PSE法について

あまりにも理不尽ながら、本職では電気に関わる物を扱っている手前裂けては通れない法律です。
平成13年4月1日に施行された電気用品安全法の改定と言うことなのですが、何故今頃に騒ぎ出すかと言うと 商品によるのですが猶予期間が設けられており最も早く期限の切れるものが5年 つまり平成18年3月31日までと言うことになりにわかに動き出したわけです。
では、何が困るかと言うと平成18年3月31日以降は、PSE(電気用品取締法適合マーク)の付いていない商品の販売が出来なくなります。
例えば、PC−9801を業務に使っていて いまだに現役だとしましょう。
ところが、さすがにいい年なので何かが壊れたとしても 本体はもう購入することができなくなると言うことです。
これが、キーボードだったりする場合には関係ないので使えたりするのですが本体はもうダメです。
新たに買うことは出来るのですが、売ることが出来ません。
勿論、企業として言葉通りに書くとすると「販売を目的とする陳列 及び 販売」を禁止されるだけのことです。
勿論、この範囲で個人は制限を受けていないので オークションなどでは依然流通はするとは思いますが間違いなくそうなります。
勿論、使い続けることに関しては何の問題もありません。
 
中古販売店などではそれを受けて、それ以前のものの買取を停止しています。
コンピューターがその規制に引っかかるかどうかを調べたわけではないので 例が正しかったかどうかはわかりませんがテレビなども5年の期限が切られた物なので そういうことになるだろうと思います。
ACアダプターのあるノートPC等はPSEの適用を受けなければいけないのはACアダプターになるので アダプターだけを新しい物に買えれば良いのですが そう都合よくは行かないので恐らくこれから期末に向かって大バーゲンが繰り広げられることになると思います。(ちなみにACアダプターは用途によりますが7年の猶予なので 平成20年までOKなはず)
詳しくは
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/keikasochi/keikasochi_q&a.htm
をご覧ください。
 
現在、大きな問題として訴訟を起こしているのはやはり音楽関係の方
古いアンプなど、今では作られていない味わいを持つ機器を使ってらっしゃる方々は、中古とはいえそういったものが手に入らなくなると言うことは非常に大きな問題となります。
現在、中古オーディオを扱っている店舗も 電安法改正後に作られた数少ない名機のみしか販売できなくなります。
 
法律には理由があります。
いつか対応しなければいけなかった法律であることは確かです。
長期の使用を想定されていない設計の物は、年とともに発生する劣化で 絶縁不良や破損による短絡(ショート)や発熱により火災などを発生させる恐れのあるもの等は、いつかどこかで入れ替えなければいけません。しかし、名機と呼ばれるようなオーディオ機器は トランス一つにしてもそういった絶縁不良が音に直接響きますので何重もの対策を立てて少しぐらい悪くなっても大丈夫なような設計がなされていることでしょう。
しかし、そこには線を引くだけの根拠は有りません。
酔う物も悪い物もごっちゃにおいてあるのであれば ひとくくりに規制しようとしただけのことです。
 
勿論、中古品販売もその範疇にかかるので今後それ以前のものは手に入らなくなるでしょうし、例えば古いデジカメを購入したらACアダプターだけ抜かれた状況でしか手に入れられなくなっているかもしれません。
現状は最も簡単な対策、「買取しない」が適用されているわけです。

古い物が手に入らない状況が望ましいのか胴かに関しては異論の分かれるところでしょう。
ただ、博物館にあるような日本の「電気冷蔵庫一号機」であれその適用を受けてしまうわけですから そういったものは全て手に入らなくなると思ったほうが良くなります。
 
ただ、いまそういった機器をお持ちの方でオークション以外で処分されようと思っている方は十二分にご注意ください。
そして、私と同じようにジャンクを愛する人にとっては 住みにくい時代になるということなのでしょうか・・・・合掌