広角に強いって

狭い部屋で、部屋の全景を撮れる事が私の場合ポイントです。
カメラの多くは、と言うより殆どは一般のフィルムカメラと同等と計算すると、35mmぐらいが焦点距離となります。
なぜ、普通のカメラと想定するかと言うと 例えばデジタル一眼の*ist DSでもCCDのサイズはAPSカメラ並み。フィルムカメラのように35mmと指定されたフィルムサイズに対して設計されるわけでは無く、CCDのサイズは つまりフィルムのサイズは大小さまざまで 同じレンズを使っても映し出すフィルムのサイズが違うと撮影できる画角が変わってしまうからです。
 
あまり、変な話をしても何なのですが 私は基本的に広角のレンズが大好きです。
もちろん、一眼を持っていた時期もありますが、今よりも貧乏でカビの生えたレンズですら高値の花で、125mm程度の望遠レンズ一本だけを持って フィルム代にもと言うよりも現像代にも困る生活を過ごしていました。
あまりに現像代をケチるあまりにあまりにも質が落ち、ピントがカメラでぼけているのか現像でぼけているのかも理解できないレベルで、10年を超えた(細かいことは書かない・・・)今残った写真を見れば、色も解像度も何も無い印画紙から いかに馬鹿げたところに現像に出していたかが伺えます。
勿論、ハーフのカメラだった(今の人は判らないですよね フィルムのひとコマを二つに割って撮影するカメラを使っていました。写せる枚数は倍増する変わりに 解像度も半分 唯一、ボディサイズが小さくて長い望遠レンズが安いことが特徴でした。)
当時は、それでも一枚辺りの単価の安いところへ走っていたものです(騙されてますよね 今考えたら)
元々、根気のあるほうではないのでそのうちめんどくさくなって いつの間にかスナップカメラを持って歩くようになり そのうち旅行でもない限り持たなくなりました。
何が困るって、フィルムは使い切らなければ現像に出せません。
撮影すればお金がかかるので、もったいないお化けが出てなかなかシャッターを押せないので 数ヶ月もカメラの中にあるフィルムは駄目になってゆくわけです。
ようやく、カメラの世界に帰ってきたのはデジカメが使えるようになってから。
勿論、条件が揃って解像度も使い勝手もいい加減な私にも使えるようになってきてスナップレベルまではOKになってきました。
 
じゃあ、と昔の憧れである広角レンズを手に入れる為に動き出したわけなのですが これがなかなか置くが深い。
一般的に望遠ズームレンズには光量を超え無い限り限界は無いのです。
ズームレンズは、カメラの中にカメラがあるようなものでまず最初にレンズで風景を捉えそれを映し出し、その中の真ん中の例えば1/3の部分を虫眼鏡で拡大して大きくしたような仕組みになっています。
つまり、レンズに入ってくる光の一部分を拡大するわけですから 段々光の総量が小さくなりズームレンズで遠くを捉えれば捕らえるほど暗くなってゆくわけです。
故に、遠くの画像を大きく見せるレンズの代表である、天文台天体望遠鏡などは数メートルのレンズ径があります。
実際には、最初のレンズ辺りの画像を拡大するために最初のレンズの解像度が無茶苦茶大きな問題になったり、ズームするわけですから 焦点距離が変化します。それに対応してレンズを交換するわけではないので距離の変換だけで曲がらず画像を伝える技術が必要なのでいわゆる言葉通り簡単には出来ずに、多くの有名レンズメーカーがその技術を競うことになります。
ただ、投影する面積(CCDサイズ)が小さくなると縮小コピーのようにレンズ設計をその分縮小できるので(明かりは増えないので暗くなりますよ ず〜〜っと)CCDサイズがフィルムカメラより小さいデジカメでは高倍率ズームのものがコンパクトで沢山登場するわけです。
 
これが広角となると又別の問題が出てきます。
人の目と言うのは認識能力の問題はありますがかなり広角にできています。
確か目が二つあるという条件も含めると120度ぐらいまで見えているそうです。
そうすると、目で見た感動を伝えようとすると 目で見たとおりの写真を撮りたくなるのが人情で、そうなると実は20mmぐらいの焦点距離の・・・・
焦点距離が短くなると言うことは、大きな問題ではないのですが最も大きな問題はカメラが球形ではないこと それと人の目にはズームの機能が付いていないことなのです。
魚眼レンズと言うものがありますが、実物を見ると水晶玉の1/3ぐらいのところでスパッと切られたレンズがまず見えます。
これで180度の画角を撮影することが出来ます。人の目より広い範囲が見えると言われる魚の目を(って全部じゃないのに・・・)模したものですが、レンズは見ての通り球形になっています。じゃあCCD(フィルムは?)と成ってしまいます。
距離が近くなればなるほど、曲面と平面の写りに差が出てきますレンズの絵をそのまま写すと周りが縮んで、真ん中が間延びした独特の絵が出来上がります。
魚眼レンズのようにそういった絵も面白いのですが、印刷するのが平らな紙であれば間違いなく違和感があります。
では、平らなものに合うようにレンズで曲げて平面に見せかけなければいけません。
周りは引き伸ばして・・・・と成って困るのは周りは真ん中に比べて1/2に圧縮されているとすれば引き伸ばしたときに 光量は1/2になり安い広角のレンズで目一杯広げると周りが暗い写真が出来上がります。
よく、オプションや別のメーカーから出ているデジカメ用のオプションパーツなんかで0.8倍ワイドコンバージョンとかを適用外の機種で使うと 歪むか周りが暗くなるかのどちらかになります。(それでも適用機種で押し通すメーカーもあります)
勿論、距離が近くなれば マニュアルのカメラを使ったことがある人なら判るとも老いますがレンズのフォーカスリングについているメモリは 二次曲線的に間隔が広がり15mぐらいからは∞になってパンフォーカスに変わってしまいます(無理してあわせても普通のカメラでは差が微妙すぎてもう変わらない)。近い距離を写す前提であればフォーカスの仕組みも大変な手間になります。
勿論、出っ張ったレンズは カメラをコンパクトにする大きな障害になります。
ましてや、私が持つようなカメラでは 普通のスナップで使う 100mmぐらいのズームが欲しいと成れば 無いものねだりのような状況になってしまいます。
 
それでも、技術の進歩なのか切り捨てる部分が明確なのかわかっただけでもコンデジの中で広角を意識したカメラが6社から出ています。
多くは28mm〜で一社 24mmからと言うものまで出ています。
一般の35mmやひどい場合には38mmからのカメラを使っている人も 一度デジカメ売り場で比べてみてください。
すぐにはわかりませんが 撮り比べてみるとデジカメのショーケースを二台のカメラで撮影して 両端まで移るカメラと数台の幅しか写らないカメラの差に・・・