帯磁と消磁

今日、少し古いディスプレイを引きずり出してきて繋いで作業する必要が出てきました。
久しぶりに繋いだからか電気が入ってから画面が出るまでに少し間があります。
画面が出てきてから安定したのですが、全体的に紫色に引きずられるような色です。
全面ではなく波打つように。
作業自身は私がやっているわけではなく、怠け者の私は後ろから見ているだけ。
それでも色のおかしさぐらいは判るので
「帯磁してるみたいだから消磁してみて」と口を挟む。
にこにこと微笑みながら作業してくれているのですが、いわれてもやることは本体のキーボードに手を置いた時点で待機してます。
何度か同じことを言ってみたのですが、鈍い私もそこで気がついた
「帯磁と消磁」って言葉が伝わってないんだ・・・・
 
勿論、知らない人も多いと思うのですが(また間違えたこと書いてと笑われそう)コンピューターのモニターは長らく使っているとモニター表面に磁気を帯びます。
これはブラウン管の場合おおよそ避けられないことで、ブラウン管の後ろ側から電子銃で(考えたら怖い言葉ですよね 電子銃の銃口が人の正面にあって そこから発射されているわけですから・・・)ブラウン管の表面の蛍光素子に電子をぶつけて発光させるという仕組みです。
人が接するガラス面には常時電子がぶつけられているわけです。
家庭用テレビより解像度の高いPC用のモニターは、当然光る蛍光素子の1点 一点が小さく しかし明るく光らなければいけないので強い電子をぶつけます。
家庭用の多くのテレビでは問題にならなくても、コンピューターのモニターは退治しやすい環境がそろっています。
ガラス面等の通常磁気が帯びないものにもでしょうが、想像ですが恐らく中のシャドウマスク等が帯磁するのでしょう。
磁気を帯ることは良いのですが(良くないか)微妙に電子の方向を曲げてしまいます。
赤、緑、青の蛍光素子に当って各色を発色するために、規則的に蛍光素子が並んでいます。
微妙に曲げられると違う色の素子に当って違う発色をしたりします。
勿論、僅かにずれているだけなので 発色のうちの僅かな部分が色違いを起こすということなのでしょう。
故に全体に暗く、色のずれが起こるのだと理解しているのですが・・・・
まあ、原因はともかくそういった画面になります。
 
最近のといってももうあまり見なくなりましたがCRTには、「消磁」機能がついていて強力な磁石でをあてて磁力を抜いてゆくくことで溜まった磁気を除く機能です。
その昔は消磁機という専用の機械があってブラウン管の正面に当てて磁気を取り除く作業もしました。
日常的に過去にそういった作業をしていた私は当然のごとくそう考えた。
実際に今いる子達も知らないわけではないのですが、電源が入ったときに自動的に消磁されるようなモニターの世代なので少し古いモニターになるとそういった機能が別だったり、採取からついていなくて別に機械が要るような発想は無いようです。
モニターの色あわせに消磁を繰り返す(電源のON/OFFでやると画面が安定するまでに時間がかかるから 必ず消磁機を使えと教えられました)世代にとっては、しゃべる言葉が死語になっていることすらショックでした。
 
「へ〜」と感心されるわが身を振り返り
年寄りくさいと思わせられます。