自作しないんだ 子供たちは・・・・

日食があって、金星が太陽の前を通過すると言う天体ショーが立て続けに起きています。
子供たちには楽しいイベントと言うか、子供たちを太陽の下に引っ張り出すのに良いイベントが続きます。
おそらく子供たちの半分ぐらいは嫌がってるんじゃないかと思うのですが・・・
金星の通過などは、遮光板の性能にもよりますが 「ああ、金星のクレーターが・・・」なんて子供が報告しても実は遮光板のむらがそう見せると言うわけで 子供の夢を壊してしまうこととなるわけです。
一時期は都心部では品切れしたとかで、まあお盛んなことでと思っているわけです。
あれ?と思ったんですが 子供の頃はかなり貧乏で そんなものを買った記憶は無いわけですが 何故か子供の頃(おそらく小学生の頃)は日食を見た記憶だけはありました。
そういえばどうやってみていたんだろう??
 
と、言っても実は忘れているわけでもなんでもなくて やったことは覚えています。
と、いうよりどちらかというと その遮光版を作る工程のほうが楽しかったような気がしています。
遮光版なんかどうやって作るんだと言われそうですが そんなに難しい話ではないのです。
私より前の世代は ガラスの板を用意して それをろうそくの上で炙るのです。
私たちの世代は下敷きを同様にろうそくで炙るわけです。
ろうそくで炙ったら 溶けちゃうじゃないか・・・・ なんて言われそうですが 熱を加えるのが目的ではありません。
熱ではなく、不完全燃焼で発生する「煤」が必要なのです。
じゃあ、何故ろうそくかと言うと 基本的にロウソクは安定して綺麗に燃える素材で 液体となった蝋が燃えているのでそれで出来た「煤」は非常に目が細かくて高品質なのです。
その「煤」を一杯板につく様に 遠くに離さず溶けるほど近づけず 絶妙な距離で炙り続けるという作業が必要なわけです。
 
器用な子は普通にやるわけですが、なかなか器用な子ばかりではなく どれほど待っても黒くならない子や下敷きなので溶けてグニャグニャになったりという関門がひとつ。
もう一つは、付いた後なのですが ただ煤がついているだけなので これを手で触れば手が真っ黒になってせっかく付けた煤が取れてしまいます。
もちろん、間違えてやるパターンもありますが故意にやるパターンもあります。
手に付けるとまるで手が怪物の手のように 皺等が浮かび上がるわけで・・・
その上、その手で触られた子は服まで真っ黒!!
って、もうみんな楽しくてしょうがないわけです。
考えただけで楽しそうでしょ!
 
まあ、ここでも裏技を使う悪い子が出てくるわけですが
下敷きの角を切って ピンセットでろうそくの火の下のところにくべてやると 一気にもうもうと黒い煤が上がって あっという間に遮光板の出来上がりとなるわけです。
ですが、お分かりと思いますがプラスチックの燃えるにおいは それはそれは凄くて起こられることになるわけです(笑
まあ、こんな悪い子が居るということで 何故詳しいかは別にして。
 
今考えれば遮光能力なんてむらも含めてあまり期待できないかもしれません。
というか、例の樹脂の煤のものは 残念ながら煤が濃すぎて向こうが見えなかったことと むらが多すぎてゆれゆれの画像で使えなく なおかつろうそくの煤と違って拭いても取れないというおまけすら付けてくれたという笑えないこともあったりしたわけです。
結果的には それで見たけれど やっぱり望遠鏡で紙に写した太陽が最も見やすかったなんてこともありました。
今ならそれよりもネットの画像が・・・となるのでしょう。
 
自作することが良いかどうかはともかく、おそらく買ってきためがねで見たのと自分で作っためがねで見たのでは後者のほうが思い出としては残るでしょう。
必ずしも目に優しいとか、綺麗とか、安全性は無いのですが
このとおり、いい年になっても覚えているというメリットもあったのですが どうでしょうね?


written by HatenaSync