今年の漢字

勝手に書いているだけで誰かが決めたわけではないのですが、デジタルガジェット使いとして 昨年度の漢字は「触」だったと思います。
登場は昨年と言うわけではないですが、結果的に大きく浸透したのと 真似と言うわけではありませんが AndroidやWindowsPhoneとタッチパネルインターフェースの物が増えたこと。
PCの世界ではWindows7と言いたいところですが それでは漢字にならないのでやはりその売として必ずと言って良いほど上がってくるマルチタッチのサポートとなるでしょう。
Windows Vista登場に期待をしていたのはタブレットメーカーで、Vista登場時には「タブレットで操作がこんなに向上」と歌っていたものの、結果的にVistaが売れなかったことからその波に乗れずにいました。
また、タブレットのハードそのものは変わっておらず OSの変更で使い勝手がよくなる程度では買い替えに結びつかなかった(おそらく新規顧客を狙っていたと思われる)野に対して 既にVista程の本数を販売したWindows7にハード的にも新しいマルチタッチをサポートしたわけですから ハード的にも新しくなり 買い替え需要まで換気しているわけですから これも入れるとやはり「触」で良いのではと個人的に思ってみたりしています。
で、今年なのですが 終わっても無いことを書くと間違えていても追求されにくいので書いてみると「薄」だと思っています。
 
Air MacVaio Xと既に薄い端末が出ていて今更何をと言われそうですが 断言します今年はさらに薄くなります。
根拠と言うほどのこともありませんが、IntelのCPUのラインナップと情勢からなのですが・・・
 
Intelでは今年のスタートに登場させたのはAtomとCoreシリーズの新しいCPU。
どちらもなのですが、今回はグラフィックコントローラーをCPU内部に内蔵しています。
正確に言うと、メモリーコントローラーと各種外部接続のために使われるチップへの接続用のBusの部分 いわゆる今までノースブリッジと言われる部分までを統合したCPUを登場させました。
もちろん、制御用CPUでは当たり前の世界でずいぶん前からあり1チップマイコンと言われるものなどもそうで x86系であればEverunに搭載されているGeodeなどもそうです。
ただ、メインストリームとなるPCではこれが行われていませんでした。
成長のベクトルの違うものを同じパッケージの中に入れることで発生するリスクを恐れたというのが本当のところかと思われます。
CPU一つを発売しても、クロックの変更や新しい機能の追加(実装していても使えなかった機能の有効かも含め)でステッピングやラインナップが常時変更される状態では 開発の手が落ちてしまうと言うのが理由でしょう。
実際、Pentium Mの頃に鳴り物入りのプロジェクトがディスコンになっていますのでおおよそ間違ってはいないでしょう。
では、なぜ今なのかですが マルチコアのCPUがメニーコアと呼ばれるようになってきたことが理由の一つかと思われます。
意味的には同じなのでしょうが、結構海外のサイトでは使い分けられています。
8個とかの多いときに使われる場合もあるのですが、今後同じCPUコアを複数だけではない展開があるとその動きに対してメニーコアという言葉を使うことを IntelAMDも行っています。故に CPUコアのユニット化が進んだと言うのが大きな理由でしょう。
そして、もうひとつの理由としてビジネスで使われるPCにおいて チップセットにパッケージングされたビデオ機能で満足している顧客がかなりの割合でおり SIS等の廉価版を選択するユーザーたちは 現状のレベルから言っても数世代は古い時代のグラフィック機能に満足していると言う現実があるからでしょう。
HD画質の再生などの支援機能に関してはともかく、3Dでのゲームを行うような用途に特化する必要は無いと言うことです。
であれば、現行のチップセット内にあるグラフィックコアをCPUとパッケージングしても十分戦えるとふんだからでしょう。
実際に、動画再生支援はともかくWindows7のAeroインターフェースに不自由しない程度の機能がパッケージされたものになっています。
また、メリットとして最も速度を要求されるバスの内臓により基板設計も楽になりベンダーがよろこぶと言う事も大きな理由となります。
 
実際のところグラフィック機能を内蔵することで、CPUの消費電力の20%増し程度で総消費電力が済んでいますのでその消費電力の低下は著しいものでしょう。
爪に火をともす用に苦労して 数%の消費電力を稼ぐことを思えば良い手段であることは間違いありません。
高速の大きなバスは消費電力も高くなってしまうからです。
実装面積の低下も著しく、おおよそ2/3程度に回路部分がなるでしょう。
そうすれば、厚みを稼いでしまう部分を基板の無いところに配置できまので薄さを作ることができるわけです。
 
