本物以上の偽物

ちょっと前まではデジカメで話題になったのですが 最近ではテレビやビデオでもよくある話となっています。
事によってはDVDなどでも出てくるわけですが・・・・
 
DVDやBlueRayのディスクを作るのにという話となると おおよそ家庭用のTVでみるので 音響や 周りの明るさを考慮してコンテンツを作り直すような話だったり、劇場で見た人にもう一度見てもらえるように ノーカット版 映画とは違う特典映像などという点を思い浮かべられるかもしれませんが 実はそこではなく オーサリングのところでの話。
じっさいのところ、現在のTVのHDD録画などでもそうですが 機器によって大きな差があります。
以前も書いている通り、DVDだけでいえばMPEG-2という画像圧縮方式で 前の画像との差異を記録してゆくという方式で全体のコマすべてを一枚ずつ保存するより小さな容量で記録できるわけです。
ところが、画面の切り替わりが激しいシーンなどが続くと 結果的にすごい容量になってしまったりします。
HDDレコーダーに表記されている 〜時間記録可能という数字の計算ができなくなりますし、DVD1枚に何時間記録できるかなんて予想できないわけです。
特定の時間を決めて、その時間内にどれだけの容量を使うかを決めて圧縮を行うわけです。
それが例えば1分だとすると、最初に全部の画面がぱらぱら変わる絵が出てくると 機嫌よく容量を使いながら記録を始めるのですが 途中でこのままでは単位時間内の容量が大きくなりすぎるので そこから規制を初めて 記録容量を絞り始めます。
そうすると そのあとがたとえ静止画のようなシーンが続いたとしても 荒い画素子数でしか記録できない程の容量しか残らないわけですが動かないので徐々に画面がきれいになってゆくような動きとなります。
これが逆となるときれいな静止画で それっきり動かなければデータの消費量が少なく、きれいな画質が続きデータの消費量が少ないので動きのあるシーンが来ても追従できるようになります。
と、いうわけで シーンの出方などで変ってゆくこととなるわけです。
映画のオーサリングなどとなるとこの部分をもっと詳細に手を入れてゆきます。
ヒーローとヒロインが顔を寄せ合い盛り上がるシーンなどで 顔にブロックノイズなどが出ると興ざめです。
逆に動きの多いシーンなどは少しぐらい解像度が下がってもわからないのです。
そのあたりを調整しながらの作業となるわけです。
たとえに出して悪いのですが、例えば海賊版で映画館で撮影した映画と、正規版でDVDにされたものではそういった意味でクオリティは大きく異なるわけです。
まあ、映画などは手動でやるわけですし 何度も見ながら調整してゆくわけですが 家庭用のHDDレコーダーではそこまで手をかける事は出来ません。
人がいない間に録画することができなくなって、数度見てから圧縮レートを調整していい感じになって出来上がってから じゃあ本格的に見ようなんてありえないからです。
機種によっては見返して自動的に各シーンのバランスを取るような機種もあるわけですが 録画後に見れるようになるまでに時間がかかりすぎるので一般的とは言えません。
それでも 番組の種類などから最適値を探し出すような試みはいろいろと使われているようです。
 
録画装置に関しては上記で書いていますが 再生装置にもいろいろな工夫がなされています。
最近まで主流になって表現されているのが コントラスト比というキーワードなのですが 最も明るいところと最も暗いところの対比なのですが
ブラウン管時代には 背面からビームで蛍光体を光らせているのですが そのビームの拡散や漏れなどでうっすら全体は常に光り続けていました。
明かりを強くして 黒いフィルターを入れて黒を黒くしていたわけです。
それがLEDのバックライトの液晶であれば、バックライトのLEDを部分的に消すことで 本当の黒を表現できたりするわけです。
バックライトは1素子あたり1個ではないものの、暗い部分は固まるので多くで適用できる新しい技術として出てきています。
完全な黒から 光あるところまでの差はかなり行き着くところまで来たような気がします。
ELなどとなると 自己発光なのでもっと鮮やかにゆくのでしょうが・・・・
で、画像なのですが 基本的に自分で発行しているものを人の目では見ることがありません。
そんなことはないと思われるなら 光っているものを直接見るものを想像してみてください。
実際のところテレビぐらいしかないわけです。
 
自己発光しているものとそれ以外、具体的には反射光にて光っているもの。
LEDの明かりである話ですが 周波数も一緒の同じ方向の光は鏡のような面にあたると同じ方向に反射します。
ところが、自然界の光はあちこちからの乱反射で成り立っているのは周波数の異なる光の集合体です。
反射すれば色が少しずれたりしますし、大体光源がバラバラすぎてどこからの光を受けているのかわからない状態です。
レンズで受けても すべてを受け取れるわけではありません。
例えば朝の差し込む光の時に見る景色は目の周りを手で囲って筒のようにしてみれば見えるけど手を放すと周りの光でがまぶしくて見えないようなことが起きます。
こういった光は再現できません。
逆に多層のレンズを使うので、強い光が差し込んだ時に 光がリング状に見えるようなのも裸眼では発生しないものです。
周りからの光もちゃんと伝えないと目で見たままのものは伝わってこないのです。
 
本来は暗いところに置いてある花は圧倒的な色で実は迫ってくるように見えることはありません。
これをしようと思うと、スポットのようなもので照らすしかありません。
コントラストを強調するために 暗い中で花だけが鮮やかな色で光り輝いて見える状況。
これは高感度なカメラで撮影したものだろうと想像はつきます。
これって裸眼で見ることのできる絵ではありませんが もっともテレビの映像をくっきり見せるものの一つです。
そして、花も非常にきれいに見えるものです。
この画像が本物なのかというと 本物ですが偽物ともいえるわけです。
ただ、本物以上に存在感を放つものであることは確かです。
綺麗であることを見せること、加工も技術であり芸術であるわけなのですが あまりに進むと見失ってしまいそうな気がしますよね。
written by HatenaSync