仮想化その先

仮想化の現在の焦点は、サーバーの集約に焦点が集まっています。
ここにきてクライアントを仮想化することに目が集まってきたのは、Windows7の標準仮想化技術のXP ModeやBootCpmp等 どうしてもOSを特定するアプリケーションを駆動するための技術としての仮想化が有効な手段となってきました。
そして、ネットワークを介した、リモートコンソールの世界でも仮想PCが注目を浴びているようです。
ただ、二つのOSを一つの機械で使わなければいけない人等実はそんなにいるわけでもなく 結局関係ない・・・なんて話にはなっているのでしょうか?
実はそうでもないと私は考えているのですが。
 
コンピューターが起動する上において、BIOSというOCが起動したときに自動的に実行されるプログラムパッケージがあります。
これは 基本的なHDD等の外部記憶装置への読み書きのためのプログラム等を含め 機種毎に異なるアイオー等の装置をコントロールするための機能を標準化するための部分と、CPUの機能やRAMの読み書きの設定など ハードウエアの起動時の設定を書き込む部分で構成されています。
これがあるおかげで、基本的な部分に関しては たとえばHDDからOSが起動するという時にはどういったマザーボードを使ってもブートできたりする部分となります。
そして、その後内蔵されているメモリーだけで作業が終わらなくなり FDやHDDに外部の記憶装置を(テープの時はメモリーに転送するところはBIOSの範疇)持つようになりそれを効率よく使うための追加パッケージが登場しDOSと呼ばれるようになる。
それまではBIOS上にBASICなどの言語を読み取り実行していたのですが、BIOSがDOSを読み取りDOS上でアプリケーションの読み取り、実行を行う仕組みとなりました。
高度なインターフェースの為のプログラムパッケージと言えるでしょう。
そして、インターフェースの統合や追加機器のコントロールなどをくわえ「D」の文字が必要なくなったわけです。
OSのパッケージは徐々に巨大化し、メモリー量をはるかに上回るものとなり(追加部分も含めて)必要なパッケージを読みだして実行される形と。
昨今の問題は、HDDからOSを読みだす時間もばかにならないという部分だったりもします。
しかし、いまさら元に戻れないのも事実な訳です。
軽いとか速いとか言われているOSもありますが、それはそれなりの機能の制限等の問題があるわけです。
マイクロソフトのOSの良いところは、問題が起きても(高度な問題は除いて)なんとなく解決策が探せる事で マイクロソフトのサポートもさることながらユーザーの数が多いので トラブルの経験者が他にもいてそういった方の情報提供で成り立つ部分が少なからずあります。
もちろん、そういった事を商売にされている人の数も多いわけです。
 
あちこちのメーカーが小型のOSを選択起動にし(BIOSでOSの起動を選択できる仕組みの為に 非対応の機種では不可)メールやウエブのみを使えるような形のアプリケーションだけを起動できるようにして インスタントだのクイックなどという名称で待たずに使えるという機能を売りにしていましたが あまりはやっているようにも見えません。
機能的には違うのですが 私のVAIOにもCDやDVDを見るだけのOSが搭載されていますが実のところ使った事はありません。
中途半端すぎてそれをどう使うんだと言われるほうが困るわけです。
いざ見ている最中になにかしたくなると 結局起動時間を待たなければいけないわけです。
これでは・・・という事になるわけです。
 
仮想化というのは複数のOSを同時に起動する事なのですが、いまのところ前述のヘビーなOSを複数動かす事を対象にしてますが必ずしもそういった使い方をする必要があるわけではありません。
Hyper−VにはOSを起動せずに仮想化を提供する仕組みがあるわけですが、そういったものが一般的になったらどうなのでしょう。
複数のCPUを搭載し、メモリーも記憶装置も別に持ち 軽量なOSを起動するものもありますがそうではなく 
PCの電源を入れると BIOSが起動し仮想化マネージャーが起動し軽量なOSが起動するという仕組みはどうでしょう?
CPUが複数となるなら 起動中は一つのCPUだけを使う軽量OSの起動を優先して その後Windows等のOSを起動する仕組みはどうでしょう。
最近ではかなり仮想化も進んできているので、複数の仮想化されたOSの間でのデータのやり取りも問題ない。
簡単にいえば 起動すると仮想化マネージャーを読み込んでAndroidが動き、バックグランドでWindows 7が起動処理に入る。
メールを読んだりブラウザで取りあえずHPを見たり 予定表の確認をして 実際のタスクをPCで行う時にはバックグランドでOSが起動済みという使い方。
そして、ミニOSに当たる側には256Mぐらいのメモリーしか割り当てないとすれば そのOSのれじゅーむ等は瞬間で終わります。
その為だけのSSDの搭載であればコスト的にも大きな負担にはなりません。
考えたくないでしょうが、Google Syncで同期するならなお結構というところでしょう。
だとすれば、起動を待たずにPCを使い始めることができて、そのまま実作業に移る事もできるわけです。
 
今できるとしたらマイクロソフトだけなのですが(OSの主流がマイクロソフトだという意味において)それは下手をすると自社のOSの否定にもつながるわけですから(軽量OSをユーザーが拡張して いつのまにかこれだけでも困らないになったらどうする??)困りものな訳です。
ただ、そういうPCなら使ってみたいかもと・・・・
少なくとも今のVTサポートのCPUが普及ラインまで降りてこないとダメなので難しいかも。
ということで、intel VTをサポートする VIA Nano CPUのUMPCなどでこういった装備のものを出してくれると・・・
おそらくすぐにはIntel Atomが追従できないのでネットブックの世界で前に出るのではと思ったりも・・・・
メール、予定表、WEBだけをカバーするAndroidを起動して行うPCを出してくれたら おそらくGoogleにもVIAにもPCメーカーにも(ハードの追加なしに機能が増える)メリットが出ると思うのですが・・・マイクロソフトがその機種にXPライセンスくれないかな?