今までも薄くなっていた、と言われるのももっともでこれも上記同様の点でもありますが なによりもこれには液晶画面の技術進歩が貢献していました。
ディスプレイを叩けば いままでは「ごん!」という感じの音だっのはガラス瓶の底に画像を写す仕組みのブラウン管だったからです。
それでもしばらくの間液晶テレビも「ごん!」だったのですが、いまでは せいぜい「べこっ」という音に変わっています。
これは、表面に使うガラスの厚みを極端にまで薄くする(昔は強度などである一定以上薄くしなかった)ことと 表面を樹脂でコートし強度の確保をしたりするという手法が一つ。
もうひとつは上下、もしくは左右に付いた陰極管の光をアクリルの切れ目の入った反射板で送っていたものを 直接背面にLEDをつけてその光で写すようになったと言うことも大きな変化です。
薄いビニールのような基板に実装されたチップLEDの厚さしか無いわけですから薄くなるわけです。おまけに部分的に発光輝度を変えて画面のコントラストを高めたりまでしているのですから。
故に「べこっ」なわけです。おそらく耐久性などは大きく低下しているでしょうが(昔ならWiiリモコンが画面にあたっても割れたりせずにWiiリモコンが破壊したと思う)それ以上に価格が下がっていると言うことでしょう。
 
で、最後の厚みをどうにもできない部品のキーボードなのですが、これがいらないと言うのが今年のトレンドとなるかもしれません。
昨年からの「触」の延長線上でタッチパネルオペレーションです。
Appleは独自のルールを出してくるので 予想しても詮無いことですが、Windows7でマイクロソフトはその使い方を発表しています。
それで使えるのならなくてもいいじゃないかという理論です。
正直、マイクロソフトのものは認識されるデバイスではないので機能全てが使えないので大きなことは言えないのですがVilivで使うぶんには正直中途半端
これでは・・・と思うのですがAppleの物はわかりません。I-Phoneライクで文字の修正や入力に関する新しいものが出てくれば昨年のように世界が変わるかもしれないのです。
そして、ダークホースとなるのがAndroidでしょう。
例えばWindowsタブレットが 13インチ、700g、厚さ1cm、バッテリー5時間程度で 5〜6万円で登場すると思いますが(年内にこの価格になると考えられます)、機能的に異なるとはいえAndroidなら10インチ300〜400g 厚さ6~7mmバッテリー5時間程度で2〜3万で登場してくるだろうからです。
速度などに関しては 既にWindowsPhoneとして登場して有名に成っているSnap Dragon(1Ghz)であれば・・・とも思いますが それ以上にARMのラインナップではデュアルコアQコアとラインアップできておりパフォーマンスが過剰ではないものの少なすぎることはないのです。
もちろん、グラフィック機能の内蔵どころかWifiやWANの内蔵された物も有るわけですから基板実装も何もかもコスト的に有利に働くわけです。
同梱することで基板の積層を2層減らせると言われているAtomですが それ以上にほとんどワンチップで済んでしまうARMモデルは有利なわけです。
そして、そのハードをプロモーションできるOSがアンドロイドとしてあることが大事なのです。
同じようにタブレットで登場して、Googleのサービスとして ワープロ表計算が使えなおかつネットにつながっていればGoogleのサービスをフルに使えるのです。
PCでも同じソフトを使えばシームレスに使い分けることもできるわけですから。
そしてこの価格は大きなアピールポイントとなるわけですし、ライセンスもハードの仕様もコストの安いAndroidに中国で注目が集まるのもさもありなんと言うわけです。
 
タブレットを今までのPCと同じに使うというならWindowsタブレットなのでしょうが、今後の使い方では必ずしもそうではないかもしれません。
顕著な例としてAndroidを上げるとすれば、恐ろしいことに携帯電話もAndoroidだった場合、携帯電話とタブレットが同じOSで動いているのです。
異なるのはストレージやスピードなどの性能の違いと画面の広さです。
アンドロイド携帯で何かをしていて、タブレットを取り出しタブレットの上で降るとそのまま下のタブレットに操作が移るかもしれません。
CPUもARM同士ならバイナリレベルで同じアプリケーションが動くのですから。
その後は携帯電話はモデムとして働いていると言う事も可能なのです。
そして、タブレットの電源を切ると そのままの画面が携帯電話に移るとかになればどんなに便利でしょう。
そして、そうやって大きな画面を軽く作るために タブレットは極限まで薄く・・・・
 
今年のモバイルガジェットの漢字は「薄」
私が勝手に思っているだけなんですが、なかなかいけてると思いませんか?