インフラメーカーとしての責任

ひがみにしか聞こえないかもしれませんが、やっぱり納得いかない。
NTT DOCOMOのPHS撤退。
勿論、採算性の問題などから考えれば必然です。
2年間を目処に撤退するとの事。
実質上、エリアの縮小も行われています。例えば羽田第二ターミナルのように主要拠点でありながら新規建築されたところ。地区のショッピングマートや百貨店でも新築された若しくは建てかえされた所では同様の状況が起きるのではないでしょうか?
第二ターミナルに関しては 一部地区での利用は可能だとの事ですが・・
これはユーザーからの声ですが、電話ボックスが無くなった事により通話エリアから外れたということも聞いています。
現在、DOCOMOのPHSユーザーは統計数字上1,347,500人。いくら採算性が悪いからといって 加入者数で比較するのは非常に失礼なのですが ボーダフォンの15,099,100の1/10。AUのCDMAONEユーザーが1,713,100ですので非常に近い数字かと。
電気通信事業者協会(平成17年2月度)のデーターからですので、まあ正しいのではないかと。
例えば、CDMA ONE つまりAUの現行であり旧世代の通信方式の電話ですら廃止の告知は出ていませんし、いきなり出たりすると困ってしまいます。
現状、グローバルパスポートと呼ばれる 海外、国内共用契約できる電話はCDMA ONEにしかありませんので。
もちろん、もっとWINにユーザーが移行してからそういった告知は出る物と思われます。
しかし、今回のPHSの騒動は 一切の代替案が発表されないまま告知されました。
一般的な企業の償却年度は5年。PCを含むコンピューターは陳腐化が激しいので3年の会社もあります。
しかし、5年で契約していた場合。それも、今年の1月に契約していた場合。約3年間の期間は利用が不可能になります。
もちろん、すでに生産自身は終了しているのですが Sigmarion3を利用したシステムなんかを利用していた場合、もちろん他社PHSの利用の出来ないための細工がしてあるこの機器では FOMA以外の通信をサポートしなくなってしまいます。
そのことに関する補填等は、顧客向けに個別対応との事。
企業ユーザーがどれぐらいいるかは判りませんが、きっと目に見えない個別対応があるのでしょう。
でなければ、日本各地で裁判が起きてしまいます。
DOCOMOのPHSを利用したシステムの提案を受け、インフラの変更によりそのシステムに変更を余儀なくされた場合。だれが責任を取るかと言うのは大きな問題になります。
100人の社員にPHSを持たせていた場合、4800円の定額に対してそれぐらいでは基本料ぐらいにしか成らないFOMAへの変更を要求することは 月に直して3000円上がったとしても30万円の差になります。年間で360万ですから決して馬鹿に成らない額なのです。
ライフラインという言葉がありますが、水道、電気 当りの事を言うのですが 昨今の大型地震ではこの早期確保の重要性を説くのですが 通信もその一つです。
家庭の電話を持ち出すことをコンセプトに作られたPHSは安価な携帯電話として音声通話に利用している人も少なくありません。実際に今でも一般回線との接続では携帯電話よりは有利な点が少なくありません。
それだけを通信手段として利用している人にとっては、十分ライフラインです。
例えば、人が少なくなった過疎の村だからといって 水道を止めたり、郵便物が届かなくなったりしては困ります。例えば昭和基地にだって普通の葉書は届くのです。
ライフラインとなるべきインフラメーカーが、僅か二年ぐらいのスパンで 明確な代替案も出ないまま終了させると言うのが社会的にどういった責任が発生するかを問いたいと考えます。
本当に1,347,500人のユーザーが納得ずくでの決定なのか、少なくとも私は納得をしていません。
今のところ、DOCOMOからの連絡で頂いている代替案は、DOCOMOが6月から手供するデータパックを使って欲しいとの事ですが(FreeDゆーざーなので)明らかに高額です。
代替案として用意されたにも拘らず、ボーダフォンのデータパックより高額になります。
(コースの選択と通信料によりますが私の利用用途の場合)
ただ、ボーダフォンのデータパックにしても、ボーダフォンコネクトと言うカードを使ってもデータバリューパックスーパーを利用して月々244M分の無料通話を含めて契約して尚 WindowsXPの月例アップデートとオフィスのアップデート、ウイルスチェッカーのアップデートで殆どを使い切ってしまうのです。自動で発生するこのタスクによって。
一度は、踏み切ろうとしたWCDMAへの道もこの事実によってふさがれてしまいました。
ましてや、100M相当が着いたDOCOMOのデータパック程度では多くを外での利用に費やす(カードの性質から 当たり前なのですが)PCでの接続に置いては唯の気休めにしかなりません。通信業者は現在のPCの利用状況をどのように考えているのか疑いたくなるような状況です。(これは一概に通信業者の責任ではありません、それだけの変更が必要になるのは多くは悪意のある人の行為によるものです)
DOCOMOの赤字は、多くは大きく広げた海外事業によるものだと聞いています。そういった事態に対しての対応策として、携帯通信機器として最も安価なPHSを切り捨てて事業の利益を向上させるといった姿勢は インフラメーカーとしてのスタンスを疑いたくなる行為です。
過去にも、某放送局が 通信衛星を打ち上げた時に 3機中1機の通信機が故障し原因が解っていないために保険会社が保険の適用を断ったという事態がありました。
しかし、某放送局はそれを押しての打ち上げに踏み切り、飛び上がった時点でもう一機の故障 その後不安定になり続け 当初他の通信業者に貸して採算性を向上するはずだった衛星はその役目を果たすどころか、通常の放送を中継するのもやっと。急遽、もう一台の衛星の打ち上げに迫られた時も 一切、話題にもなっていません。
全ては受信料でまかなわれているわけなのですが・・
よく、人に悩みを打ち明けられた時夜空を見上げて、「ごらん 夜空の星に比べれば僕たちの悩みなんて小さな物だ」なんて言っているドラマを見ますが、そりゃ〜数千万円単位の使い込みぐらいで 受信料の不払いが起きるなんて小さい小さいなんて思ってしまいますよね。
それでも、ただ、関連企業にお金を流したかっただけかもしれませんが 余分な受信料を取りたかっただけかもしれませんが 日本全国離島でも見られるようになってはいます。採算性を自ら無視したインフラの姿ではあります。
もちろん、韓国や中国でも写ったりするのに受信料を取ってたりはしないんですけどね・・・
とにかく、どこかの会社が正々堂々と社会に責任を問うために訴えるのをお待ちしています。
注)加入者数はhttp://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/yymm/0502matu.htmlを参考にしています。