大きな物では無いでしょうし 省コスト型といえど機能を落とすわけにも行かないので同じ物を搭載しているのではないかと思うのですが・・・・
ここで出てきた、チップはいわゆるCPUと言われる種類の物ですが、多くのインターフェースを持っています。例えば、デジタルカメラへのインターフェース機能。
どの携帯電話にもカメラが付いているのは、色々な問題はありますが カメラユニットの追加だけで付加価値を付けられるというメリットがあります。
あとは、FOMAの例をとれば、そのチップがあるだけで出来ることに 動画の撮影やMPEG4の再生などがあります。勿論メモリーカード自身を読み取るためのインターフェースは必要ですが、そのための口も用意されています。
こうしてみると、そう飛び出した機能の携帯電話が無いように どの携帯も同じような機能を持っているのも頷けます。
3Gの波は確実に、こういったアプリケーションプロセッサーメーカーにも訪れていて 現在は激戦場になっているようです。
今までと何が違うかと言うと、今までは国内市場に最新の機能のものが搭載されるので(特にGSM圏では通信速度の関係も有って メール程度しか使われていない場合が多いようです)国内市場中心のサポートでしたが、3GのW−CDMAとなると世界規模になります。同じ物が世界中のユーザーに向けて販売できるとなると市場規模が変わってくるだけに どこも、躍起になるわけです。
携帯電話の通信の部分と、それ以外のアプリケーションを実行する部分を現在は分けて考えていますが、コストダウンの為にくっつけてくるメーカーがあったり、基本的な通信部分以外 現在は通信チップに含まれているショートメールなんかの機能までを除いた通信チップだけを変更できるようにして、あちこちの通信方式の変更に対応させてワールドワイドな市場を狙う物まで出てきています。
電池も、昨日東芝から出てた物などは 1分間で充電し600mAの最大容量を持つ電池ですか・・・現在の携帯電話の電池と同じぐらいの容量で、同じぐらいのサイズ 明らかにターゲットを絞っているにも拘らず、汎用品ですと言ってこなす辺りが大人の会話です。
では、携帯電話にそれだけの機能が必要なのかというと、全ての人にそうではないとは思います。しかし、ワールドワイドな市場になったことで大きくコストを下げて来ることは十分に考えられます。
例えば、ルネサスの新製品
「SH−Mobile3A」 2月から見ていたのですが なかなか話題にする機会に恵まれなくて、当然次世代の携帯電話 恐らく来年度発売ぐらいの携帯電話から搭載されてくるのではと想像するのですが横並びで付加されそうな機能がいくつかあります。
例えば、デジタルカメラ機能。
サムソンがレンズフードのような物まで付いた携帯電話を出品していましたがあれは行き過ぎでは無いかと思いますが、今回500万画素のカメラの接続がサポートされました。
デジタルカメラでも、画素数だけが高くでも使い物になりにくいのがレンズの性能ですがこれは携帯電話を出荷するメーカーに任せるとして、それ以外の部分 メモリーのインターフェースやJPEGの圧縮なんかの部分でハードウエアーの補助が行われます。こんな事ぐらいと思うのですが、例えば画面にサムネイル表示することや、人に見せるのに選ぶこと。現在の200万画素の状況でも 普段PDAやちゃんとしたデジタルカメラを使っている人には遅く感じられるでしょう。逆に言えば レンズが良ければオペレーションと言う意味では(画像補正とかはおいといて)あまり機能が変わらなくなるでしょう。
当然、連写機能も装備することになるでしょう。
内部の本当のCPUユニットも216Mですので、QVGAぐらいでへこたれる性能ではありません。
勿論MPEG4のフルデコーダーも搭載していますし、H.264にも対応しこの再生ユニットだけではVGAサイズの動画の再生も(30fps)も軽々こなしそうです。
でも、この辺は今までの携帯電話とあまり変わらない印象を受けるのですが、意外にもそうではありません。
このH.264のデコードのサポートはメーカーもトップに言っているように、地上波デジタル放送を睨んでの物と思われます。
配信が、電波だけと特定する必要は実は無いのですが、それ以外のメディアからの動画配信をあまりイメージできず、恐らくあるとすればIP電話機能をもってHOTSPOTでの安価な通話なんかをサポートしたおまけにストリーミングされる放送を見ることが出来るぐらいでしょう。
ですが、地上波デジタルに関してはアンテナさえあれば、少なくとも来年には首都圏、都心部では受像が可能でしょうし、近い将来にアナログ放送が無くなれば 日本中どこにいても地上波デジタルになるわけですからそういうことなんでしょう。
勿論、CPUの速度でその表示を行うことも出来るでしょうけど、こういった専用のアクセラレーターと汎用のCPUでは 特定の作業を行う時のエネルギー効率に(いわゆる電池の持ちに)大きな差が出ます。
バックライトの問題もありますが、恐らく3時間ぐらいの再生を目標にしているのではなんて想像してしまいます。
現在の、アナログ放送は残念ながら デジタルに変換する作業があったりとあまり効率の良い電力の活用はできて無いのでしょう、あまり長時間の視聴には向いてないようです。
もちろん、テレビ電話2とかいう現在の倍のフレームレートで再生する 新しいテレビ電話も始まるかもしれません。
NTSCの出力も付いていますから、地上波デジタルチューナーとしても使える優れものとなって出てくるかもしれません。
もし、そうであれば全ての機種にテレビ閲覧機能が付いてもおかしくありません。
と成れば問題になるのが、携帯電話自身のスタイル。
一つのチップや、一つの機能が携帯電話自身の形にまで影響を与えることは無いと思われる方が殆どだと思うのですが、実際問題、全ての端末でテレビ放送が受信できるようになると今までに無い物が必要になります。それがアンテナです。
現在のテレビ付き電話のように、イヤホンにアンテナを付けるわけなのですが、いつでもイヤホンを付けている訳には行きません。
勿論、見るときにはつけているという言い方もありますが、だからと言ってポケットの中にしまっておくわけにも行きません。軽量であれば首から提げるネックストラップのような物がアンテナになったりすると、デザイン自身が現在の形がベストであるとは言い切れなくなります。
もし、イヤホンでやるのであれば、襟口に隠せるような構造になった男用とか、編みこみビーズデザインの女性用みたいなサプライもアンテナ線入りイヤホンとして出てくることに成るのでしょう。
あるいは、埋め込まれたGPSアンテナのような小型のアンテナで、モバHO!のような衛星受信になるかもしれません。
どちらにせよ、僅か来年ぐらいの事なのに ライフスタイルの変わってしまいそうな話題。年寄りには付いていくだけで辛い時代です。
 
追記
凄くタイムリーに、ルネサスがテレビ電話用のSDKをリリースされたようです。