危うしPDA

Intelが新しい家電向けプラットフォームとしてIntel854プラットフォームを発表しました。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0412/intel.htm
近い将来に向けた、布石と言うよりもここで欲しがられているリファレンスを提供したと言う形でしょう。
現在の、HDDレコーダーの機能は向上し、それに伴ってテレビの機能も向上します。さすがに1万円で売っている14インチの家庭用テレビの付加価値ではなく 数十万から百万を超えることもある大画面のTVが売れているわけですから その付加価値も大きくなり PCの一台ぐらいおまけにつけても良いような情況。各社各様に、メールが受信できたりインターネットの接続が出来たりと手を変え品を変え色々なものが出てきます。
もう、テレビそのものにインターネットやメールの機能が付き HDDで録画が出来て、DVDが付いていて書き出すことも出来るとなったとき、じゃああなたは何のためにPCを持っていますか?と聞かれて ワープロ表計算程度の答えしか出てこなければ 「じゃあそれもつけましょう」と言うようになるのでは・・・と思ったりして。
特にHDDレコーダーの普及は、大型テレビに比べて比較的価格も安く利用頻度も高いために大きな販売数を誇る市場になっています。
しかし、意外というか家電だから当たり前なのですが 操作がトロくさくないですか?
H8で制御できる機器で既に無くなっているので、ARMのような汎用1チップマイコンがその制御を行い、DVDのでコードチップが映像系をカバーすると言うと構造でしょう。
もちろん、そういったチップは数百メガで動く程度で何よりも構造上I/Oが遅く画像の読み出しや初期プログラムの読み込みに時間がかかったりということになります。
じゃあ、早いプラットフォームがということで、今回のIntelが発表したものが出てくるのでしょう。
600Mのセレロンを搭載しており、512MのRAMをボードに持っています。サンプルはともかく実際の価格は$100以下ぐらいになるでしょう。そして、高級機にはハードウエアーのエンコードカードでも積んで、USBのポートにメモリーカードリーダーをつけて OSにはWindowsCEをROMに搭載して出来上がりと言った簡単に出来るHDDレコーダーがあちこちから出てきたりするのでしょう。
これならソフトを作る人口の最も多いCPUですから開発コストも期間も抑えられますし、既に開発したソフトをOSに合わせて焼き直しするぐらいで済みます。
この初表似合わせて、台湾や中国からHDDレコーダーが大挙して発売されて一気に価格が下がる可能性が出てきました。と、いい事だらけのような・・・・でも、何か忘れていませんか?
ARMやH8に相当するプロセッサーをIntelも持っています。それが「PXAシリーズ」です。
PDAに搭載している時には、HDDなんかは繋がりませんが 思い出してください。ネットワークHDDの話が出たときに 「CPUはPXA255を搭載して・・・・」という話があったように繋がらないわけではないのです。
そして、現在のPDAの主流となったPXA270ですが、その機能には特徴的なものがありCPUとしての性能以上に 一緒に発表されたチップセットの説明にもずいぶん力が入っていました。2700Gです。
現在搭載しているPDAは私の知っている範囲では DELLの一機種のみ。たったそれだけの為にあのチップを開発したのでしょうか?
もともとPXAは組み込み用途に使われるCPUでARMの命令に互換性のあるCPUです。Intel独自の拡張命令と豊富な機能を持ったチップセットがPDAの生産を簡単にしただけで それだけのものではありません。
さっきのネットワーク上のストレージや、セットトップBOX、家電品やそれこそHDDレコーダーなどに使われる・・・・
先ほどのプラットフォームと、大きく重複する用途なのです。
もちろん、全てを切り替えるわけではないでしょうが AMDのGeodeやVIAのC3のようにローエンドレベルのIA32アーキテクチャーの組み込み市場が、汎用1チップマイコンの市場に食い込んできたのでしょう。
問題は、想像できないほどに顧客の要望が大きくなりDVDレコーダーの編集機能や録画しながらの書き込みや、複数番組記録など わずか一年ほどで考えられない程の進歩を遂げたことによるパフォーマンスの不足が顕著に出たものかもしれません。
ただ、そうした場合にPXAアーキテクチャーのハイエンドはIA-32アーキテクチャーのローエンドに押さえられ その境界線が下に下がってくる可能性はあります。
もちろん、H8のようにAH系をモバイルを基本とした、超低消費電力多機能1チップ化を目指す方向もあるのでしょうが、PXA270+2700Gは少なくともそうは見えません。
私が言うまでも無く、パフォーマンスはすでにみんなの知るところです。しかし、それ以降の機種が出てないこともありますが 今のところどこも採用している風には見えません。
このまま、なくなってしまうのではないかと言う危惧が・・・
もちろん、それ以降はIA−32に押されてハイエンドなチップの開発を断念した場合には新たなというよりも、新しい 世代交代して別物と言えるほど機能の変わったPDAの将来が見えなくなる可能性があります。
ぐるっと見回してARM10のチップでPDAを作る業者もいなさそうですし、あとはサムソンのCPUぐらいですか。サムソンは高機能というよりも汎用機種の低価格化がテーマでしょう。NECも方向性が違うようですし じゃあ、次世代のPDAの搭載するCPUは?
今日の記事からそこまで飛ぶのは、飛びすぎですけどね