車載PC

車に載せて何をするんだと言われそうですがやはりあると便利なのがPCなのです。
車載するための条件として必要なものがようやく整ってきたというのが実際のところ。
ではその条件から上げてみましょう。
 
○重量が軽い事
これはかなり重要なファクターとして存在します。
吸盤等で取りつける車載器具の場合、重すぎると取り付けできません。
なぜなら取り付ける相手が壊れたり、外れて落ちて破損したりという事態になるからです。
おおよそ500gを割り込むことが必要です。
○タッチパネルである事
これは必須では無いとも言えるのですが もともとそんなに大きな面積の画面が置けるはずもないので、画面、キーボードで面積を取ってしまうとかなり苦しい。
例えばクラムシェルタイプでダッシュボードに置けばという使い方ではキーボードを打つ事はかなり苦しくなります(まあ、車によりますが)
そうした場合、大きめのボタンを確保するためには画面上にキーを配置できるタッチパネルになってしまうという事です。
画面解像度が高くて押せない等というのも、その状態で使う機能が限定されるので ラウンチャーや補助機能で何とかなるものですから。
○記憶装置がSSDであること
微細な振動が常時かかる車の中では、HDDの故障率が非常に高く 過去にLibrettoのころには私も壊しました。
SSDの低価格化が車載には必須の条件だった気がします。
○復帰、終了(サスペンド若しくはれじゅーむ)が速い事
車に乗ってすぐにPCの電気を入れても 5分走ってからではセットができないからです。
○USB端子が付いている事
通信装置なしにもうPCは考えられないので、最も汎用性のあるUSB端子が付いている事が望ましいわけです。
たとえて悪いのですが真下の真ん中にMini USB端子(別途アダプターが必要で 端子周りに大きな場所が必要なのが×)のあるWILLCOM D4等は車載には使い難いのです。
○熱に強い事
平気で50度ぐらいになる車のダッシュボード近くに配置されるので 熱に強いことが要求されます。
一つは本体の発熱が抑えられていないとすごい事になる事。
もう一つは筺体そのものが紫外線も含めて環境に強い事も求められます。
本体のシールなどが熱に負けてはがれたりという事もあります。
○車載キットがメーカーより出ている事
これはかなりのポイントで、車載キットがメーカーから出ているという事は最初から、筺体設計の時点で考えられていたりしてちょっとしたところに便利な気遣いがあります。
たとえば置くだけで給電されたり、USBの端子がクレードルについていてそこに接続する機器が車においておけたり等です。
出ていても中途半端なものもありますのでそのあたりは注意。
何度も出てきて悪いのですが、WILLCOM D4にはありますが電源端子が特殊で車載用電源がなかったりという事もありますし スタンドも汎用で決して使いやすくなっていない点等です。
 
手前味噌で悪いのですが、Everunはそういう意味では多くの条件をかなえている機器です。
重量、タッチパネルはさることながら、SSDは5Gですがシステムはここに入っており煩雑にアクセスする部分は振動で影響を受けにくくされております。
私はHDDをCFに換えているので、実はそちらも影響が受けにくくなっています。
何より素晴らしいのが復帰時間で、もともと休止した状態からの復帰が他の機械に対して速いわけではないのですが、スリープ状態での待機時間が非常に長く出来ています。
一週間弱スリープ状態で持ちますので、スリープのままであれば復帰が速いだけなのです。
ただ、車のエンジンがかかっている限り給電はされるので電源が付きるまでその状態であっても全く困らないわけです。
もちろん、バッテリーが無くなれば自動的に休止されるのでそのままで置いておいても大丈夫なわけです。数秒で復帰します。
USBに関しても車載キットのところで触れていますが、クレイドルにもUSB端子が出ているのこの辺りはむちゃくちゃ便利です。
熱に関しては現状止まった事はなく、表面に多くのハードキーがあるのも大きなポイントです。
車載PCはこれで決まりっ!!っと言いたいところなのですがそうも言いきれないのは入手性の悪さです。
既にご存知かとは思いますが、会社そのものが無くなったそうです。
たとえ販売店に在庫があったと知っても その後のサポートが受けられないとなるとずいぶん不安が残るわけです。
もうひとつ、何と言ってもスピードが足りない。
CPUのスピードもさることながらグラフィックアクセラレータが悪過ぎて 動画再生支援などなにも付いていないのでSmartPhone並みだったりします。
SmartPhoneにはそのスペックに合わせて例えばYouTubeビューわーのようなものが存在しますが、PCようにはここまで遅いPCが現状ほとんど存在しないので開発もほとんどされていないわけです。
故に、同等といっても下手をすれば負けてしまうこととなります。
 
次世代の車載PCを視野に入れると 非常に良い状況になっています。
いままでは、Everunが壊れたら絶望的だったのですが、ここ数カ月の間にそれに変わりえる機種が登場してきています。
もっとも有力と思われるのは VilivといわれるPCです。
ATOM CPUのネットブック同等のスペックの物ですが、外観上画面だけとしか見えないつくりはまるでカーナビのディスプレイのようです。
外観的にも車載にぴったりです。
現状 大画面モデルのX70は購入特典で車載キットも付いてきます。
当初は小型タイプにもこのキャンペーンがあったのですが、現在は終了しています。
http://www.brule.co.jp/#ProductPage=CategoryCode=umpc&productURLCode=x70
残念なことに触った事もないので何ともいいきれないのですが、おそらく車載用のPCとしては本命となるべき機種となるのでしょう。
GPSも搭載されているので、うまくいえばオンライブのナビゲーションとしても使えるわけです。
 
少しジャンルは違ってしまうかもしれませんがスタンドさえ何とかなればMBOOK M1も工人舎から発売され使えるかもしれませんしAndroidなものも世界中でじわじわ話題が伝わってきています。
車載するというジャンルの機器がようやく出てきて、新しい使い方として定着してゆくかもですね。